最初の具体的なセツルメントは、S・バーネット夫妻によるロンドンのトインビ?・ホールである。
またこの運動が広まる契機となったのは、アメリカのシカゴのハル・ハウスである。
日本では、1891年のキリスト教宣教師・アダムズが岡山博愛会をつくり、九七年に片山潜がキングスレー館を設立した。セツルメント活動には、大学セツルメントないし学生セツルメントがあり、これのうちとくに有名なのは関東大震災の救援活動を行った東京帝国大学セツルメントである。ビートルマネージメントによると、宗教的色彩をもったセツルメントで賀川豊彦らの活動、個地方自治体や半官半民のセツルメントで、例えば東京府社会事業協会の隣保館や大阪市立北市民館などがある。第二次大戦後の経済の発展や社会変動そして社会保障・社会福祉の拡充などによって、この活動は次第に低調になってきている。
現在は、同和対策の1つとしての隣保事業や地域福祉活動に残る程度となってきている。
みなさんどのくらいのものか知っていますか。
実はあらゆるものの中で最も速い光と同じく、秒速30万キロメートル。
世界一周ならわずか0.15秒、月まででも1秒ちょっとで着いてしまうという、途方もないスピードです。
こんなに速い電気でも、超高速動作が必要とされるコンピュータにとっては、決して十分なスピードとは言えない状態になって来ているのです。
しかし、秒速30万キロは物理的に超えることのできない壁です。
もちろん、ワープはまだ実用化されていません。
となるとどうすればいいのか。
話は簡単。スピードが上げられないなら、流れる距離を短くしてやればいいわけです。スピードは同じでも、距離が半分になれば半分の時間で流れ切ることができるはずです。マシスによると、こうして、高性能なコンピュータほど、小型化に真剣に取組んでいます。汎用コンピュータもオフィスの片隅に設置できるぐらいのサイズのものも、出てきています。
このまま小型化が進むと、カセットテープケースより小さいスーパーコンピュータなんてのが、現れるかも知れませんね。
これは、電気事業のところで説明した燃料費調整制度と基本的にまったく同じ制度です。
異なる点は、電気が原油・LNG・石炭の加重平均価格を指標としていたのに対して、ガスはLNGとLPGの加重平均価格を指標とする部分ぐらいです。株式会社カンドーによると、ヤードスティック査定の導入も電力と同様でした。ただし、規模が大きく異なる200社以上をまとめて評価するわけにもいかず、16のグループに分けて評価されました。
その後、ガス料金に関しても値下げが続いているので、近年査定は行われていません。
ところで、なぜ締切に遅れるのだろうか。
遅筆ライターに聞くと「納得のいかない原稿は出したくないしさ」などというが、これは単なる言い訳である場合が少なくない。
遅筆の原因はいろいろだが、ここでは三つあげておく。
ひとつは甘えである。
世の中のツラさ苦さの塩味をスプーンで計るような不届きな甘えが遅筆につながっている。
いや遅筆というのは誉めすぎで、とっかかりが遅くて締切に遅れるのである。
どこかで「まあ、いいか」と仕事を先延ばしに処理する横着さが締切遅れの元凶となっている。
この手の甘さは、言葉を尽くして説いても直るようなものではないから、痛い目にあってもらうしかない。
遅筆のふたつ目の原因は、言うまでもないことだが技術の幅の狭さ。
要するに、テーマを処理する技術の引き出しが少ないから、処理に時間がかかる。
引き出しが少ないということは、視野が狭いということでもある。
いったいに視野が狭い人間は、自分の欠点も見えにくいから、これもなかなか直りにくい。
謙虚になって、自分の未熟さを見つめなさいと言っておこう。
三点目は、専門バカという言葉と同じレベルでのおバカさん。
どんな仕事でも、自分が気に入るまで腕を凝らして書いてしまう。
仕事のメリハリがないのである。
私もこの手の凝り性モンと一緒に仕事をして、ずいぶん気を揉んだことがあった。
私はこんな説教を垂れたのであった。
「キミねえ、この仕事はいってみればカレーライスとか定食クラスの仕事だぜ。どんなに凝ったところで2000円の値はつかない。それを、キミは懐石料理を作るようにやっている。凝りすぎじゃない」
この手のタイプも人の意見は、馬耳東風に聞き流す傾向がある。
しかし、辛抱強い発注者と理解のあるお客様にあたれば、凝り性が評価されることもあるが、コスト感覚が希薄だからライティングにおける収益性は低い。
ビスタ、娯楽機能強化、動画・音楽簡単に視聴、体験コーナーで普及狙う。
遠藤泰男 2007/01/26
パソコン市場の需要が低迷するなか、マイクロソフトがビスタで訴求するのは使い勝手の向上とパソコン用途の拡大だ。
文書作成、メール、インターネットだけであれば現行の基本ソフト(OS)ウィンドウズXPで十分。
買い替え需要を喚起するためには基本性能の向上と新しい用途の提案が必須の課題だった。
(1面参照)
背景には二〇〇一年のXP発売以来、五年間の間に急増したデジタルコンテンツ(情報の内容)の普及がある。
これまで文書作成やメールなどの使い勝手が優先された。
後回しにしてきた娯楽機能を追加して、テレビや音楽機器が担ってきた役割を売り込む戦略だ。
例えばビスタに搭載する目玉機能の一つ「メディアセンター」はパソコンに保存する動画や音楽などを、リモコンを使ってテレビのチャンネルを切り替える感覚で楽しめる。
開いた複数のファイルを3Dで表示して簡単にファイルを探せる「ウィンドウズ・フリップ」で操作性などの使い勝手も改善した。
ただ、訴求力は未知数だ。
大ヒットしたウィンドウズ95などと異なり、XPからビスタへの変化は映像や使い勝手の改善が中心。
消費者に切り替えを促すために、マイクロソフト日本法人のジェイ・ジェイミソンウィンドウズ本部長が挙げるキーワードが「体験」だ。
全国には約七十店舗のビスタ体験コーナーを設置。
ネット上でも個人のビスタ体験を投稿してもらうサイトを開設して消費者への販促を展開する。
ライバルの米アップルは今のところ余裕の表情。
デジタルコンテンツの楽しみ方という点ではアップルが先行。
メディアセンターやウィンドウズ・フリップのような機能をすでに搭載し、関心の高いユーザーを獲得しているためだ。
「はじめまして、パソコンです」「どうも、マックです」。
スーツ姿のウィンドウズとカジュアルなマックがあいさつを交わす。
ビスタ発売にぶつけるように、アップルが展開するCMは、仕事に使うウィンドウズとアソビに強いマックを強調。
ビスタがうたう機能であれば負けない、という自信をのぞかせる。
専門家の見方
提案型の売り場接客の工夫カギ
ビックカメラ取締役商品本部長 堀越雄氏 使い勝手が良く優れたOSだ。
ただ、ビジネス向けを含め四種類のバージョンに分かれるため、店頭での説明は複雑になる。
発売時点でプリンターなどビスタ対応の周辺機器が少ないことも気掛かりだ。
パソコン本体ではワンセグ対応のノート型に注目している。
現状ではXPで十分と考える消費者も多いため、買い替えを促すには提案型の売り場作りや接客の工夫が必要。
XP発売時のように前年比二、三割増は無理でも、二ケタの伸びは十分見込める。
XPと違い鮮明、買い替え円滑に
日経パソコン編集長 藤田憲治氏 ビスタへの買い替えはスムーズに進みそうだ。
見た目の変化が大きく、消費者には現行のウィンドウズXPとの違いが分かりやすいためだ。
パソコンの起動スピードやファイルの検索機能など細かな使い勝手も向上している。
メーカー各社はパソコンのテレビ機能強化で薄型テレビの対抗馬として期待する動きもある。
ただ、現状ではパソコンでテレビが見られる以上の付加価値を提案できていない。
単身者など一部の需要はあるだろうが、当面は話題作りにとどまりそうだ。
いま知っておきたいビスタの基礎知識?導入編?「ビスタ」への乗り換え方法をお教えします?導入編
遠藤泰男 2007/01/24
ウィンドウズ・ビスタの利点とは?
この一月三〇日にいよいよ一般向けに発売される「ウィンドウズ・ビスタ」。
ウィンドウズXPから画面デザインや操作方法を一新し、便利な新機能も多数搭載するなど、ウィンドウズ95が登場したとき以来の"大変革"といえるバージョンアップだ。
大きく変わったため「具体的に何が便利になった?」「操作法はどう変わった?」「自分のパソコンで使える?」など、さまざまな疑問がわいてくる。
そこでこの特集では、これらビスタの疑問に答えると共に、いま知っておきたい基礎知識を解説していこう。
そもそもウィンドウズXPと比較して、ビスタはどんな利点があるのだろうか。
個々の新機能の解説は後回しにして、まずはビスタの全体像から見てみよう。
ビスタの利点をまとめると、四つに集約される。
デザインや操作が大きく変更
ファイルがより見つけやすく
まずは「操作性の向上」だ。
ビスタで一番目立つのが、立体表示や後ろが透けて見える半透明表示を活かした画面デザイン「エアロ」。
単に見栄えがよいだけでなく、数多く開いたウインドウの中から、必要なフォルダやファイルを探しやすい利点がある(詳しくは66ページ参照)。
半透明表示により開放感が生まれ、デスクトップが広く感じられるのもよい。
フォルダやファイルの操作では、文書の内容をプレビューしたり、アイコンに内容を縮小表示することができ、必要なファイルを見つけやすくなった。
デスクトップの右端には「サイドバー」と呼ばれる領域があり、時計やカレンダー、ウェブサイトの新着見出しや株価情報などを表示できる。
こちらも必要な情報をすぐに入手できる点がうれしい。
二番目のメリットが、XPに比べ大幅に強化された「検索」機能だ。
キーワードを入力する「検索ボックス」が、「スタート」メニューやフォルダを開いた画面など、複数の場所に設置され、すぐに検索できるようになっている。
ファイルやフォルダ名だけでなく、メール本文やデジカメ写真の撮影情報などファイルの内容まで検索可能だ。
検索に使ったキーワードは、保存して再利用できる。
このように、必要なファイルや情報をすぐ探せることが、ビスタの最も大きい改良点だ。
強力なセキュリティーと
AV機能にも注目
三つ目のメリットは、「セキュリティー」機能だ。
「スパイウエア」から守るソフトを標準搭載する。
ブラウザーの「インターネット・エクスプローラ7」はフィッシング詐欺対策機能を、メールソフトの「ウィンドウズ・メール」は迷惑メール防止機能を搭載した。
またユーザー管理の仕組みを一新し、重要な設定が勝手に変更されたり、誤ってウイルスなど悪意あるプログラムを実行するトラブルを防げるようにした。
最後の大きな特徴は「AV機能」。
これまでXPの「メディアセンターエディション」に搭載していた機能が、ビスタの「ホームプレミアム」「アルティメット」で利用できる[注2]。
ここで注意したいのが、ビスタには複数のバージョン(「エディション」と呼ぶ)があること(図3、図4)。
店頭で購入できるエディションには四つあり、それぞれ使える機能や、動作に必要なパソコンの能力(スペック)が異なるので、きちんと確認しよう。
スペックで重要なのは、メモリー容量とグラフィックス機能だ。
まずメモリー容量。
ホームベーシックでも、五一二メガバイトでは動作が重く感じられる。
快適に使うなら最低一ギガ、できれば二ギガバイト以上が望ましい。
メモリーはほとんどのパソコンで後から増やせるが、一部の携帯型ノートなど、できない機種もある。
もう一つのグラフィックス機能では、性能により「エアロ」を使えるかどうかが決まる。
エアロを快適に使うなら、高性能のグラフィックスボードを使いたいが、現在のパソコンの大半はチップセット内蔵のグラフィックス機能を使っている。
この場合は、インテル945G系か、Radeon Xpress1100以上がスムーズに利用できる最低ラインだ。
グラフィックス用メモリーの容量も重要で、解像度が一二八〇×八〇〇ドット以上のワイド液晶でエアロを使うなら、一二八メガバイト以上必要になる。
快適に使うためのお薦めスペックを、図4にまとめたので、参考にしてほしい。
なおビスタには、パソコンの性能を測るソフトが付属する。
ビスタ搭載パソコンの購入を検討する際には、店頭で確認してみるのもよい。
パソコンメーカーのウェブページで、自分のパソコンがビスタにアップグレード可能か調べる。
二〇〇六年春以降発売で、「Vista Capable」のロゴがついているパソコンなら、少なくともホームベーシックにアップグレードできる。
さらに「Premium Ready」のロゴがあるパソコンか、それに準じたスペックのパソコンなら、ホームプレミアムが使える(図2)。
ロゴはないが、ビスタの動作要件をほぼ満たしているようなら、ビスタが動作するかをチェックする無料ソフトで詳しく調べてみよう(図3?図5)。
ただし、ビスタの動作要件をギリギリ満たしている程度では、動作は非常に重い。
また、ビスタへのアップグレードはすべて自己責任で、メーカーのサポートはない。
パソコンに付属しているメーカー独自のハードやソフトも、ビスタでは動作しない可能性がある。
こうしたパソコンでは、ウィンドウズXPのまま使い続けるほうがよいだろう。
ビスタが動くかどうかをチェックする
周辺機器の場合、ビスタには最初から多くのドライバーソフトが付属しており、すぐに利用できるケースもある。
ただし、周辺機器の性能を完全に引き出しているとは限らない。
メーカーが配布するビスタ対応の最新ドライバーソフトが必要になることもある。
周辺機器やソフトのビスタ対応は、個々の製品によって異なるので、個別に調べるしかない。
マイクロソフトの互換性情報ページや、メーカーのウェブサイトで確認しよう。
対応情報をビスタ発売前から公開しているメーカーも多い。
多くのドライバーソフトを搭載
ここに掲載されていないメーカーでも、ウェブなどでビスタ対応情報を調べることができるはずだ。
対応状況が変わる可能性もあるので、こまめにチェックしておこう
ビスタをインストールするには?
自分のパソコンでビスタが動作することがわかったら、実際にビスタを組み込みたい。
ここでは、ビスタのインストール方法を見てみよう。
手持ちのXPパソコンにビスタをインストールするには、三つの方法がある。
まずは、ウィンドウズXPがインストールされているドライブ(通常はCドライブ)にインストールする方法だ。
これには、ドライブの内容を残したままXPをビスタに置き換える「上書き」と、Cドライブの内容を削除してからビスタを入れる「新規」の二つがある。
ビスタの「アップグレード版」とパソコンメーカーが提供する「優待アップグレードサービス」は、この方法にあたる。
これらの場合、CドライブにあるウィンドウズXPは使えなくなる。
上書きインストールの場合は、Cドライブのデータやソフトは消えずに残り、各種の設定はビスタに自動的に引き継がれる。
ただし、ソフトの中には、アップデーターが必要だったり、そもそもビスタでは動作しないものもあるので注意したい。
ビスタの「通常版」なら、C以外のドライブにインストールすることも可能だ。
この場合、パソコン起動時にXPとビスタを選んで起動できるようになる(「デュアルブート」と呼ぶ)。
いずれの方法も、ビスタをインストールするドライブに空きが必要なので、空き容量を確認しておこう。
ホームプレミアムなら、ハードディスクの容量は四〇ギガバイト以上で、そのうち空き容量が一五ギガバイト以上必要だ。
インターネットに接続して
インストールするのがよい
では、インストールの具体的な手順を見ていこう。
まずウィンドウズXPを起動して、ドライブにビスタのディスク(DVD?ROM)を挿入する。
すると、インストーラーが起動する。
最初に、「インストールの重要な更新プログラムの取得」という画面が表示される。
これは、インターネットから最新のインストール用ファイルを取得し、それを使ってインストールするための項目だ。
ビスタ発売後に追加された最新のドライバーソフトやセキュリティー関連のファイルなどを取得できる。
インストール後に最新状態にするよりも手間がかからず、セキュリティーの面でも安心なので、選択しておこう。
続くプロダクトキーの入力画面には「オンラインになったときに、自動的にWindowsのライセンス認証の手続きを行う」という項目がある。
これはインターネット経由で、ビスタのライセンス認証を自動的に行う項目だ。
認証手続きは後から手動で行うこともできるが、この項目をチェックしておけば、手間が省ける。
このように、インターネットに接続した状態でビスタをインストールすれば、後からアップデートファイルを適用したり、手動でライセンス認証を行う手間を省ける。
なるべく、インターネットに接続した状態でインストールするのがよい。
次の「インストールの種類」画面では、上書きの場合は「アップグレード」を、「新規」「別ドライブにインストール」の場合は、「カスタム」を選ぶ。
この後は、ほぼ自動でインストール作業が進む。
インストールにかかる時間はパソコンのスペックによるが、三十分から二時間程度だ。
ノートパソコンはDVDドライブやハードディスクの速度がやや遅いので、デスクトップより時間がかかる。
なおインストールの途中で、常駐ソフトなどを終了するように警告が出ることもある。
このときは画面の指示従い、インストールをやり直す。
また「カスタム」を選ぶと、Cドライブの内容を削除して新規にビスタをインストールしたり、XPを残したまま別ドライブにインストールすることも可能だ。
通常版でXPとは別のドライブにビスタを組み込むと、起動時にXPとビスタのどちらを使うかを選ぶ画面が表示される。
いま知っておきたいビスタの基礎知識?機能編?ビスタの便利な新機能をまとめて紹介!?機能編
遠藤泰男 2007/01/24
ビスタの使い勝手はどう変わる?
ウィンドウズ・ビスタは、多くの新機能を搭載し、操作方法なども変っている。
新機能は実際にはどの程度役に立つのか、XPと比べて不便になっているところはないか、気になるところだ。
ここからは、ビスタの新機能についての疑問を見ていこう。
画面デザインがガラリ一新操作の効率性もアップ
まず最初に、操作方法の違いを知っておこう。
ビスタはXPと比べ、画面のデザインや操作方法が大きく変わっている。
まず目立つのが、「スタート」メニューの操作方法だ。
XPまでは、ソフトを起動するとき、「すべてのプログラム」からサブメニューを順に開いてソフトを選んでいた。
ソフトによってはマウスポインターを大きく動かす必要があり面倒だった。
一方のビスタでは、「すべてのプログラム」を選ぶと、メニュー内で下の階層に表示が切り替わる。
このため、ポインターを動かす距離が少なく、メニューがデスクトップを占領することもなくなる。
必要なウインドウへ素早く切り替えが可能
ビスタの新機能「エアロ」は、半透明表示など見栄えの良さが目に付くが、実は必要なウインドウに素早く切り替えられるという大きなメリットがある。
例えば、タスクバーのウインドウ名のアイコン上にマウスポインターを配置すると、「ライブタスクバー」機能により、ウインドウの縮小画像が自動表示され、内容を確認できる。
このほかにも、開いているウインドウを縮小画像で一覧表示する「フリップ」、ウインドウを書類を重ねるように立体的に表示する「フリップ3D」機能もある。
どちらも、内容を確認しながら必要なウインドウに切り替えるためのものだ。
大きなアイコンでファイルを探しやすく
フォルダを開いた画面のデザインも大きく変わっている。
ウインドウの左にフォルダの階層が、下には選択したファイルの詳細情報が表示される。
従来の「ファイル」「編集」などが並んだメニューはないが、「Alt」キーを押すことで一時的に表示できる。
アドレスバーにはフォルダの階層が表示され、フォルダ名をクリックすると一発でそのフォルダへ移動できる。
ファイルやフォルダのアイコンは、サイズを自在に変更できるようになった。
画像ファイルは、アイコンの代わりに内容の縮小画像が表示されるのでわかりやすい。
フォルダ内でファイルの内容をプレビュー表示する「プレビューペイン」機能にも注目だ。
デジカメ画像などは、そのままプレビューが可能。
エクセル文書などは、ソフトをインストールすると表示できるようになる。
各種設定を行うコントロールパネルは、メインの設定項目が右の広い領域に表示され、関連する設定が左の領域に一覧表示されるようになり、わかりやすくなった。
ただし、ビスタではメニュー名などが一部変更になり、最初のうちは混乱する部分もある。
例えば、壁紙や画面解像度は、XPでは「画面のプロパティ」で設定した。
ビスタでは名称が「個人設定」となり、設定メニューの配置も変わっている。
「ハイブリッド・スリープ」で数秒で起動が可能
ハイブリッド・スリープとは、メモリーにだけ電源を供給してデータを保持し、同時にメモリーの内容をハードディスクに保存する機能だ。
スリープの状態で電源ボタンを押すと、数秒で復帰してビスタを利用できる。
もし停電や電源コードが抜けるなど、電源が切れてしまっても、ハードディスクに保存したデータから以前の状態へ復帰できる。
この場合、通常の復帰より時間はかかるが、シャットダウン状態から起動するより短い時間で済む。
これはデスクトップパソコンの場合で、ノートの場合はまずメモリーだけを保持する状態になり、一定時間が経過したりバッテリー残量が低下すると、ハードディスクにデータを保存してメモリーの電源も切れるようになっている。
この新しいスリープ機能により、終了の操作も変わった。
「スタート」メニューに表示される「電源」ボタンを押すと、シャットダウンではなくスリープ状態になる。
シャットダウンや再起動をしたい場合は、サブメニューから選ぶ必要がある。
ビスタは、起動以外にも、動作を高速にする機能がある。
ソフトの利用状況を調べてメモリーを効率よく使うことで高速化する「スーパーフェッチ」機能や、USBメモリーやSDカードなどの外付けフラッシュメモリーを利用して高速化する「レディブースト」機能などだ。
「レディブースト」は、USBメモリーなどをスワップ領域にすることで高速化する機能だ
セキュリティーはどう強化された?
ビスタは、セキュリティー機能がXPに比べて大幅に強化されているのも特徴だ。
ユーザーの個人情報などを盗み出すスパイウエア対策として、駆除ソフトの「ウィンドウズ・ディフェンダー」を搭載する。
さらに、「インターネット・エクスプローラ7」にはフィッシング詐欺対策機能、「ウィンドウズ・メール」には迷惑メール対策機能が搭載される。
ユーザー権限の変更も知っておきたい。
ユーザーアカウントには「管理者」と「一般ユーザー」(XPでは「制限ユーザー」)の二種類がある。
XPのときは、制限ユーザーでは設定変更が自由にできないなど不便な点があったため、多くの人は管理者権限でパソコンを利用していた。
ところが常に管理者でパソコンを利用していると、ウイルスなど悪意のあるプログラムに、勝手に設定などを書き換えられる可能性も高くなる。
そこでビスタでは、管理者でログインしても、重要な操作を行う場合は確認画面が表示されるようになった。
逆に一般ユーザーでも、管理者パスワードを入力すると、設定変更などができる。
通常は一般ユーザーでログインすることで、不正プログラムの勝手な振る舞いを防ぐわけだ。
もう一つ重要なのが「保護者による制限」機能。
管理者(親)が一般ユーザー(子供)に対して、好ましくないウェブサイトを見せないようにしたり、パソコンの利用時間や使えるソフトを制限できる。
なおビスタには、ウイルス対策の機能はない。
これには、従来通りウイルス対策ソフトを使う必要がある。
各ソフトメーカーは、アップデーターなどでビスタに対応する予定だ。
ブラウザーとメールはどう変わった?
ビスタは、最新のウェブブラウザーとメールソフトを搭載する。
ブラウザーの最新版「インターネット・エクスプローラ7」(IE7)の特徴は、まず「タブブラウザー」機能。
一つのウインドウの中で、タブをクリックすることで複数のウェブページを切り替えて表示するものだ。
従来のIEと異なり、複数のページを閲覧するときでも開くウインドウが一つだけで済むので、見やすく整理しやすい。
「RSSリーダー」機能も特徴だ。
RSSとは、ウェブサイトやブログなどの最新情報をまとめて配信する仕組みのこと。
RSS配信をしているサイトを開くと、ツールバーの「RSS」ボタンがオレンジ色に変わり、クリックすると購読の設定画面が表示される。
購読すると、最新の見出しを自動で表示できるようになる。
ウェブページの拡大・縮小機能も付いた。
縦に長いページや、横に広いページでも、拡大・縮小することで全体を見渡せる。
印刷機能も強化され、横が用紙からはみ出るときでも一枚に収まるよう自動的に縮小して印刷できる。
セキュリティーの面では、ユーザーに個人情報などを入力させて盗む「フィッシング詐欺」の対策機能を搭載した。
フィッシングの疑いがあるサイトを開くと、アドレスを表示する「アドレスバー」の色が変わる。
フィッシング詐欺とマイクロソフトに報告されているサイトの場合は、アドレスバーが赤くなって警告画面に切り替わり、サイト自体が表示されなくなる。
新しいメールソフトは
迷惑メール対策機能を搭載
メールソフトは、従来の「アウトルック・エクスプレス」(OE)から、「ウィンドウズ・メール」に変わった。
基本的な使い方はOEと同じだが、右上に検索用の入力欄が配置され、素早くメールの検索ができる。
迷惑メール対策機能も搭載されている
迷惑メールと判断したメールを、迷惑メールフォルダに自動的に振り分けるもので、判断の基準を選ぶだけで簡単に利用できる。
また、「.jp」など特定の国を表す記号をアドレスに含むメールや、特定の言語のメールを振り分けたり、フィッシングの可能性があるメールを、赤色の表示とメッセージで教えてくれる機能もある。
強化された検索機能は、ビスタの目玉機能の一つ。
XPの検索が遅くてイライラしていた人は、その速さに驚くはずだ。
ビスタでは、ハードディスク内にあるファイルから「インデックス」と呼ばれる索引をあらかじめ作成しておき、その索引を対象に検索する。
索引の作成は、パソコンを使っていないときなどに自動で行われる。
索引は、ファイルやフォルダ名だけでなく、ファイルの内容(メールの文章など)やファイル情報(デジカメ写真のExif情報や、ファイルの作成者情報など)も対象に作られるので、これらについても検索が可能だ。
検索のキーワードを入力する「検索ボックス」は、「スタート」メニューや、フォルダを開いた画面、ソフトのツールバー、コントロールパネルの中など、あちこちにあり、どこからでも素早く検索を実行できる。
また、ファイルそのものではなく索引を検索するので、非常に高速だ。
キーワードを入力すると即座に検索結果が表示される。
検索条件を保存できるのも特徴。
保存した検索条件のアイコンをクリックすると、合致したファイルの一覧が表示される。
まるでフォルダを開く感覚で、即座に検索ができるわけだ。
あらかじめ索引を作成し、それを検索する
まるでフォルダを開く感覚で、検索を実行できるわけだ
そのほか知っておきたい新機能は?
最後に、これまで紹介した以外に注目の新機能を紹介しよう。
デスクトップで目立つのが「サイドバー」と「ガジェット」だ
ガジェットは、時計、天気、株価などを表示したり、付せんやアドレス帳機能を実現する"小物ソフト"。
サイドバーはガジェットを配置する領域だ。
ビスタには一一個のガジェットが付属しているが、それ以外にインターネットで多数のガジェットが公開されており、利用できる。
AV関連の機能も注目したい。
「ウィンドウズ・フォトギャラリー」は、デジカメ写真にコメントなどを付けて整理したり、簡単なレタッチができるアルバムソフトだ。
「ウィンドウズ・メディアセンター」は、CDやDVDの視聴、ネットの音楽や動画の再生、対応テレビチューナーがあればアナログ地上波放送の録画・再生ができる統合AVソフト。
ビスタ搭載のテレビパソコンは、これを強化する形で、AV機能を実現しているものもある。
「ウィンドウズ・メディアプレーヤー」は、音楽CDのジャケット画像を並べて、音楽ファイルを整理できるようになった。
ビジネス用途では、スケジュール管理ソフトの「ウィンドウズ・カレンダー」が便利だ。
予定表は日、週、月などで切り替えが可能。
複数ユーザーの予定表をまとめて表示もできる
ビスタでPCの活用範囲が広がります
マイクロソフトの担当者が本誌読者にお薦めする注目機能とは?
――ウィンドウズ・ビスタには、数多くの便利な新機能が搭載されていますが、なかでも本誌読者に最もお薦めしたい機能を三つ挙げるとしたら、どれでしょうか。
まず最初に「検索」機能を挙げます。
電子メール、画像、文書から、アドレス帳の電話番号まで、あらゆるものを対象に"今知りたい情報"を即座に見つけ出せます。
XPや98といった以前のウィンドウズに比べ、格段に簡単になりました。
二つ目は、画像、音楽、動画を扱う「メディアセンター」です。
音楽を流しながら写真のスライドショーを見るなどが実に簡単にできます。
パソコンの活用範囲が大きく広がるでしょう。
三つ目が「エアロ」です。
パソコンで作業するときには、メール、ブラウザー、文書ファイルなど、数多くのウインドウを開きます。
これでは必要なものが見つけにくく、作業効率が落ちます。
エアロなら素早く操作できます。
あと二つだけ追加させてください。
大事なデータを守る「バックアップ」、設定や文書を簡単に他のパソコンへ移せる「転送ツール」もお薦めです。
――本誌の読者は、エクセルやワードを活用しています。
これらのソフトを使うときに、ビスタなら便利になることはありますか。
ビスタと同時発売のオフィス2007を組み合わせると、ファイルのアイコンの代わりに、文書の縮小画像を簡単に表示できます。
開く前にファイルの内容がわかるので便利です。
ファイルを誤って削除したときなどにファイルを復元できる「以前のバージョン」機能も、仕事で役立つでしょう。
――ビスタを使いたいが、移行は難しいという声もあります
ハードに関しては、自分のパソコンでビスタが使えるかどうかを調べる「アップグレード・アドバイザー」というソフトを配布しています。
この結果を参考にしてください。
ビスタへの移行の際に、操作性が変わるのではと心配されている方もいるかと思います。
実のところ、基本はXPとそれほど変わっていません。
XPが使える方なら、ビスタも簡単に使えるようになるはずです。
ビスタは、学習が容易なだけでなく、"使う楽しさ"があるのも、XPとは異なります。
皆さんもぜひビスタを体験してください。
【検証アイ】ビスタでパソコン、茶の間進出!?
遠藤泰男 2007/01/20
■敵はデジタル家電 共有がカギ
■市場の落ち込み、構造的要因
いよいよ今月30日に迫ったマイクロソフトの最新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の一般消費者向け発売。
パソコンメーカー各社のビスタ搭載モデルも出そろい、"特需"への期待も高まっている。
だが、携帯電話や薄型テレビなどのデジタル家電の進化で、パソコンの「レゾンデートル(存在意義)」は小さくなるばかり。
パソコン復権は、家電との"仁義なき戦い"に勝ち、お茶の間へと進出できるかにかかっている。
「パソコンの新しい時代が始まる」
マイクロソフト日本法人(MS)のダレン・ヒューストン社長は今月15日に開かれたビスタの発売記者会見で、数百人にのぼる記者や関係者らを前にこう宣言してみせた。
この日に合わせてパソコンメーカー各社が発表したビスタ搭載新モデルは、247種類にのぼる。
新モデルの最大の特徴は、DVDレコーダーやデジタル放送の受信チューナーなど、デジタル家電の機能を取り入れたことだ。
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は、「パソコンが家電の中心になる」と、自信満々。
メーカー各社も、リモコンなどによる簡単な操作を可能にしたビスタの登場で、パソコンの家電化が加速し、需要拡大の起爆剤になると期待する。
ビスタは、映像や音楽の再生などエンターテインメント性を重視するとともに、テレビ放送などとインターネットとの一元化を進めた。
さらに、メーカー各社は、マイクロソフトとの共同開発で、日本独自の放送サービスである地上デジタル放送の視聴や録画が簡単にできる機能も開発した。
例えば東芝は、次世代DVD規格で録画が可能な製品を投入。
またNECは電源をつけて約2秒でテレビが見られる機能を搭載するなど、普通のテレビと変わらない使いやすさを前面に打ち出している。
さらに、富士通とソニーはモニター画面がなく、家電の大画面薄型テレビに接続して利用するモデルを投入し、お茶の間への進出をもくろんでいる。
各社がビスタ特需に大きな期待を寄せるのは、パソコン市場が深刻な落ち込みが続いているためだ。
市場調査会社「BCN」によると、昨年10月以降の販売台数は、デスクトップ型が前年同月比30%超の大幅なマイナス、ノート型も10%前後の落ち込みが続いている。
ビスタ発売前の買い控えが原因だが、マイクロソフト日本法人のヒューストン社長も、「他国では、日本のここ数カ月のような落ち込みはみられない」と、危機感を強める。
実際、パソコン市場の落ち込みには、「買い控え」だけでは、かたづけられない構造的な要因がある。
双方向の地上デジタル放送の開始などで、パソコン並みの高機能を備えた薄型テレビなどのデジタル家電が続々と登場。
「ネットは携帯電話で十分」という消費者も増えている。
「パソコンは、壊れたときに、やむを得ず買い替えるだけ」との声は多い。
メーカー各社が、パソコンの家電化による利用方法の拡大を急ぐのも、デジタル家電との競争に打ち勝つためだ。
だが、BCNの田中繁廣取締役は、「パソコンを使わない老人や子供がいる家庭では、パソコンをお茶の間で使うことは現実的に難しい」とみており、お茶の間進出は簡単ではなさそう。
パソコンの価格の高止まりも大きなネックだ。
ビスタ搭載の新モデルは、大画面を搭載した高性能機種で25?40万円もするものが多い。
富士キメラ総研の足立吉弘主任は、「店頭で15万円程度で売られている32型の液晶テレビと、数万円のDVDレコーダーの組み合わせに勝てない」と指摘する。
薄型テレビは、競争の激化で年率20?30%もの勢いで価格下落が進んでいる。
これに対し、パソコンは、基本ソフトとCPU(中央演算処理装置)という心臓部を、マイクロソフトとインテルの「ウィンテル」連合が握っているため、なかなか値崩れしない構造にある。
ビスタは、エンターテインメント性だけでなく、セキュリティーや検索機能など基本性能も格段に進化した。
マイクロソフトでは、「最短1年で前作の『ウィンドウズXP』の普及率を超える」(広報)と、あくまで強気の目標を掲げる。
「高機能パソコンは求める独身のサラリーマン」(足立氏)などを中心に、一定の買い替え需要が盛り上がり、ビスタの普及率も次第に上昇していく可能性は高い。
ただ、ビスタの登場によって、パソコンが、個人が使う「パーソナル・コンピューター」から脱却し、「家族で共有するコンピューター」として新市場を開拓できるかは、まだまだ未知数といえそうだ。
ウィンドウズ・ビスタ30日発売*検索機能や安全面強化
遠藤泰男 2007/01/17
米マイクロソフト(MS)は三十日、パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の家庭版を発売する。
同社の新OS発売は約五年ぶりで、現行の「ウィンドウズXP」より操作性が向上したことなどが特徴。
従来のOSとの違いなどについてまとめた。
Q ビスタでは、どんな点が変わったのか。
A ワープロや表計算などの複数のソフトで作業している時のウインドーを、三次元的に重ねて表示できるなど、画面デザインが大きく変わった。
背景のデスクトップには画像だけでなく、動画を表示することもできる。
頻繁に使うソフトを記憶させたり、メモリーを最大限に活用することで、パソコンの動作が速くなったほか、パソコン内の動画や写真、音楽などを簡単に再生・編集できる機能も強化した。
Q そのほかの主な変更点は。
A ファイルの保存先を忘れてしまった場合でも、写真を撮影した日付や文書の中の単語などを手掛かりに、パソコン内の情報を探し出すことができるなど検索機能も強化された。
パソコン内の情報を盗み取るスパイウエアや、偽サイトで個人情報を不正に入手するフィッシングを検知するなどのセキュリティー機能も向上した。
Q 今使っているパソコンに、ビスタを導入できるのか。
A ビスタが正常に作動するには、メモリーが一ギガバイト以上などの条件をクリアする必要がある。
既に発売されたパソコンで「プレミアムレディ」のシールが張られたモデルなら、問題なく作動する。
そのほかのパソコンは三十日以降、MSのホームページ内の「ウィンドウズ・ビスタサイト」(http://www.microsoft.com/japan/windowsvista/)にアクセスすれば、そのパソコンでビスタが使えるのか、メモリーの増設がどれだけ必要かなどが確かめられる。
Q 今まで使っていたソフトや周辺機器は使えるのか。
A 一部のソフトや周辺機器は、ビスタを導入すると、使えなくなる場合もある。
MS日本法人の互換性情報サイト(http://www.microsoft.com/japan/windowsvista/compatible/)や、ソフトなどの発売元のホームページなどで確認した方が無難だ。
新ウィンドウズ「ビスタ」機発表――パソコン不振、試練の船出、「ケータイで十分」。
遠藤泰男 2007/01/16
価格に割高感
国内パソコンメーカーは十五日、米マイクロソフト製の新しい基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を搭載した新製品を一斉に発表した。
地上デジタル放送の視聴など主に動画を楽しむ機能を高めた。
しかし、パソコン販売は高機能化する携帯電話機や薄型テレビに押され、低迷している。
ビスタ搭載製品は過去のOSとは異なる厳しい環境の下、登場することになる。
【販売減は構造要因?】調査会社BCN(東京・文京)によると二〇〇六年の国内パソコン販売は台数・金額ともに前年比一割以上減った。
メーカーなどは「ビスタ投入を前にした買い控えが原因」(NEC幹部)と説明する。
しかし、販売の前線では「薄型テレビ・携帯電話機との競合」「買い替えを促す機能の不在」「価格の高止まり感」という三つの構造要因が指摘されている。
「顧客が液晶やプラズマテレビに流れていく」。
家電量販店のパソコン売り場担当者に共通する嘆きだ。
映像を楽しみたい消費者は限られた予算を薄型テレビに優先的に投じる。
調査会社ガートナージャパンの蒔田佳苗主席アナリストは「十万円以上の製品なら、主に個人で使うパソコンではなく、家族で楽しめる薄型テレビを購入するのは自然」と指摘する。
パソコンと同じようなウェブ閲覧ソフトを搭載した携帯電話機も増加。
「ネットもケータイで十分楽しめる」という消費者が若年層に増えている。
携帯電話の進化に比べ、パソコンは買い替えを促すような画期的な新機能がしばらく登場していない。
パソコンの主な用途は十年以上前からウェブ閲覧や電子メール、ワープロ、表計算という状態で固定化。
これなら三―四年前のパソコンでも十分な処理性能や記録容量を備えている。
電子メール、地図検索などこれまでソフトが担ってきた機能も米グーグルなどがネットで提供するサービスで代替できる。
「故障以外の理由でパソコンを買い替える消費者は減っている」(大手量販店)のが現状だ。
【下落率、薄型TVに比べると...】価格でも劣勢は否めない。
パソコンの店頭価格も過去一年で一割程度は下がっているが、二割以上の下落が進む薄型テレビの方が買い得感は強い。
パソコン価格が下がりにくいのは基本ソフトとCPU(中央演算処理装置)という基幹部品でマイクロソフトとインテルの寡占が崩れていないから。
「ウィンテル」が支配する業界の構図が影を落としつつある。
各メーカーはビスタ搭載製品で映像機能の強化を前面に打ち出し、ひとまず薄型テレビとの競争を重視する姿勢を示した。
今後も新たな機能の提案や価格引き下げなどが欠かせない。
ウインドウズ・ビスタ(ことば)
遠藤泰男 2007/01/16
米マイクロソフトが五年以上かけて開発した最新基本ソフト(OS)。
セキュリティー機能を高め、ウイルスに感染しにくくしたほか、ファイル検索の利便性を改善した。
マウス以外にリモコンの操作で音楽や動画を楽しめる機能も加えた。
ソフト単独の価格は、消費者向けにAV(音響・映像)機能を重視した「ホームプレミアム」が二万九千八百円(税抜き)、すべての機能が使える「アルティメット」が四万八千八百円(同)。
ビスタAtoZ(1)ルック&フィール――3D画像で操作楽しく。
遠藤泰男 2007/01/16
三十日に一般向け販売が始まる米マイクロソフトの新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」。
五年半ぶりの新製品だけに、様々な新機能が盛り込まれている。
ルック&フィール(外観と操作性)という基本的な部分でも従来のウィンドウズとは一線を画す。
まず目につくのが「エアロ」と呼ばれる新しい画面デザイン。
ソフトや書類、画像などを示す「アイコン」を三次元(3D)化し、マウスで操作すれば任意の大きさに拡大・縮小する。
画面を表示する「ウインドー」も三次元化=写真、半透明なので重なっても見やすい。
「ガジェット」と呼ばれる、ミニソフトを画面の右側に縦に並べられる機能も新しい。
時計やニュースの見出し、お気に入りの画像などを好みで追加できる。
背景の「デスクトップ」も従来は画像の表示のみだったが、「ビスタ」は動画も表示可能だ。
インターネットからパソコン内部にあるファイルまで区別せずに検索できる「検索ボックス」は、画面左下にあるウィンドウズマークを触ると出てくる。
検索したいキーワードを増やしていくと、再検索することなく自動的に候補が絞り込まれていく。
操作が難しいという印象のパソコンを、楽しく快適な道具にするための知恵が凝らされているビスタ。
新機能を五回にわたって紹介する。
企業を熱くする最新テクノロジ?Windows Vista?Windows最強のセキュアOS管理者権限の振る舞いを変更?Windows Vista
遠藤泰男 2007/01/15
「Windows Vista」(ウインドウズ・ビスタ)は,設計段階からセキュリティ強化を意識して開発されたクライアントOS。
セキュリティ対策機能が最初からそろっており,企業ユーザーがセキュリティを意識しなくても済む。
OSで対応する機能を増やしているのが特徴だ。
Windows Vistaは,米マイクロソフトが2006年11月に提供を開始したクライアントOSの最新版である。
クライアントOSとしてはWindows XP以来,約5年ぶりの新製品になる。
中核アプリケーション「Office」との同時リリースは,実に10年ぶりである。
Vistaという名称は,英語のViewに当たるイタリア語が語源で,「美しい景色」や「眺望」といった意味を持つ。
このVistaという名称には,「パソコンを使って自分の『やりたいこと』『やるべきこと』に専念できる環境を提供する」というメッセージが込められている。
マイクロソフトはこの実現のために以下の三つの開発目標を設定した。
・欲しい情報を素早く見付けられる検索技術
・リビングの中核に据えるエンターテイメント
・安全にパソコンが使えるセキュリティ
以下では,「安全にパソコンを使えるセキュリティ」にポイントを絞り,Windows Vistaに実装されたセキュリティ機能を解説する。
内部からの情報流出にも対応
ここ数年セキュリティの脅威が大きく変化し,企業に求められる対策もずいぶん変わってきた。
〓Windows XP SP2が登場した2年前のころは,セキュリティの脅威といえば〓MSBlastなどのように,企業ネットワークの外から攻撃してくるウイルスやワームだった。
このためクライアント側の対策の中心は,ファイアウオールの設置やウイルス対策ソフトの導入だった。
しかし最近では,ノート・パソコンの盗難やUSBメモリーなどの外部記録メディアによるデータの持ち出し,〓スパイウエアなどによる企業内部から外部への情報流出が大幅に増加。
こうした情報流出を防ぐセキュリティ対策が求められるようになってきた。
Windows Vistaには,内部からの情報流出を防ぎ,攻撃を受けた場合でも被害を最小限に抑えるセキュリティ強化が施されている。
大別すると,(1)システム攻撃対策,(2)データ保護対策の2種類ある。
(1)は外部からの攻撃を受けにくくする対策が中心。
例えば,〓マルウエアのインストールや実行を阻止したり,OSであるWindowsそのものへの攻撃をしにくくする。
(2)のデータ保護対策は,攻撃を受けた場合などに被害を最小限に抑える対策に比重が置かれている。
接続できる記憶デバイスを制御したり,情報が持ち出されても,暗号化によってデータそのものの解読をしにくくする機能などである。
Windows Vista日本語版には,計5種類のEditionが用意されており,今回加わったセキュリティ機能のうち,データ保護対策は企業向けの「Enterprise」と「Business」に搭載されている。
これらは,高価なセキュリティ・システムをOSと別に購入することなく,クライアントOSをWindows Vistaに切り替えるだけで済むセキュリティ対策機能を多く備える。
マルウエア実行を防ぐユーザーアカウント制御 新技術である「ユーザーアカウント制御」は
,Windows Vistaに搭載された中で高い効果を発揮するセキュリティ機能の一つである。
危険なプログラムが実行されたときにユーザーにそれを通知し,ユーザーに気付かれないようにこっそりと裏でインストールや実行をしてくるマルウエアに対抗するものだ。
例えば,Webサイトにアクセスしたユーザーに不正なプログラムを忍ばせようとすると,Vistaが「不明なプログラムがお使いのコンピュータへのアクセスを要求しています」とダイアログ画面を表示して警告する。
〓レジストリへの書き込みなどシステム設定に変更を加えようとすると,「続行するにはユーザーの許可が必要です」というダイアログを表示。
ユーザーはその操作が自分の意図するものでなければ,キャンセルすればよい。
つまりこの機能のおかげで悪意を持ったハッカーが仕掛けた変更を未然に防ぐことができる。
ユーザーアカウント制御は利用方法は簡単だが,単純なソフト追加によって実現できたわけではない。
その名の通り,Windowsのセキュリティ基盤となっている「ユーザー・アカウントの権限」を大幅に刷新して実現したものだ。
Windows Vistaでは,Windows 2000/XPと同様に,システムを自由自在に変更できる「管理者権限」(Administrator)と通常のアプリケーションの操作に限定した「一般権限」(User)の2種類がある。
だが,Vistaと2000/XPでは,同じ管理者権限でも振る舞いが異なる。
Vistaではたとえ管理者権限を持つ「アカウント」でログインしても通常は一般権限しか与えられない。
アプリケーションのインストールやシステム設定の変更など高レベルの権限が必要になった都度,管理者権限を与える仕組みになっている。
ユーザーが通常のアプリケーションをインストールしようとすると,ダイアログが表示されるのはこのためで,ユーザー自身が意図した操作であれば「許可」や「続行」ボタンを押せば済む。
Windows Vistaで管理者権限の振る舞いを変えた理由は,エンドユーザーにパソコンの運用を任せている企業が多いから。
これら企業のエンドユーザーはセキュリティ・パッチのインストールなどに備えて,自身が通常使用するアカウントに管理者権限を付与して運用するケースが多い。
これが要因で,悪意のあるプログラムによるシステム被害が拡大する要因の一つとなっていた。
サービス実行アカウントの権限を厳格にする
Windowsでは"プリンタへの出力"などを制御するために,「サービス」と呼ぶOS専用のプログラムがバックグラウンドで動作している。
ここでWindowsのサービスは,どのようなアカウントでパソコンにログオンしても,「LocalSystem」という高レベルの権限を持つアカウントによって実行される。
この方式ではサービスの不備を突き,LocalSystemの権限を奪うことが可能なので,サービスが悪意のあるプログラムから狙われる対象となっていた。
実際,〓Slammerなどのワームはこの手口を使っている。
そこでマイクロソフトはサービスを守るために二つの対策をWindows Vistaに講じた。
一つめの対策は,サービスを実行するアカウントの権限を厳格にしたこと。
LocalSystemに代わるアカウントを複数用意し,それぞれのアカウントの権限の範囲を狭くした。
具体的には,RASMANと呼ぶリモート・アクセス管理のサービスは,Usersグループのメンバーと同等の権限を持つ「Network Service」アカウントを,Telephoneyと呼ぶ電話の機能を提供するサービスは,ネットワークにアクセスできない権限を持つ「Local Service」アカウントを使用する。
この結果,万一悪意のあるワームによってサービスを実行するアカウントの権限を奪われても権限は低いため,被害は最小限に抑えられる。
サービスとユーザー実行アプリを分離
二つめの対策は,同一の"セッション"で動作していたサービスとユーザーが動かすアプリケーションを分離したことである。
これにより,悪意のあるアプリケーションが実行されても,サービスは攻撃を受けにくくなった。
セッションとはユーザーがログオンしている「画面」に相当するWindowsの概念で,アプリケーションの実行場所というイメージである。
Windows XPでは,サービスとアプリケーションは同一セッション上で実行していたため,悪意のあるアプリケーションが実行されると,サービスを簡単に攻撃できてしまっていた。
そこでWindows Vistaでは,サービスとアプリケーションは異なるセッションで実行。
具体的には,1番最初に作られるセッション0を,サービス専用とした。
各ユーザーのアプリケーションは,セッション1以降で実行される。
スパイウエアを検出・駆除するDefender
スパイウエアはウイルスやワームと違って自己増殖はしないが,アプリケーションを装ってユーザーに自身をインストールさせたり,ウインドウなどを出さずにバックグラウンドで動作するため,その存在を気付かれにくい。
しかもユーザーのキーボード入力を監視する「キーロガー」から,勝手にプログラムをダウンロードする「ダウンローダー」まで種類が幅広く,ユーザーがスパイウエアかどうかを判断するのが難しい。
スパイウエア対策ソフトの普及率が,ウイルス対策ソフトに比べてかなり低いという調査結果も出ているが,このまま放っておくことは許されない。
そこでマイクロソフトは,Windows Vistaにスパイウエアに特化した検出・駆除ソフト「Windows Defender」を標準搭載した。
スパイウエアの侵入を常時監視するほか,定期的にハードディスクをスキャンして有無を調べることもできる。
新しいデータ暗号化技術「BitLocker」
Windows Vistaの企業向け製品は,ここまで紹介したセキュリティ機能に加え,データ保護対策機能も充実している。
データの暗号化技術である「BitLocker」(ビットロッカー)が,データ保護の目玉機能である。
BitLockerが暗号化するのは,WindowsがインストールされたOSボリュームである。
Windowsのシステム・ファイルに加え,スワップ・ファイルや一時ファイルといったファイルのキャッシュも暗号化が可能になる。
ただし,BitLockerはOSボリューム以外を暗号化できないので,その場合はWindows 2000から搭載されている「〓EFS」を使う。
BitLockerは,開発中に「セキュアスタートアップ」という名称で呼ばれていたことからも分かるように,暗号化を応用することにより,Windows Vistaの起動も制御できる。
方法は簡単。
暗号を解く鍵をUSBメモリーに保存するだけでよい。
これでパソコン本体にUSBメモリーが刺さっていないと,OSを起動できなくなる。
つまりたとえパソコンを紛失しても,USBメモリーが一緒にない限り,第三者は中身をのぞき見るどころか,OSの起動すらできないというわけだ。
暗号を解く鍵は,〓TPMチップと呼ぶパソコン本体のセキュリティ・チップにも保存可能だが,それだけではセキュリティは高くない。
パソコンが盗まれると,パソコン内にあるTPMも一緒に盗まれることになるので,OSが起動してしまうのだ。
TPMを使う場合は,最低限「TPM+〓PIN番号入力(4?20けた)」を実施しておけばよい。
PIN番号はパソコンの所有者しか知らないので,たとえパソコンと一緒に鍵を紛失しても,PIN番号を突き止められなければ,第三者はOSの起動すらできない。
「ポリシー」による外部接続デバイスの制御
個人情報保護法やこれから始まる日本版SOX法によって,使用制限が最も厳しくなるのは,外部接続デバイスだろう。
Windows Vistaでは,"ローカル・ポリシー"と呼ぶ管理ツールを使うことで,標準機能で外部接続デバイスの設定を制御できるようになっている。
CDやDVD,USBメモリー,フロッピー・ディスクなど接続デバイスごとに,「読み込み」「書き込み」「接続の禁止」といった細かな設定が可能だ(写真3)。
ローカル・ポリシーはWindows 2000から搭載されている管理ツールの一つで,Windows Vistaでは,これ以外にも設定できる項目が格段に増えている。
なお,ローカル・ポリシーを使ってUSBメモリーの接続を禁止した場合でも,例外としてBitLockerや,擬似的にシステム・メモリーを拡張する「〓ReadyBoost」といった機能は利用できるようになっている。
記者の視点
XP Home利用者は移行検討すべき
ノートPCはEnterprise版が有効
ネットワーク経由の攻撃が当たり前の昨今では,OS開発元からの「セキュリティ・パッチ」が受けられるかどうかで,企業全体のセキュリティ・リスクが影響を受ける。
パッチの提供期限が切れることは,すなわちOSの寿命が尽きることを意味する。
マイクロソフト製品のセキュリティ・パッチの提供期限は,新製品の発売時期に左右される。
現在のクライアントOSの主力であるWindows XPも例外ではない。
Windows XPのパッチの提供期限は企業向けと一般消費者向けで分かれている。
例えば,XP Homeのセキュリティ・パッチの提供期限は2009年1月。
旧バージョンのWindows 2000 Professionalよりも早い。
一方,XP Professionalは,Homeより5年長い2014年1月まで提供が受けられる。
実はXP Homeは企業で使われているケースが意外に多い。
導入企業にとっては,残り2年という期間を考えると,うかうかしてられない。
もうVistaへの移行を検討する時期に来ている。
EnterpriseはBitLockerを搭載
Windows Vistaには,5種類のEditionがある。
「Home Basic」と「Home Premium」の2種類が一般消費者向け,「Business」と「Enterprise」の2種類が企業向けとなる。
そして,「Ultimate」は,企業向け機能とコンシューマ向け機能の両方を含む。
VistaもXPと同様,セキュリティ・パッチの提供期間はEditionによって異なる。
一般消費者向けの2種類は,パッチの提供期限が2012年4月。
残り3種類が2017年4月までとなっている。
セキュリティを重視する企業の導入は,「Business」「Enterprise」「Ultimate」の3種類に絞られる。
デスクトップ・パソコンでの利用を想定しているなら,Businessで十分だろう。
ただしノート・パソコンでの利用なら,「BitLocker」をサポートするEnterpriseが欠かせない。
Vistaのセキュリティの目玉機能であるBitLockerは,どんなセキュリティ対策も無力にしてきた「パソコン本体の盗難や置き忘れ」というトラブルに対応できる。
ノート・パソコンを持ち歩くビジネスパーソンにはこれだけでも移行の価値があると思わせるほどだろう。
ただし,Enterpriseの入手経路は少々複雑なので注意が必要。
「Vista BussinessかXP Professional搭載パソコン」を購入し,90日以内にマイクロソフトのメンテナンス・プログラム「SA」を契約しないと入手できない。
本文中〓の付いた用語を解説
Windows XP SP2=セキュリティに関して大幅な改善が実施されたWindows XPのこと。
セキュリティに関する機能と設定を一元管理できる「セキュリティセンター」など数多くの機能が搭載された。
MSBlast=2003年8月にWindows 2000/XPのリモート・プロシージャ・コールのセキュリティ・ホールを悪用し,猛威を振るったワーム。
スパイウエア=パソコンの利用者が気づかないうちに,パソコン内の情報やアプリケーションの利用状況などを収集し,インターネットに送信するソフトウエア。
パソコン内のデータの破壊活動などはせず,違法とは限らない点でトロイの木馬とは区別される。
マルウエア=malicious software(悪意のあるソフトウエア)の略語で,コンピュータやネットワークに被害を与えることを目的に設計された悪意あるソフトウエアやプログラム全般を指す。
レジストリ=システム構成情報などを集中管理するWindowsデータベース。
プロセッサ・タイプやメモリー容量などのハードウエア情報から,アプリケーション・パラメータなどのソフトウエア情報まで,ほとんどの情報を階層的に管理する。
Slammer=2003年1月に世界規模のネットワーク障害を引き起こした新型ワーム。
UDPトラフィックでランダムに生成したIPアドレスに向かって攻撃用パケットを送信。
ぜい弱性があったSQL Serverが狙われたことから,SQL Slammerとも言う。
EFS=encrypting file system。
Windows 2000から導入されたデータの暗号化機能。
Windowsのファイル・システム「NTFS」によって実現しており,暗号化対象となるデータはNTFSフォーマットされた場所に格納する必要がある。
TPM=trusted platform module。
米IBMや米インテル,米マイクロソフトなどが共同で設立した業界団体TCGが規格を決めたセキュリティ関連の基本モジュール。
暗号した場合の鍵などを保存するが,VistaのBitLockerはTPM 1.2が必要。
PIN=personal identification number。
利用者本人であることを識別するための暗証番号。
ReadyBoost=USBメモリーなどのストレージ・デバイスを,仮想記憶のキャッシュとして利用する機能。
ハードディスクよりも高速なアクセスができるのが特徴。
ウィンドウズ・ビスタ(キーワード)
遠藤泰男 2007/01/01
▼ウィンドウズ・
ビスタ
米マイクロソフトが開発したパソコン向け新基本ソフト。
個人向けの廉価版「ホームベーシック」が二万五千八百円(税抜き)、動画や音楽機能を強化した「ホームプレミアム」が二万九千八百円(同)。
XP利用者が乗り換える場合の価格は二万円未満に設定されている。
ウイルスやスパイウエアに感染しにくくするなど、現行のXPに比べてセキュリティーが向上した。
ウインドーを透明にしたり三次元表示する機能も搭載し、複数ソフトを同時起動した際の操作性を向上。
ファイル検索も簡単になった。
反面、動作にはパソコン性能も求められるようになった。
フル機能を使いこなしたい場合は、最低でも一ギガ(ギガは十億)ヘルツ以上の性能を持つMPU(超小型演算処理装置)、一ギガバイト以上のメモリーなどが必要となる。
米マイクロソフト壮大な技術戦略
2001/10/19, , 遠藤泰男
米マイクロソフトの新型基本ソフト(OS)「ウィンドウズXP」の米国発売(現地時間25日)まで1週間。
多様な機能を盛り込んだ新OSで、パソコンのみならずネットでもその支配力を強めることを狙う。
同社の独占拡大にライバルの警戒は強まるが、マイクロソフトにとっては「重要な一里塚」(ビル・ゲイツ会長)の一つにすぎない。
その視線の先には地球のあらゆる場所に、自社技術をビジネスや生活の手段として組み込んでいく壮大な野望がある。
「自分の言うことに耳を貸し、分かり合えるソフトをつくる。できるのは我々しかいない」
9月5日、米ワシントン州レッドモンドのマイクロソフト本社で開いた研究開発拠点、マイクロソフトリサーチ(MSR)の設立十周年記念のイベント。
ゲイツ会長はMSRの究極の目的をとうとうと語った。
事実上の世界標準パソコン用OS「MS?DOS」を世に出してから今年で20年。
XPは単なるパソコン用OSを超越しようとしている。
ビデオや音楽の編集、リアルタイムの対話機能、個人認証の一括処理など数百もの新機能を盛り込んだ。
ネットを通じた様々な商取引や娯楽に自社技術を組み込んでいく戦略だ。
だが、それはまだ入り口にすぎない。
「ほら」。
MSRの記念イベントで壇上に現れたMSRの技術者は手品を見せるかのように、手にしたB4判サイズの液晶表示パネルを傾けて見せた。
すると、パネルの画面が傾けた方向にするすると動いていく。
マウスでカーソルを動かして実行するパソコンの画面操作を、独自ソフトの採用で左右上下に傾けるだけで済むようにした。
このパネルはマイクロソフトが規格開発を進め、来年にも商品化予定の「タブレットPC」。
ペンによる手書き入力は精度が高く、なぐり書きした文字や図柄などもやりとりできる。
表示方向も画面の向きに自動的に合わせる。
縦にすれば縦方向にグラフが並び、横にすれば横にグラフが並ぶ。
寝ころんだり、くつろぎながら操作できる同PCはポケットPCのような限定されたOS機能と異なり、XPのフル機能を搭載。
パソコンの利用環境を根底から変える。
「3?4年したら当たり前のように家庭に普及しているだろう」とゲイツ会長は言う。
「MSホーム」
15日にはインテル、シスコシステムズなどと共同で音声入力技術の標準化を進めることも発表した。
ユーザーがどこにいてもあらゆる端末を通じて各種情報を届ける。
インターネットを介してすべての端末がつながる環境。
これが同社の次世代経営戦略「ドット・ネット戦略」だ。
マイクロソフト本社には同戦略を体現した近未来の家「MSホーム」がある。
玄関前から居間、台所、子供部屋などインターホンのテレビ画面から電子レンジまですべてがネットで一体運営された家庭だ。
玄関に立つと、季節に合わせた風景を取り込んだ液晶画面の表札が目に飛び込む。
「呼び鈴を鳴らす」というメニューに指で触れるとコンピューター合成音の呼び鈴が家人に来訪を知らせ、不在の場合は伝言も残せる。
家人であれば、表札上のレンズが瞳(ひとみ)の虹彩(こうさい)を認識して解錠する。
玄関の扉にはカギ穴が一切ない。
扉を開けると、右手の壁に「環境設定パネル」があり、室温・光量調整やセキュリティ(警備)、テレビやステレオなどの電源オンオフを集中管理する。
居間のテレビ画面には「環境設定パネル」の動作アイコンや電子レンジで調理中の料理時間が表示される。
生放送のテレビ映像は用事があれば、いつでも画像を一時保存し、後で再生できる。
一連の機能はすべてネットで結ばれ、職場などからも遠隔操作できる。
こうした技術開発を支えるのが英、米、中国に五拠点を構え、600人の要員を抱えるMSR。
実用重視で次々と次世代技術を生み出していく。
「将来、常識と言われるような技術を今開発することに意味がある」と語るゲイツ会長はこの十年間の成績を「打率6割」と豪語する。
排除不可能
研究開発費は今や五十億ドル。
同時テロで、IT(情報技術)不況の長期化も予想される中、「今後数年間は研究開発費を増やし続ける」(ゲイツ会長)。
駆り立てられるように走り続けるマイクロソフト。
そこには同社の背中を追いかける独禁法問題がある。
ウィンドウズを巡る反トラスト法(米独禁法)違反問題は米連邦地裁が調停人を選任、米司法省との和解交渉期限を来月2日と設定した。
ただ、AOLタイム・ワーナーなどライバルはXPによるさらなる独占に警戒を強め、訴訟が今後も続く可能性は強い。
最大の対抗手段は新技術をいち早く市場に投入し、消費者に受け入れてもらうことだ。
市場からいったん認められれば、司法当局もそれを排除するのは難しくなる。
その意味でXPの市場での成否はマイクロソフトの遠大な野望実現のカギを握ることにもなる。
ウィンドウズXP日本語版
2001/10/16, , 遠藤泰男
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は15日、ウィンドウズXPの市場投入により、低迷しているパソコン需要の回復に貢献できるとの期待を表明した。
米同時テロの影響については明言を避けつつも、パソコンの需要は引き続き大きいとの見通しを示した。
インタビュー要旨は次の通り。
「ウィンドウズXPの発売は、パソコンやソフトなどの情報産業にとって極めて重要な一歩だ。
XPは従来のウィンドウズ技術から大きな飛躍を遂げた。
ソフトの安定性を高め、ビデオ動画の編集や双方向通信に適した数百もの新機能を盛り込んだ。
パソコンメーカーと協力することで、企業向けパソコンの買い替えなどの潜在需要を喚起できる」
「XPは新しい需要も開拓できる。
例えば、我々が提唱している新型情報端末『タブレットPC』にもXPを搭載する。
タブレットPCはノートパソコンと小型携帯端末の中間的な存在で、ペン入力もキーボード入力もできる新しい携帯端末だ。
我々は開発に向けてパソコンメーカーと親密に動いており、タブレットPCは2002年中に確実に発売される」
「米ヒューレット・パッカードによるコンパック・コンピューターの買収のようなパソコン業界の再編は今後も続くだろう。
パソコンは安価で大量に生産される道具となっており厳しい競争は避けられない。
(テロの影響は)大変深刻な状況ではあるが、ビジネスを考えるときには区別すべき要素だと思う。
(テロが)企業再編や情報投資にどのくらいの影響を及ぼすかはだれにも分からない」
マイクロソフト会長会見、OS多機能化は消費者の利益に
2001/06/02, , 遠藤泰男
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は31日、ニューヨークで日本経済新聞記者などと会見した。
同社の反トラスト法(米独占禁止法)違反訴訟に関連して、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」に様々な機能を追加して技術革新を追求することは「消費者の利益に見合う」と強調。
判決内容にかかわらず、OSに様々なソフトを統合する戦略を進める姿勢を明確にした。
一問一答は次の通り。
●独禁法訴訟で近く高裁判決がおりる見通しだが。
○「いまはひたすら待っている状態だ。いつ、どのような内容の判決が下されるかは予見できない」
マイクロソフトは年内に発売する新型OS「ウィンドウズXP」に音楽・動画再生など新機能を統合する。
●今回の訴訟ではOSとインターネット閲覧ソフトの抱き合わせ販売が争点となったが、OSの機能追加を続ければ同様の訴訟を招かないか。
○「自社の製品に新機能を付加しない企業はどんな業界であろうと存在しない。
我々は消費者の声に真摯(しんし)に耳を傾けている。
使いやすくするには音楽や動画の再生機能をOSに標準搭載することが不可欠だ。
新型OSには消費者の声を反映させる」
●今回の訴訟を受け、ライバル企業から強引と批判された営業・開発手法に変化はあったか。
○「ソフト業界は、新興企業でも数年で年商百億ドルの規模に急成長できる可能性を秘めた業種だ。
消費者利益を重視し、徹底した自由競争の風土を維持してきたためだ。
我が社もこれに従い、あらゆるソフト会社がウィンドウズ向けに自由に応用ソフトを制作できるようにしてきた」
「強調したいのは我が社ほどパートナー企業に成功をもたらした企業も珍しいことだ。
我が社が協力関係を結んだインテルや多くのパソコンメーカーは大きな成功を収めた」
●ハイテク企業の業績悪化傾向に歯止めがかからないが。
○「自動車や航空機業界の勃興(ぼっこう)期と同様に、インターネットブームで何百ものベンチャー企業が市場参入し、競争激化で収益環境が悪化した。
とりわけ新興通信会社とネット企業の業績不振や淘汰(とうた)が鮮明になっている」
「この二業種向けに売り上げを大きく依存してきた一部情報技術(IT)企業にも影響が及んでいる。
IT業界の競争環境は引き続き厳しいだろう。
ただ手書き入力や音声入力、無線ネットワークなどの新技術で需要を喚起できると期待している」
米マイクロソフト・ゲイツ会長に聞く、日本でゲームソフト開発、IT市場の拡大続く。
2001/03/31, , 遠藤泰男
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は30日、日本経済新聞記者と会見し、年内に参入するゲーム機「Xbox」事業の戦略などを語った。
魅力的なゲームソフトを投入するため、日本にも開発拠点を設け百人体制で独自開発するほか、セガなどゲーム大手や通信会社との提携を拡大する。
米ハイテク市場の停滞感については「パソコン出荷の伸びは鈍ったが、技術革新次第で市場は拡大する」と語り、情報技術(IT)が引き続き長期的な経済成長に貢献するとの見方を示した。
一問一答は次の通り。
●任天堂やソニー・コンピュータエンタテインメントに挑戦する形になる。
○「後発だとは思っていない。
世界最高水準のソフト、ハードを組み合わせて勝ち抜くチャンスとみている。
高速通信インフラの整備に伴い娯楽向け専用機の要望は高い。
ゲーム機がおもちゃだった時代は終わった。
大きな転換期を迎えているのにゲーム機メーカーは消費者の期待に十分こたえていなかった」
●ゲーム事業はソフトの品ぞろえがカギを握る。
○「ソフトを供給するセガの開発力は優秀で、重要なパートナーだ。
世界で200社、日本で70社がXbox向けソフトの供給を表明、30作品の開発が進んでいる。
オンラインゲームではNTTコミュニケーションズと提携。
ソフト、通信企業との連携を進める」
●経営再建中のセガを支援する考えはないか。
○「今回の提携ではソフト技術の協力を何回も話し合ったが、(資本提携などを)交渉した事実はない」
●パソコン、半導体などIT市場の成長鈍化が顕著になってきた。
○「パソコンは景気サイクルの影響を受けて成長率が落ちているが、台数出荷は堅調に伸びている。テレビ、自動車に比べ成長性は大きい。手書き入力、音声入力などの新技術で需要を喚起できる。 カンドー 遠藤泰男 パソコンは人類史上最高の創造的な道具。生産性を高める基幹マシンという位置付けは変わらない。携帯電話やゲーム機、デジタル家電はそれを補完するものになる」
●米国の景気停滞が経営にも影響が出ている。
○「当社ほどの規模になると年率20?25%の高成長は難しいだろう。
しかし、長期的な競争力の源泉である研究開発投資はマクロ景気の変化に左右されてはならない」
新しいOS「ビスタ」 独禁法上の問題はどうなった?
遠藤泰男 2006/12/02
企業向けは11月末、個人向けは来年1月末、というスケジュールで、米マイクロソフトは世界同時に「ウィンドウズ・ビスタ」の出荷を開始します。
ビスタは、新たに検索機能、セキュリティ機能、PDF機能を組み込むなど、相変わらずの"機能膨張"を続けています。
独占禁止法上の問題はどうなっているのでしょうか。
米国では、長年の対立を経て2002年にマイクロソフトと司法省が和解。
大きな独禁法上の係争は発生していません。
一方、欧州ではつばぜり合いが続いています。
競争政策を管轄する欧州委員会は音楽・映像再生ソフトの搭載に当たり、自社製品(ウィンドウズ・メディア・プレーヤー)を抱き合わせにせず、競合他社(リアルオーディオなど)に対しても同等条件を整えるよう命じ、04年に5億ユーロの制裁金を課しました。
欧州委はマイクロソフトがこの命令に従っていないとして、今年7月にも2.8億ユーロの追加制裁金支払いを命じました(マイクロソフトは控訴中)。
ビスタがセキュリティ機能、PDF機能を組み込むことで大きな影響を受けてしまうシマンテック、アドビシステムズにとって、強面の欧州委は救世主のような存在です。
両社は欧州委に意見書を提出。
ビスタにこうした機能を組み込まないよう命じるよう働きかけました。
しかし、マイクロソフトが競合他社に対し一定の設計情報を開示することから、欧州委は発売停止などの処分をとっていません。
ただ、欧州委は「競争法に抵触する懸念がある」とのコメントを出しており、今後、強硬姿勢をとる可能性もあります。
なお、お隣の韓国では、「メッセンジャー機能について、他社ソフトを選択できるようにする」との条件付きでビスタの出荷が認められました。
現在、マイクロソフトの知財部門にとって、欧州と韓国が最も気を使う地域になっているようです。
「ビスタ」企業向け販売開始、MS日本法人社長に聞く、2―3年後は主流に。
遠藤泰男 2006/12/01
米マイクロソフトは三十日、次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」と業務ソフト群の新版「オフィス2007」の企業向け販売を開始した。
同社の屋台骨を支える二製品の新版を同時に発売するのはウィンドウズ95以来十一年ぶりだけに力が入る。
日本法人のダレン・ヒューストン社長に見通しを聞いた。
――OSの新版は五年ぶりになる。
「確かに非常に時間がかかった。
だが、その分テストに十分な時間を割くことができた。
ビスタは完成度の高いOSになったと確信している。
セキュリティーにも自信がある。
パートナー各社の協力によって既存ソフトも問題なく動作するはずだ。
企業は修正版の登場を待たず、すぐにビスタを導入してほしい」
「過去五年でパソコンのCPU(中央演算処理装置)能力やハードディスク容量は十倍になった。
ビスタとオフィス新版はこの進化したハードの能力を完全に引き出し、インフォメーションワーカー(知的労働者)の生産性を劇的に高めることができる。
例えば平均的な知的労働者は年百時間程度を情報検索に費やしているが、ビスタの検索機能を使えばこの時間を大幅に短縮できる」
――ビスタへの移行に慎重な企業も多い。
「パソコン買い替えのタイミングでビスタに移行する企業が多いはずだ。
発売直後に一斉に企業がビスタを入れるとはもともと考えていない。
パートナー各社の力を借りて、ビスタとオフィス新版の魅力を継続的に企業に訴えていく」
「悲観はしていない。
ビスタへの移行は過去のOSよりもスムーズに進むだろう。
すでに五十七の企業・組織がビスタやオフィス新版を早期採用する意向を表明している。
この数はXPのときの五倍以上だ。
二―三年後にはパソコンの半数以上はビスタ搭載機になるとみている」
――来年一月三十日に販売を始める、個人向けビスタの立ち上がりをどうみる。
「一般消費者の間でもビスタへの注目は高まりつつある。
(パソコンで映画や音楽を楽しむ)デジタルライフスタイルの中核としてビスタは最適なOSだ。
ビスタは日本のパソコン市場を再び成長路線に乗せる起爆剤になると信じている」
「パソコンメーカーと協力してビスタの魅力をユーザーに売り込む。
発売後もしばらく続く息の長い取り組みになるだろう。
個人だけでなく、中小企業や教育分野といった対象顧客別にきめ細かな販売促進策を地道に続けたい」
――インターネット技術の新潮流「Web2・0」によって、インターネット経由でのソフト提供が一般的になりつつある。
ウィンドウズやオフィスは今後どう対応する。
「『サービスとしてのソフトウエア』という考え方は否定しない。
当社もソフトの修正版をネットで自動配布したり、ネット経由でかな漢字変換を可能にするなど積極的に対応している」
「ただし、すべてのソフトがウェブ上に移行するとは思えない。
パソコンのハードはこれからも速く、安くなるのに、それを生かさないのはもったいない。
パソコン上のソフトとウェブ上のソフトが連携をとりながら処理をこなす形式が、今後も主流であり続けるはずだ」(聞き手は星野友彦)
06年度上半期のパソコン出荷、1.6%減・MM総研まとめ
遠藤泰男 2006/11/30
MM総研(東京・港)がまとめた遠藤泰男 2006年度上半期の国内パソコン出荷実績によると、出荷台数は05年度上半期比1.6%減の621万5000台だった。
半期単位で見ると02年度下期以来のマイナス成長となった。
個人向けは5.2%減の257万5000台。
低価格化した大画面薄型テレビが支出先として競合、パソコンの買い控えにつながったという。
法人向けは1.1%増の364万台だった。
下半期にはマイクロソフトの新基本ソフト「ウインドウズ・ビスタ」が投入されるが、出荷台数は0.1%増の725万台にとどまるとみている。
通期では0.7%減の1346万5000台を予想している。
メーカー別シェアでは上位5社の順位に変動はなかったが、三位のデルが官公庁向けの好調などで22.8%増となった。
ウィンドウズビスタ、企業向け販売開始
遠藤泰男 2006/11/30
マイクロソフトは30日、新たなパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズビスタ」の企業向け販売を日本で始めた。
米欧など世界の主要市場と同時。
ビスタとともに世代交代したワープロソフトなどを含む「2007オフィスシステム」、メール管理などの「エクスチェンジサーバー2007」と合わせ、57社が導入・採用を決めているという。
ビスタの個人向け国内販売は来年1月30日。
「ビスタ」きょう企業向け発売、個人向けは来年1月、パソコン各社、春に照準。
遠藤泰男 2006/11/30
米マイクロソフト(MS)がパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の企業向け販売を三十日に開始する。
ビスタはMSが約五年ぶりに発売するパソコン用OSで、強固なセキュリティー機能などを備えた。
ただ、企業向けは導入前に入念な動作検証が必要なほか、個人向けの発売は来年一月三十日にずれ込んだ。
パソコンメーカー各社は来春商戦に照準を移しており、年内のビスタ効果は限定的になりそうだ。
「(ビスタ発売後も)半年以上は企業向け主力OSは現行のXP」(NEC、富士通など)。
メーカー各社はビスタ発売後も企業需要が急速に立ち上がるとは見ていない。
ビスタの持つセキュリティー機能はウイルスによる情報流出などに頭を悩ます企業には魅力的。
しかし技術的な変更も大きいため、社内ソフトを安心して利用するには動作検証作業に時間がかかるためだ。
一方、年末に向けた個人向けパソコン商戦は、個人向けビスタの発売が来年になったことで盛り上がりを欠いている。
調査会社のBCNによれば十月以降、パソコンの販売台数は前年同週比で八―九割前後と低迷が続く。
十一月は八割を割り込む週もあり、ビスタ登場を前に買い控え傾向が強まっている。
MSとメーカー各社は年末に販売するパソコンでXPからビスタへの更新料を値下げするキャンペーンを展開。
買い控えの抑制を狙うが、「XP登場時は、同様のキャンペーンの利用率は一〇%弱にとどまった」(NEC)こともあり、大きな効果は期待薄だ。
メーカー各社の期待は早くも年末商戦から春商戦に移っている。
NECや富士通は昨年は年末商戦を意識して十二月に発表した新製品の発表時期を約一カ月後ろ倒しにする。
パソコン世帯普及率はすでに八割を超え、今年度上半期はパソコン販売が前年割れになった。
それでもNECや富士通など国内パソコン大手各社は年間出荷見通しを据え置いている。
個人向けビスタの発売を契機に、春商戦でパソコン購入が急拡大するとの思惑からだが、買い控えの反動をうまくとらえられるかは不透明だ。
個人向け「ビスタ」発売も目前――「ビスタ」には互換性も注意。
遠藤泰男 2006/11/30
五年ぶりの新版OSとなる「ウィンドウズ・ビスタ」の機能は現行の「XP」などと大きく異なる。
ビスタ搭載機にPCを買い替える際はデータ移行だけでなく、これまで利用していた業務ソフトや周辺機器がそのまま利用できるかどうかにも気を配る必要がある。
特に確認すべきなのは業務ソフトの利用権限に関する機能。
ビスタはセキュリティーを大幅に強化した代償として、ユーザーごとに許される操作が厳格に制限されている。
XPでは可能だったデータ書き込みなどの操作がビスタでは禁止されるケースもある。
こうした業務ソフトはビスタ対応版にアップグレードするか、修正ファイルを適用するしかない。
マイクロソフトは十一月二十一日から自社のウェブサイトでビスタの互換性に関する情報を公開し始めた。
ソフトメーカー各社にも、自社製ソフトの機能をアピールすると同時に、これら参考情報をユーザーに周知させる努力が求められる。
個人向け「ビスタ」発売も目前――PCデータ移動、ソフトで楽々。
遠藤泰男 2006/11/30
ソースネクスト、低価格で簡単操作
AOSテクノロジーズ、ソフト本体も移動
来年一月、米マイクロソフトが新しい基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を一般消費者向けに出荷するのを機に、パソコンの買い替え需要の拡大が見込まれる。
その際に必要となる新しいパソコンへのデータは人手でやると数日かかることも珍しくない。
これを機に作業を効率化する支援ソフトの需要を掘り起こそうと、ソフト各社はビスタ対応予定の製品の売り込みに力を入れ始めた。
ユーザーにより異なるが、移行対象となるデータは意外と多い。
ワードやエクセルなどで作成したデータだけでなく、電子メールやインターネット閲覧ソフト(ブラウザー)の「お気に入り」などを移行するニーズも高いとみられる。
だが、各データはハードディスクの様々な場所に保存されており、新しいパソコンに移すのは個人には至難の業だ。
マイクロソフトの現行OS「ウィンドウズXP」には「ファイルと設定の転送ウィザード」と呼ぶデータ移行を支援するソフトが付属されているが、新旧のPCをネットワークで接続する必要があるなど初心者には敷居が高く、移行できるデータも限られる。
そこで注目されているのが、新旧のパソコンをつなぐだけでデータを移行できる「引っ越し支援ソフト」。
各種業務ソフトの設定情報やソフトそのものを移行できる製品も登場した。
現在、店頭にある商品の多くも、いずれ無償かより低料金でのバージョンアップにより、ビスタ搭載PCに対応可能になる見通しだ。
操作の簡単さを打ち出すのはソースネクスト(東京・港)の「引越おまかせパック」。
付属ケーブルで新旧のパソコンをつなぎ、ファイルやフォルダを選択するだけでデータを移行できる。
価格も千九百八十円と安い。
だが、メールやインターネット接続の設定を移行するには、付属のガイドブックを参照して移行するファイルをユーザーが選択する必要がある。
日本CA(東京・新宿)が十月に発売した「CAデスクトップDNAマイグレーター2007」はデータに加え、各種設定情報を簡単に移行できるのが特長。
アイコンのデザインや使用するプリンターといったOS関連の設定情報だけでなく、ワードやエクセルなど業務ソフトの設定情報も処理可能だ。
画面の指示に従ってどの業務ソフトの設定情報を移行するか指定するだけで作業指示は終わる。
AOSテクノロジーズ(東京・港)の「ファイナルパソコン引越し2006PRO」はPCを買い替えても、再インストールすることなく、従来の業務ソフトを利用して作業を始められる。
だが、不正コピーの防止対策が施されたソフトや特殊な設定ファイルを利用するソフトなどはユーザー自身でインストールし直す必要がある。
新旧のパソコンはLAN(構内情報通信網)で接続する。
シーフォーシステムデザイン(東京・港)とエイム(川崎市)が共同で販売する「安心楽々引越しパック」は、ケーブルやLANではなく、CD―RやDVD―Rなど記録メディアを使ってデータを移行する。
ソフトの指示に従ってメディアをセットするだけで引っ越しが完了する。
ケーブルを使うよりも操作が楽で、初心者に向くとしている。
企業向け「ビスタ」「飛びつけない」、マイクロソフトきょう発売(NewsEdge)
遠藤泰男 2006/11/30
長すぎた5年...、ネット企業進化
製品OS最後?
投資効果に疑問・トラブル懸念
米マイクロソフトは三十日、基本ソフト(OS)の新製品「ウィンドウズ・ビスタ」を企業向けに発売する。
パソコン向け市場では「リナックス」など競争相手が伸び悩む中、五年以上も新製品の投入なしに主役の座を維持し続けた。
機能満載の「巨艦ソフト」に社運をかけるが、多くの日本企業はトラブルのタネになりかねない新OSの早期導入には及び腰。
ビスタはスタートダッシュできるのか。
「使用中の『2000』を捨ててまで導入する意味はない」。
大成建設の木内里美情報企画部長のビスタ評は厳しい。
同社は情報化先進企業として知られる。
ビスタの基本設計や機能を評価した結果、「以前のOSで作った書類が読めないなど互換性の問題が大きい」として導入見送りを決めた。
ビスタが動作に一ギガ(ギガは十億)ヘルツ以上の高速CPU(中央演算処理装置)と、一ギガバイト以上の大容量メモリーが必要なことも評価を下げた。
メモリーは「2000」「XP」の二倍以上だ。
大成は社内で一万三千台のパソコンを運用。
ビスタを快適に動かそうとするとパソコン投資だけで数億円が必要だが、「投資に見合う効果が得られるとは考えにくい」(木内氏)。
JTBも「安全運用が第一。
すぐには飛びつかない」との姿勢。
まずシステム開発子会社で運用中のシステムとの連携を検証し、問題がないことを確認できれば営業店などにも紹介する。
「予約端末にビスタを使えるようになるには、少なくともあと数カ月はかかる」という。
企業が早期導入に慎重なのは、情報システムにトラブルが起きると、経営の根幹が揺らぎかねないからだ。
パソコンの使い方も以前のような文書作成やウェブ閲覧が中心ではなく、会計システムや顧客管理システムなどの端末としての役割が重くなっている。
企業側の慎重姿勢とは裏腹に、マイクロソフトはビスタの普及に自信をみせる。
日本での目標は「発売後二年で、パソコンOSの五割をビスタにすること」(日本法人)。
これはXPを上回るスピードだ。
手も打っている。
二十一日にはビスタ導入に関する質問受付や技術支援を提供する「ビスタ対応支援センター」を設立。
パソコンメーカーにも呼びかけ、二―三年前に発売されたパソコンでのビスタの稼働を確認させる念の入れようだ。
自信の裏には不可欠な情報インフラとなった自社OSへの自負がある。
当初は慎重でも、いずれはビスタを使わざるを得ないとの思いがあるはずだ。
だがXPからビスタにつなぐまでに五年もかかったのは誤算ではなかったか。
開発期間が長期化したのには幾つかの理由がある。
まず機能や操作性を高めようとした結果、プログラムが肥大化し、開発に手間がかかったこと。
ビスタのプログラムコードはXPより約四〇%増えた。
さらに〇三年八月、パソコンが動作不能になる感染被害を出したコンピューターウイルス「ブラスター」が登場。
開発中だったビスタを含む製品で情報セキュリティー対策の抜本見直しを強いられたことも響いた。
一方、この間に周辺環境は大きく変わった。
最大の変化はインターネットの本格的な普及と米グーグルなどのライバル企業の出現だ。
マイクロソフトはグーグルに対抗するため、パソコン内の情報を検索する機能や、ネットと連携して動作する、天気予報やカレンダーなどの小型ソフト「ガジェット」をビスタに組み込んだ。
だが、無償でソフトを配布し広告収入を得るグーグル型のビジネスモデルには依然消極的だ。
創業三十年の節目を迎えた昨年九月、マイクロソフトは大幅な組織変更を表明した。
七つに分かれていた事業部門を三つに束ねる内容で、目玉はOS「ウィンドウズ」、ネットサービス「MSN」両部門の統合だった。
グーグルなどが台頭するなか、収益の柱であるOSをネット時代にどう対応させるか。
マイクロソフトの危機感が表れたといえる。
同年十一月にはビル・ゲイツ会長自ら、新ネットサービス「ウィンドウズ・ライブ」を発表。
ネット事業は同社のなかでも優先順位の高い重点分野となっている。
ただ圧倒的な収益力を持つOSビジネスの変革は簡単ではない。
スティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は、「すべての業務がネット上で済むわけではない」と、従来型ソフトの必要性を訴える。
当面の経営戦略は、従来型ソフトとネットサービスの両にらみとなる気配が濃厚だ。
二―三年後に登場すると予想されている次期OSでは、ネットワークを通じて必要なソフトを自由に追加・削除できる構造にする見通し。
マイクロソフト・リサーチのダン・リン所長も「ネットが普及した今は、すべての機能をあらかじめパソコンに組み込んでおく必要はない」と語る。
ネット経由で様々なソフトを配布する事業形態に移行する可能性は高い。
長い時間をかけて開発し、DVDに膨大なソフトを記録して販売する従来のビジネス手法とマイクロソフトが決別し、今回のビスタが「最後の製品OS」になる可能性は低くない。
さもなければ、時代の変化についていけず、IT(情報技術)産業のリーダーの座を明け渡すことになる。
トピックス?新サービス?1280円で190万曲聴き放題 定額制の音楽配信スタート?新サービス
遠藤泰男 2006/11/24
一九〇万曲以上の楽曲が月額一二八〇円で聴き放題。
音楽ファンにとって夢のようなサービスが始まった。
仕掛人は、CDショップなどの音楽事業を手がけるタワーレコード。
ナップスターと提携し、一〇月三日に日本初の定額制オンライン音楽配信サービス「ナップスター」を開始した。
日本の音楽配信市場は現在、アップル社の「アイチューンズ・ストア」の一人勝ち。
二〇〇万曲から一曲単位で、一五〇円ほどで買える手軽さが受け、人気・シェアともに独占状態にある。
そんな市場に、ナップスターは定額制で攻勢をかける。
月額一二八〇円のコースでは、専用ソフトをダウンロードして会員登録すると、一九〇万曲をパソコンで自由に聴ける(図1)。
月額一九八〇円コースでは、パソコン以外にも対応の携帯音楽プレーヤーや携帯電話などで自由に楽曲を聴くことができる(図2)。
対応プレーヤーは東芝の「gigabeat」やビクターの「alneo」など。
さらに、NTTドコモの一部の携帯電話で再生が可能だ。
その他の音楽プレーヤーを使用したりCDを作成したい場合は、一曲ごとに楽曲を購入すれば対応できる。
音楽市場が低迷している今、CDショップとして名高いタワーレコードがなぜ音楽配信に乗り出したのだろうか。
タワーレコードでは「単に、レコードからCD、そして音楽配信という流れで参入したわけではない。
今まで店舗でやってきたことをネット上に持ってきて、人と音楽との出会いの場を広げ、新たな顧客の開拓につなげたい」(企画室グループ広報室の谷河立朗室長)という。
タワーレコードでは、楽曲を試聴できるコーナーを設けたり、無料の音楽情報誌を通じて、〓楽曲のオススメ〓に力を入れている。
ナップスターには、その特徴が盛り込まれている。
店員や編集部がオススメする楽曲の特集が組まれ、クリック一つでラジオのように次々と再生してくれる。
雑誌を読みながら、そのままオススメの楽曲を聴いているような感覚だ。
さらに、店員のオススメだけでなく、友人同士で楽曲をオススメし合う、プレイリストの共有なども専用ソフト上でできる。
今後は、マイクロソフトがウィンドウズビスタに専用のソフトを搭載し、定額制の音楽配信サービスを開始する予定。
続々とアイチューンズ・ストアにはない、独自の特徴を加えたサービスが出始めている。
各社とも、顧客獲得を狙う競争は激しさを増しそうだ。
PCレポート?「ビスタ」が最大九〇〇〇円引き! XPからの移行を"割引価格"で支援?年末商戦での"買い控え"を防ぐ、「アップグレードキャンペーン」を各社が実施
遠藤泰男 2006/11/24
ビスタが出るまで、パソコンを買うのは控えよう。
そんなユーザーの"買い控え"を防ぐため、パソコンメーカーは割安でビスタにアップグレードできるキャンペーンに乗り出した。
果たしてユーザーにメリットはあるのか。
「ウィンドウズ・ビスタ」と「オフィス2007」の発売を二〇〇七年一月三〇日に控え、にわかに期待が高まってきた。
しかし、パソコンメーカーと量販店は、この年末商戦を"ビスタ抜き"で乗り切らなくてはならない。
五年前のXP発売のときは年末商戦とうまく重なり、パソコンの売り上げにも貢献した。
その意味では、今回のビスタ発売のタイミングは最悪だ。
そこでマイクロソフトとパソコンメーカーが打ち出したのが、ビスタへのアップグレードキャンペーンだ。
これは、二〇〇六年一〇月二六日から二〇〇七年三月一五日までの期間にXPパソコンを購入したユーザーを対象に、優待価格でビスタやオフィス2007を提供するサービスだ。
キャンペーンの対象となるパソコンは、「ケイパブルPC」という基準を満たしていることが条件。
この基準では、ビスタを動かすのに最低限必要なCPUやメモリー容量などが定められている。
さらにマイクロソフトでは、ビスタの新機能をフルに生かすため、グラフィックス性能などに余裕を持たせた「プレミアム・レディPC」という基準も示している。
今回のキャンペーンの利用は、ケイパブルPCに対応していることが最低条件だ。
キャンペーン価格はメーカーによって異なるが、ビスタの「ホーム・ベーシック」へのアップグレードは九八〇〇円が主流。
また、「オフィス2003」がプリインストールされたパソコンなら、三〇〇〇円で「オフィス2007」を入手できる。
合計すると、通常のアップグレード版より二万円以上安く手に入る。
新機能「エアロ」を使うなら
「プレミアム・レディPC」に
ウィンドウズ・ビスタには、四つの種類(エディション)がある。
現在、最も一般的な「ウィンドウズXPホーム」からアップグレードできるのは、ビスタの「ホーム・プレミアム」と「ホーム・ベーシック」の二種類だ。
まずこの二種類の違いを確認しておこう。
上位製品である「ホーム・プレミアム」の最大のメリットは、ビスタの「エアロ」(Aero)などの新しい表示機能を使えること。
ウインドウを半透明にしたり、三次元表示することで、使い勝手が大幅にアップする。
しかし、ケイパブルPCの基準を満たしただけでは、エアロのないホーム・ベーシックしかインストールできない。
グラフィックス性能が不足するためだ。
アップグレードを考えているなら、ホーム・プレミアムが楽に動作するプレミアム・レディPCを選んだほうが安心だ。
機種によっては、メモリーを増やすだけでプレミアム・レディPCの基準を満たすことができる。
購入日時の証明書を保管し、直接メーカーに申し込む
ウィンドウズ・ビスタへのアップグレードは、各パソコンメーカーが窓口になる。
保証書など、購入日が確認できる書類を添えてメーカーに申し込むと、一月以降にメーカーからアップグレード用のDVD?ROMが二枚送られてくる(図8)。
一枚は、ウィンドウズ・ビスタそのもののアップグレード用で、もう一枚は、各パソコンに接続されている機器のドライバーや、プリインストールソフトをビスタに対応させるためのディスクだ。
マイクロソフトのアップグレード用ウェブサイトには、各メーカーのキャンペーン情報へのリンクが用意されている(図9)。
詳しくはこちらで確認しよう。
一方、オフィス2007へのアップグレードは、基本的にマイクロソフトに直接申し込む。
購入日の証明が必要なのはビスタと同様だ[注]。
今回のキャンペーンには、ビスタに移行するタイミングを自分で選択できるメリットがある。
ビスタが登場しても、自分がよく使っているソフトがすぐに動かせるとは限らない。
しばらくはXPを利用しておき、ソフトや周辺機器のサポートが整った段階でビスタにアップグレードすることをお勧めしたい。
マイクロソフト、「ビスタ」対応支援、ソフト開発負担減。
遠藤泰男 2006/11/22
マイクロソフト(MS)日本法人は二十一日、ハード機器やソフトが次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」上で稼働できるように支援するサービスを始めると発表した。
ハード機器やソフト開発者を対象に専用サイトを設けたり、無償トレーニングを全国で開催する。
機器メーカーやソフト開発会社の開発負担を軽減し、ビスタ対応製品の拡大を図る。
「ウィンドウズ・ビスタ対応支援センター」と題してサービスを実施する。
機器やソフトなど現行製品がビスタと互換性を持てるように、チェックリストなどを紹介するサイトを十二月一日に開設する。
ソフト開発者を対象に、ビスタ対応に向けた無償トレーニングを全国七カ所で実施。
東京都内にあるMSの開発拠点内に、ビスタとの互換性を検証する施設も来月下旬に設置する。
支援サービスとは別に、来年一月から三カ月限定で、ビスタへの乗り換え権利も付けた企業向けソフト保守サービスを割引価格で提供する。
既存OS「ウィンドウズXPプロ」購入者を対象に、通常価格の三三%引きで販売する。
「ビスタ」互換性確認サイト
遠藤泰男 2006/11/22
マイクロソフト日本法人は21日、1月末に一般向けに発売するパソコン向けOS(基本ソフト)「ウィンドウズ・ビスタ」に、現在個人が保有するソフトやハードが対応できるかを検証できる専用サイト「ウィンドウズ・ビスタ互換性情報サイト」を開設した。
このサイトは、ユーザーに事前情報を提供することで、ビスタへのアップグレードを後押しするのが狙い。
これまで、「ウィンドウズ98」から「同XP」にアップグレードした際、使用していたソフトが利用できなくなるなどの状況が発生。
利用者の不満を招いていたことなどが背景にある。
ウィンドウズ・ビスタ互換性情報サイトのアドレスはhttp://www・microsoft・com/japan/windowsvista/compatible/
[特集]全解明 業界激変?05 インターネット?グーグル中心の業界再編 日本ではSNSめぐる攻防
遠藤泰男 2006/11/18
2007年もインターネット業界は、グーグルを中心に回っていくことは間違いない。
設立から8年、上場からわずか2年で、時価総額16兆円超の巨大ネット企業に成長したグーグル。
世界最強のネット検索技術と検索に連動する広告を組み合わせ、06年7?9月期には売上高26億ドル、純利益7億ドルを稼ぎ出した。
売上高、純利益ともに前年同期の約2倍の水準だ。
同期のヤフー(米)は売上高15億ドル(19%増)、純益2・5億ドル(38%減)。
1年前に拮抗していたグーグルとヤフー(米)の差は大きく広がってしまった。
Web2・0を次々傘下に 動画配信の事業化が課題
今年10月、ネット業界を震撼させる出来事が起こった。
グーグルが動画共有サイト・ユーチューブを16億5000万ドルで買収したのだ。
誕生から20カ月で1日のビデオ閲覧数が1億回、1日に6万5000本のビデオが投稿される世界最大の動画サイトに成長したユーチューブ。
その圧倒的な人気に引かれ、ヤフー(米)、マイクロソフト、ニューズ・コーポレーション、バイアコム等が秋波を送っていた。
だが、著作権法侵害問題を抱え、しかも赤字(非開示)のユーチューブに、グーグルがつけた値段はライバルと次元が違っていた。
グーグルは8月にユーチューブと並ぶWeb2・0の代表格、マイスペース・ドット・コムも勢力圏に取り込んでいる。
Web2・0は主にユーザーが作成するコンテンツをベースにしたネットサービスで、急速に人気が高まっている。
マイスペースは登録会員が1億2500万人の米国最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)。
米国ではヤフー(米)に次ぐページビューを誇る。
マイスペース自体は05年7月にルパード・マードック率いるニューズ・コーポレーションが5億8000万ドルで買収している。
グーグルは07年から3年半の間に最低9億ドルを払うことで、マイスペースに検索技術と検索連動型広告を提供する契約を結んだ。
それまでマイスペースに検索機能などを提供していたヤフーから、有望株を奪い取ったのだ。
マイスペース、ユーチューブというWeb2・0の双璧を押さえたことで、ネット業界でのグーグルの地位は圧倒的になった。
では、グーグルの課題は何か。
期待に反して、ネットによる動画配信はビジネスとして成り立っていない。
日本でもUSENの無料動画配信サービス・GyaOは赤字を垂れ流し、ヤフー(日本)によるヤフー動画もまだ利益を生んでいない。
ユーチューブは音楽大手のワーナー・ミュージックやソニーBMG、テレビ局のCBSと、コンテンツを提供する代わりに広告収入を分配する契約を結んでいる。
だが、こうした提携でユーチューブが利益を生み出せるかはまだ見えていない。
業界関係者の多くは、グーグルが出した16億ドルは高すぎるとみている。
一方で、グーグルならば著作権問題を解決し、動画配信をビジネスとして軌道に乗せることができるとも感じている。
ユーチューブをビジネス化できれば、ネット業界だけでなく、テレビなど旧来メディアを含めた世界でグーグルが王者として君臨することになる。
マイクロソフトは新OSビスタで反撃
では、ライバルたちはグーグルにどう挑むのか。
マイスペースを奪われ劣勢のヤフー(米)は、マイスペースに次ぐ全米第2位のSNSで、現在マイクロソフトと提携関係にあるフェースブック買収を検討中とされる。
さらにヤフー(米)は検索連動型広告のシステムを刷新し、グーグル追撃を図る。
それでも現状ではヤフー(米)がグーグルの勢いを止めるのは難しいかもしれない。
フェースブックを含めても目ぼしいサイトは限られている。
その奪い合いで価格が高騰すれば、Web2・0がバブルだった場合、大きな痛手になりかねない。
07年、グーグルに待ったをかけるとしたら、マイクロソフトだろう。
マイクロソフトのネットビジネスは、お世辞にも成功しているとはいいがたい。
06年7?9月期の全社ベース純益は34億ドルとグーグルをはるかに上回るが、「MSN」を含むオンラインサービス・ビジネスの売上高は5億ドル強、前年同期から4%強の減収のうえ、1億ドルの営業赤字だ。
悩ましいのは、ネットはグーグルに任せ、自身はソフトの世界で生きていく選択肢がマイクロソフトには取れないことだ。
グーグルはネットを介して、表計算やワープロソフトの提供を開始。
Gメールのように表計算やワープロソフトでもグーグルの存在感が高まれば、マイクロソフトの利益源の一つである『オフィス』の売り上げに響きかねない。
マイクロソフトの反撃策の第1弾は1月に投入される新OSビスタ。
スタートバーに検索機能を取り込んだ。
OS独占の利点を生かし、ライバルを次々駆逐してきたマイクロソフトなだけに、グーグルも安泰ではない。
ライバル同士が手を組んで対グーグル連合を作るかもしれない。
敵の敵は味方というわけだ。
マイクロソフトがヤフー(米)と何らかの提携を結ぶ可能性もゼロではない。
マイスペースが日本進出 カギは携帯電話対応?
日本市場に目を転じると、米国とは逆に、ヤフー(日)にグーグルが挑戦する構図だ。
検索シェアでもヤフーが勝っている。
07年前半には新検索広告システムを稼働させ、検索広告でもグーグルを突き放す方針。
米国を参考にするならば、グーグルが国内SNS最大手のミクシィなどWeb2・0企業と提携し、検索と検索連動広告のシェア奪取を図るといったシナリオも考えられる。
SNSではソフトバンクがニューズと合弁会社を設立し、マイスペース日本語版サービスを開始した。
国内SNSで独走するミクシィに待ったをかけると同時に、携帯電話での競争の切り札にする意向だ。
広告収入を基礎としたメディア領域ではヤフー、グーグルが軸だが、電子商取引市場の先頭は楽天。
ただし、楽天はTBS問題や信販子会社の事業再構築などで一時期の勢いはない。
多額の借入金があるうえ、06年3月の公募増資から株価が大きく下がっており、大型買収は難しい。
日本での再編のカギは、携帯電話対応になるかもしれない。
携帯での検索はソフトバンクがヤフー、KDDIがグーグルを採用。
NTTドコモは今のところ等距離外交だ。
携帯でグーグルが抜け出せば、国内での検索シェアで変動が起こりうる。
買収による再編は考えにくいが、業務提携での勢力争いは激化しそうだ。
06 通信
波乱含みの携帯市場 光はNTTが大攻勢
アメリカでは通信事業者のダイナミックな合従連衡が起きているが日本の通信業界はNTTという圧倒的ガリバーが居座ったまま。
今年初めには竹中平蔵総務大臣の下でNTT再編議論に火がついたが、結局は2010年にあらためて議論するということで先送りとなった。
大きな業界再編が起こりにくい中で、焦点となるのは携帯電話市場だ。
10月24日から始まった番号ポータビリティ制度。
au(KDDI)は「シェア拡大に向けた絶好のチャンス」(小野寺正社長)と位置づけ、攻めの姿勢を鮮明にしている。
一方、今年4月にボーダフォンを買収したソフトバンクは、番号ポータビリティの前日にとんでもない戦略を公表した。
諸条件はあるものの月額の基本料金2880円を支払えば、ソフトバンクユーザー同士ならば通話とメールが無料になる激安戦略。
端末も顧客と割賦販売契約を結び、頭金をゼロにする。
「ゼロ円」を前面に押し出して顧客を奪い取ろうとしている。
だが、買収からわずか半年の準備不足がたたり、ユーザーの契約処理でシステムトラブルが発生、のっけからつまずいた。
やはり勢いがあるのはau。
目標に掲げていた「シェア3割」は目前で、早ければ07年にも達成する勢いだ。
過去10年近くシェア5割を維持してきたNTTドコモは、さすがにシェアダウンを免れそうにない。
ソフトバンクは旧ボーダフォン時代に設備投資額を絞り込んだため、他社に比べて通話エリアを充実させる基地局投資が遅れている。
07年3月期末にはNTTドコモと同等以上のインフラ増強をすませることを宣言しており、公約を実行できれば価格のほかに新しいコンテンツサービスでドコモ、auに攻め入る余地はまだある。
携帯市場が過熱する中、もう一方で注目すべきは固定系ブロードバンド市場の動向だ。
01年にソフトバンクがADSLのインターネット接続サービス「ヤフーBB」を立ち上げ、NTTの光ファイバーインターネットの展開を腰砕けにした。
だが、足元ではNTTの光サービス「Bフレッツ」が順調に顧客を獲得しており、来年には顧客数でヤフーBBを抜きそうだ。
ようやくヤフーBBが黒字化したソフトバンクにとって、これが純減に転じるようだと相当厳しい。
KDDIは自前の光ファイバー網を保有する東京電力と固定系ブロードバンドを事業統合し、今後は他電力会社との連携拡大ももくろむ。
ただ、NTTと契約者数の格差が大きく、巻き返しは厳しい。
NTTはグループ連携でシェア拡大を図る方針を打ち出しており、他社がガリバーの牙城を一気に崩すことは難しいだろう。
07 放送
持ち株会社の解禁でフジテレビが巨大化?
世界の映画興行収入シェア15・7%、発行雑誌数130誌以上――。
メディアコングロマリット、タイム・ワーナーはまさに世界最大のコンテンツ工場だ。
そのタイム・ワーナーが「放送と通信の融合」を目指してAOLを買収した一件は、いまだに「世紀の失敗」とも揶揄される。
だが、AOLは従来有料だったメール等のサービスを9月から無料にし、事業の焦点を会費からネット広告へと戦略転換。
AOLの営業利益は大幅に改善している。
メディア王ルパート・マードック氏率いるニューズ・コーポレーションもネット分野の強化に余念がない。
昨年7月には米国のコミュニティサイト(SNS)のマイスペース・ドット・コムを買収した。
マイスペースは世界中で1億人超のユーザーを抱える世界最大のSNS。
ニューズにとっては若年層の開拓につながるだけでなく、ネット広告媒体としての価値も高い。
ニューズは、10月からドラマなど既存メディアのコンテンツを傘下のネット企業で配信。
ネット活用ではタイム・ワーナーの先を行く。
米国では、動画投稿サイトのユーチューブなど新たなメディアも台頭。
新興勢力が既存メディアを脅かす中、07年も世界的な巨大メディアのネット参入が加速しそうだ。
フジテレビは「世界級」になれるか
一方、日本でメディアコングロマリットに最も近いのはフジサンケイ・コミュニケーションズ・グループの中核であるフジテレビだろう。
同社は全国に28系列局を持つほか、傘下に扶桑社やニッポン放送、産経新聞社など大手メディアを抱えている。
近年は映画制作にも注力。
テレビなど関連媒体をフル活用してヒット作を作り上げ、そのコンテンツをDVDや地上波放送で使い回すマルチユースにも長けている。
今後、フジテレビの「巨大化」に拍車をかけそうなのが、「マスメディア集中排除原則」の緩和だ。
従来、一つの企業が複数の放送局の大株主となることは禁止されていた。
が、10月に総務省の研究会が「放送持ち株会社」の設立を解禁する緩和案を含む報告書を策定。
同省は07年度中の制度導入を目指す構えだ。
実現すれば持ち株会社がキー局と系列局をグループ会社化できるようになり、全国を網羅した巨大テレビ局が誕生する可能性も出てくる。
系列局のグループ化で株主調整等の障害が最も少ないといわれるのがフジテレビだ。
もっとも、フジテレビを含め日本の放送局は通信やネットの活用に及び腰。
世界的メディアの仲間入りを目指すならば、自らネットの世界に飛び込んでいく大胆さも必要だ。
08 流通
ダイエーをのみ込むイオン 次の焦点はウォルマート
「千に一つもない」
10月13日。
ダイエーとの資本・業務提携を発表する席上、イオンのある役員は提携が破談になる可能性についてこう公言した。
この日はダイエー株のイオンへの譲渡をめぐり、筆頭株主の丸紅、イオン、ダイエーがそれぞれ別個に、それも各社トップが出席することなく、会見を開いた。
本来ならば、3社長そろっての「晴れの日の舞台」であるはずなのに、いまだ詳細が詰め切れていない状況をうかがわせた。
イオンに譲渡されるのは、丸紅が持つダイエー株15%と、ダイエーが持つ食品スーパーのマルエツ株20%。
そこまで大枠が決まっていながら、丸紅・ダイエー陣営とイオンとの交渉期限は、2007年3月末までとあまりに長く設定されている。
業界では「イオンが欲しいのはダイエーでなくマルエツではないか」との観測が流れており、イオン役員の発言はそうした見方を打ち消すものだった。
しかしイオンがダイエー出資に慎重なのも当然だ。
ダイエーは05年5月から産業再生機構の支援の下、53店閉鎖などのリストラを断行。
単体有利子負債も3800億円と2年前の4割まで減らした。
ただ一方で、本業では今上期の既存店売上高が前期並みと当初計画のプラス3%を下回り、本格回復したとは言い難い。
提携したところで、商品の共同調達や物流の共同化がどれだけ図れるか、既存店の改装や閉鎖にどれだけニューマネーが必要かなど、詰めるべき課題は多いのである。
今や流通業界にとってイオンは"最後の駆け込み寺"。
一度出資を決めれば及び腰になることなど許されず、イオンも本気になって立て直しにかかるだろう。
イオンには、一度破綻したマイカルを更生計画より7年前倒しで、旧ヤオハンジャパン(現マックスバリュ東海)も1年前倒しで再建したという「実績」がある。
それだけにダイエーという巨大案件に対して、中途半端な形でかかわるわけにはいかないのだ。
これでダイエーがイオン傘下に入れば、イオングループの売上高は6兆円を超える。
流通業界はイオン、セブン&アイ・ホールディングス、さらに米ウォルマート子会社の西友、という三つどもえの闘いが鮮明になりつつある。
特にイオンとセブン&アイは互いの得意なフィールドが異なることから、業態をまたいだ熾烈な陣取り合戦が展開されてきた。
セブンはコンビニで足固め次はウォルマートの一手
ともに「ジャスコ」「イトーヨーカ堂」というGMS(総合スーパー)を抱えるものの、イオンは郊外にGMSを核とした大規模なSCを展開。
片やセブン&アイは連結営業利益の7割前後を占める、コンビニエンスストアのセブン‐イレブン・ジャパンが中核だ。
昨年末、百貨店のミレニアムリテイリングとの経営統合を発表したが、主軸があくまでセブン‐イレブンである実態は変わらない。
コンビニ内のATMを活用したセブン銀行も、前期ヨーカ堂の利益を上回る高収益ぶりだ。
実はこの夏、イオンが「コンビニ業界2位のローソンを買収する」とのうわさが市場を駆け巡っていた。
だが現在に至ってもイオンは全面否定。
イオン首脳も「うわさについてはノーコメントでなく、ノーだ」と断言する。
すでに国内の市場が成熟化、既存店売上高がマイナスを続けるコンビニなど、イオンにとってもはや視界にないということか。
いずれにしても拡大意欲旺盛なイオンからは今後も目が離せない。
さらに見逃してはならないのが、「第3の極」である西友、いやウォルマートだ。
というのもウォルマートは今07年1月期中に、ドイツと韓国からの撤退を発表。
本国の米国市場でもカゲリが見られる中、ワールドワイドでの経営資源の再配分を迫られている最中だからである。
ウォルマートの日本戦略については目下、見方が真っ二つに分かれている。
一つは西友が5期連続の最終赤字で、今06年12月期も第3四半期(1?9月)まで営業赤字と投資効果がまったくないことから、「日本からも撤退してアジアで最も重要な中国市場に乗り換える」というもの。
もう一つは独・韓撤退で資金が浮くことから、逆に「日本への投資をさらに加速する」というものだ。
前者については「日本には今後も経営資源を投入する」と、ウォルマートのリー・スコットCEOが投資家向け説明会で表明したばかりで、当面は否定的だ。
ただ後者については現実味もある。
実際にダイエー株をめぐっては、丸紅に対してイオンとウォルマートの両社が提案、競合した。
結果的にイオンに軍配が上がったが、選に漏れたウォルマートが、次のM&Aに動くのではないかとの観測が早くも出始めている。
売上高3133億ドルと圧倒的な売上高を誇るウォルマートは、商品調達におけるメーカーへの発言力も絶大で、スケールメリットの優位性を誰よりもよく知っている。
裏を返せば、日本でウォルマートモデルを実現するには、さらなるスケールメリットが必要。
現状打破のために、次のM&Aに動く可能性は十分にある。
ウォルマートの時価総額は2054億ドル。
イオン178億ドル、セブン&アイの434億ドルと比べても4倍もの格差がある。
ただ日本の消費者は商品や鮮度へのこだわりが強く、画一的な品ぞろえでは通用しない。
「流通業界で量を求めても、マスデメリットになるだけ」(鈴木敏文セブン&アイ会長)。
量をひたすらに求めたダイエーの経営危機が、それを裏付けている。
シェア拡大とともに、質の向上を両立できるか。
少子高齢化、人口減など取り巻く環境は大きく変化する。
日本の流通業界は、3極を軸に新たな局面を迎えている。
09 日用品
圧倒的に日本企業は小粒 オーナー系中堅企業が焦点
トイレタリー・化粧品業界のグローバルな再編をリードしているのは、この分野で世界最大の企業であるP&Gだ。
2001年以降、同社の売上高は平均で年12%という高い伸びを続けてきた。
その原動力が、ウエラやジレットなどに対するM&Aだ。
P&Gでは年間売上高が10億ドルを超えるブランドを主力ブランドと位置づけているが、昨年に570億ドルを投じたジレットの買収などで、今やその数は22に上る。
同社のA・G・ラフレー会長は引き続き高成長路線を歩むことを宣言しており、さらなる大型M&Aもありうる。
巨人P&Gに比べればいかにも小粒だが、日本勢では今年、花王がカネボウ化粧品を買収した。
業界シェア4位だった花王の化粧品事業は、業界2位のカネボウ化粧品と一緒になったことで、最大手・資生堂との距離を一気に縮めた。
とはいうものの、花王の07年3月期の予想連結売上高は1・2兆円にすぎない。
P&Gやユニリーバといった巨大企業との格差は一目瞭然だ。
専門特化した中堅クラスに妙味
日本勢も、グローバル企業からの買収の脅威は承知している。
今年6月の株主総会で、資生堂とライオンはそれぞれ買収防衛策を導入した。
ただ、買収防衛策は万能ではなく、これで安心とは言い切れない。
ある外資系メーカーの日本法人社長は、「花王のテクノロジーは確かに魅力的だが、花王は丸ごと買収するには事業範囲が広すぎる」とみる。
買収するには、事業範囲がより集中している中堅クラスのほうが妙味があるわけだ。
不織布事業に強みを持つユニ・チャームや、国内高級化粧品に強みを持つコーセーなど、魅力的な企業もある。
特にオーナーの代替わり期は要注目だ。
日本市場は消費者の好みが独特で、グローバルブランドがそのまま通用するわけではない。
それだけに、消費者になじみの深い国内ブランドを買収するのは外資にとってシェア向上の近道だ。
そうした海外勢の買収攻勢に対抗するために国内企業同士で合併するということもありうる。
日本市場の争奪戦が厳しさを増す中、再編は避けられない課題だ。
10 食品
明星食品へのTOBが業界再編の引き金に?
またもや投資ファンドが動き出した。
かつてユシロ化学工業やソトーの公開買い付け(TOB)で名をはせたスティール・パートナーズ・ジャパン(SPJ)。
今回仕掛けたのは即席麺メーカー、明星食品だ。
実は、SPJは明星食品以外にも食品株を多数保有している(表参照)。
その中には、日清食品や江崎グリコなど老舗メーカーが名を連ねる。
食品市場は少子高齢化で頭打ちが続いており、今後も急拡大は期待できない分野。
SPJの明星食品の株取得の狙いが見えない中、食品メーカーは戦々恐々とその動きを注視している状況だ。
とはいえ、株価が割安のまま放置されれば、投資ファンドに狙われたり、M&Aの対象になりかねない。
今回のSPJのTOBがきっかけとなり、老舗食品メーカーの再編劇が起こる可能性もある。
積極的なM&Aに打って出る大手も
日本たばこ産業(JT)は、1999年にRJRナビスコ社の海外たばこ事業を9400億円で買収したのを機に、たばこ事業で世界3位にまで成長した。
今年5月に就任した木村宏社長は海外たばこ事業の出身で、引き続きM&Aに意欲を見せる。
国内でも食品事業のM&Aを志向しており、過去にはサッポロビールの買収案件が持ち込まれたこともあるほど。
現在は冷凍食品大手の加ト吉の株式を5%保有して技術交流を進めており、今後も買い増すかどうか要注目だ。
冷食以外でも潤沢な手元資金を元手に、食品メーカーの買収に乗り出す可能性もある。
味の素も今年1月、仏ダノン子会社のアモイ・フード・グループを270億円で買収した。
香港、北米、欧州で冷凍食品や中国しょうゆなどの調味料を展開する同社を買収することで、海外展開に弾みをつけるのが狙いだ。
国内でも、スパイス大手のギャバンや飲料大手カルピスを子会社化した。
山口範雄社長は「M&Aで時間を買うことができる」と引き続き積極的な姿勢を見せる。
ヤクルト本社は、筆頭株主の仏ダノンと一緒になって海外展開を進めている。
今年は共同出資でインドとベトナムに現地法人を設立、ヤクルト販売を展開中だ。
ダノンがヤクルトの株式を現在の20%からさらに買い増すかどうかは不透明だが、海外事業が軌道に乗ってくれば、協業体制の強化に乗り出すかもしれない。
再編の行方並みに注目されているのがビールのシェア競争だ。
キリンビールは今年1?6月のビール系飲料の出荷数量で、アサヒビールを抜いて2000年以来のシェアトップに返り咲いた。
起爆剤となったのが、05年4月に発売した第3のビール「のどごし〈生〉」。
対するアサヒは大型新製品を次々と投入して、通期トップシェアを維持する構えで、両社の火花が散っている。
07年にかけても、キリンはビールの大型新製品の投入を計画している。
アサヒも「スーパードライ」発売20周年キャンペーンを展開する予定。
トップシェアをめぐる激しい販売競争が繰り広げられそうだ。
11 建設
「脱談合」が再編後押し 準大手以下は整理淘汰も
建設業は世界的にも国内事業中心。
世界のトップ集団は海外展開を加速させるが、日本企業はその後塵を拝しているのが現状だ。
主戦場の国内市場では、バブル崩壊ショックも乗り越え、業界再編が進まなかった。
主要企業は負債を抱えつつも合併・再編を回避し、全国許可業者数(2005年度で54万2000業者)はピーク時から約1割減少した程度にすぎない。
だが、ここに来て事業環境が激変した。
大手から地方有力ゼネコンまで、談合によりまんべんなく業者を潤していく。
この「共存共栄」の仕組みが、崩壊しつつあるのだ。
日本道路公団(当時)橋梁談合、防衛施設庁談合、さらに福島、和歌山と、多くの談合が摘発された。
今年1月には、課徴金算定率の引き上げや「密告」業者への課徴金減免など、談合規制を強めた改正独占禁止法も施行された。
談合規制強化の流れは、スーパーゼネコンを「脱談合」へと導く。
昨年末に最大手4社は談合決別を確認し合うと、営業担当者を全国規模で異動。
さらに最大手の一部では、公共工事入札で極端に低い価格で落札する「低価格入札」を仕掛け始めた。
国土交通省の直轄工事など公共事業の落札率(入札予定価格に対する実際の落札額比率)は、平均9割超だった。
が、今年に入りダムや道路工事で落札率が5割前後まで下がるものが続出している。
国交省など政府の入札制度改革も進んでいる。
一定の資格があれば誰でも入札に参加できる一般競争入札制度が拡大され、価格以外の技術や実績などを落札評価に加える総合評価方式入札も増えつつある。
ここで有利になるのは、企業規模や人材・技術・財務など総合力に勝るスーパーゼネコンだ。
最大手4社が大手50社に占めるシェアはじわじわと上昇しており、現在は合計5割程度。
談合秩序崩壊後の「仁義なき戦い」に向け、最大手と準大手間でさえ格差が生じ始めている。
安倍晋三内閣は、来年の参院選などへの配慮から、地方建設業者への支援を強めると見る向きも多い。
だが、全国に公共事業をバラまく「多極分散型国土」の夢は、もはや過去のものだ。
07年以降、建設業界も「優勝劣敗」が鮮明になっていく。
12 銀行
メガは海外へ再展開 国内は地銀再編が焦点
シティコープとトラベラーズ(1998年)、バンカメリカとネーションズ(同)の合併、ドイツ銀行によるバンカース・トラストの買収(同)など、前世紀末に欧米で相次いだ巨大金融機関同士の合併・再編劇。
世界的な金融コングロマリット化が叫ばれ、不良債権処理に追われた大手邦銀も3グループに集約された。
3グループは今年に入って公的資金をそれぞれ完済し、いったん撤退した海外に再展開するなど、攻めの姿勢に転じつつある。
公的資金完済で経営の自由度を得た各グループは、ニューヨーク証券取引所への上場(みずほフィナンシャルグループが11月8日に予定)や、米国で金融持ち株会社の設立(メガ3グループ)の検討を始めている。
たとえば、三菱UFJフィナンシャル・グループ。
6月に中国4大商業銀行の一つである中国銀行への出資を決め、リテール強化の一環としてアコムと協働してインドネシアの銀行への出資交渉も開始するなど、アジア戦略を強化している。
一方、みずほFG傘下のみずほコーポレート銀行も、9月に韓国の韓国産業銀行や新韓金融グループと提携したほか、10月にみちのく銀行からロシア現地法人を買い取るなど、アジアやBRICs進出の足掛かりを築きつつある。
今後は成長著しいアジアを軸に、日系企業以外の取引をいかに拡大できるかが焦点だ。
一方、国内においてはリテール強化が最優先課題。
各グループとも消費者金融会社と資本提携(三菱UFJFGとアコム、三井住友FGとプロミス)したり、グループ傘下のカード会社を再編するなど、リテール部門の強化を図っている。
「欧州系の商業銀行は国内の厚いリテールを基盤に、グローバルでは投資銀行業務に打って出ている。
米国では預金集めのために支店を積極的に開設するなど、邦銀と逆に支店ネットワークの拡大が流れとなっている」(野村資本市場研究所の大崎貞和研究主幹)。
今後は、国内リテール戦略の巧拙がメガグループの明暗を分けそうだ。
九州先行の地銀再編 関東・東北へ飛び火も
メガグループの再編は一服し、国内において当面の焦点となるのは地域金融機関の再編だ。
メガバンクと対照的に、地域金融機関の不良債権処理は遅れている。
西日本シティ銀行(福岡県)と豊和銀行(大分県)、福岡銀行と九州親和ホールディングス(長崎県)など、不良債権処理で自己資本が脆弱になった金融機関を軸に、九州地域を中心に県境を越えた再編が起き始めている。
今後は1県当たりの地銀の数が多い関東や東北地方に、再編の動きが飛び火する可能性がある。
約3兆円の公的資金が注入された、りそなホールディングス、2003年に一時国有化された足利銀行の出口戦略の行方も注目を要する。
11月に入って、受け皿機関の公募要領が公表された足利銀行については、関東地区の地銀連合などが名乗りを上げているとされる。
一方、公的資金のリファイナンスを模索中のりそなには、外資系金融機関などが出資を検討しているようだ。
新たなスポンサー次第では、金融勢力図が塗り替わる可能性も小さくない。
マイクロソフトが新ソフト展示会――ビスタ、オフィス2007。
遠藤泰男 2006/11/16
ビスタ、情報保護機能を強化
オフィス2007、凝った書類短時間で
上級副社長、「使い勝手飛躍的に向上」
マイクロソフト日本法人は十五日、東京都内で協力企業五十社を集めた新製品展示会(十六日まで)を開催した。
今月二十日に企業向けに発売する新基本ソフト「ウィンドウズ・ビスタ」や統合業務ソフト「オフィス2007」が展示の目玉だ。
協力企業各社も「ビスタ」を使ったシステムを参考出品。
発売に向けて熱気が高まってきた。
来日した米マイクロソフトでウィンドウズ事業を担当するスティーブン・シノフスキー上級副社長は日本経済新聞社のインタビューに応じ、現行の「ウィンドウズXP」に比べ大幅に強化されたセキュリティー対策機能について「この点だけでも企業がXPから乗り換えるだけの魅力がある。
予想以上に早いペースで交代が進む可能性がある」との期待を示した。
ビスタには専用のUSBキーがないと、ハードディスク駆動装置を取り外しても読み取れない暗号化機能「ビットロッカー」や、無線通信で自動的に最適な情報保護手段を選ぶ機能などがOS(基本ソフト)に組み込まれている。
パソコンに記録された情報を利用者が気づかないうちに盗み出す「スパイウエア」対策ソフト「ディフェンダー」もあらかじめ搭載している。
午前中の基調講演でシノフスキー氏はセキュリティー機能以外に操作方法(ユーザーインターフェース)や他のパソコンとの連携作業機能、管理コストの削減効果などを「ビスタ」の特徴として挙げた。
3D(三次元)画像や画質の高い画像を多用したユーザーインターフェースについてシノフスキー氏は「変わったのは単に見た目だけではない。
使い勝手が飛躍的に向上している。
XPの操作に慣れた人でも乗り換える価値がある」と述べた。
「オフィス2007」の一部である表計算ソフト「エクセル」やプレゼンテーションソフト「パワーポイント」については「従来数時間かけて作成していた高度で凝った美しい書類を、短時間で作成できるようになる。
分や秒ではなく時間単位で生産性を引き上げられる」と自信を見せた。
会場には約百台のパソコンを用意、「ビスタ」と「オフィス2007」を来場者に体験してもらうコーナーを設けた。
またNECや富士通など国内パソコンメーカーもビスタ搭載パソコンを参考出品した。
富士ゼロックスは「ビスタ」「オフィス」とマイクロソフトのサーバー用ソフト「シェアポイント」と連動し、権限に応じて印刷やコピーを制限する新しい複合機を展示した。
シノフスキー氏は「ビスタ」搭載の検索機能について、パソコンの奥深くにしまわれたままになっているファイルを見つけたり、電子メールに添付されたファイルの内容から検索したりできるなど「高度な内容になった」と説明。
「他のソフト開発会社が検索機能を活用した新しいソフトを開発することに期待している」とした。
懸念されている新OSと企業内で使われている専用の業務ソフトとの互換性については、大企業では「半年から一年くらいは試験的に利用しながら様子を見るだろう」とした。
ただ「移行するための支援ソフトも用意しており、XPとの互換性も高い。
余り心配していない」と語った。
サービスウェア、IT支援、マイクロソフトと協業――中堅中小企業向け。
遠藤泰男 2006/11/15
CSKホールディングス子会社のサービスウェア・コーポレーション(東京・港)は十四日、マイクロソフト(MS)日本法人と協業し、中堅中小企業向けIT(情報技術)支援サービスを始めると発表した。
中堅・中小企業のIT管理者を対象に、MS製品の活用方法や問題発生時の解決策について無制限で相談を受ける。
利用企業はIT製品の高機能化に、人的支援により対応できる。
IT支援サービス「テクニカルコンシェルジュサービス」を十五日に始める。
利用企業一社に対し三人まで登録でき、登録者はフリーダイヤルで問い合わせができる。
基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」や文書・表計算作成ソフト「オフィス」などMS製ソフトについての問い合わせに対応する。
対象企業は中堅・中小企業のほか、新製品のOS「ウィンドウズ・ビスタ」や「オフィス2007」購入企業も含まれる。
価格は年間契約で五十万円。
OSビスタ発売、2007年1月30日に/マイクロソフト日本法人/マイク
遠藤泰男 2006/11/10
OSビスタ発売、2007年1月30日に/マイクロソフト日本法人
マイクロソフト(MS)日本法人は9日、パソコンの基本ソフト(OS)
「ウィンドウズ・ビスタ」日本語版を、来年1月30日に個人向け店頭販売を始めると発表した。
ウィンドウズOSの全面改良は約5年ぶり。
同社は全世界で、計18カ国語版を同日発売する予定。
想定小売価格は「ホーム・プレミアム」が2万9800円で、「XP」からのアップグレードは1万9800円。
ビスタ来年1月30日発売
遠藤泰男 2006/11/10
ビスタ来年1月30日発売
米マイクロソフトは八日、基本ソフト(OS)の新製品「ウィンドウズ・ビスタ」を一般向けに来年一月三十日から発売すると発表した。
ビスタは「ウィンドウズXP」の後継。
当初は今年の年末商戦に合わせて投入する計画だったが延期となり、同社はこれまで来年一月中に発売すると公表していた。
「ウィンドウズ・ビスタ」完成 米マイクロソフト
遠藤泰男 2006/11/10
米マイクロソフト幹部は8日記者会見し、5年ぶりの全面刷新となるパソコン向け新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の開発がすべて完了したと発表した。
事前の計画通り、11月30日前後に企業向け出荷を始め、来年1月30日に消費者向け店頭販売を始める。
ビスタは、日本語を含む5カ国語版が既に完成し、来年初めまでに18カ国語を用意する。
最終的には100カ国語版を提供するという。
ウィンドウズは、世界のパソコンの90%以上に搭載されている。
同幹部は「ビスタは間違いなく、マイクロソフトがこれまでに発表した中で最も信頼性が高いシステムだ」と強調した。
米調査会社IDCは、ビスタは発売後1年間に1億台以上のパソコンに搭載されると予想する。
ビスタの日本国内の想定価格は、家庭用「ホーム・プレミアム」が2万9800円、「XP」からのアップグレートだと1万9800円。
DJ?マイクロソフト、消費者向け「ビスタ」を来年1月30日発売
遠藤泰男 2006/11/09
ニューヨーク(ダウ・ジョーンズ)米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)は8日、新しい基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の消費者向け製品を来年1月30日に発売すると発表した。
ビスタ発売に向け指揮をとってきた、プラットホーム・アンド・サービス部門の共同社長、ジム・オールチン氏は同日の電話会見で「ビスタをパソコンメーカー向けに出荷する用意が整った」と述べた。
今年末にマイクロソフトを去る予定のオールチン氏は「今日は良い日になった。
非常にうれしい」と話した。
企業向けビスタは、今月30日にニューヨークのイベントで発売することになっている。
同氏は、企業のユーザーはビスタ導入に際し入念なテストが必要になるとみている。
セキュリティー機能のため、ビスタのインストールに手間取ると考えられるが、「従来以上に、新たなOSをインストールする意義がある」と述べた。
同氏は、消費者からのビスタの需要は「非常に強い」とみている。
また、「1月30日までには、ビスタを搭載していないパソコン新製品はほとんどなくなるだろう」と指摘した。
また、質疑応答でオールチン氏は「ビスタにはセキュリティーの問題が起きるだろうが、私の考えでは、現在入手できるOSのなかで、またわれわれがこれまでに出荷したOSのなかで、最も信頼できるものだ」と述べた。
マイクロソフトCEOバルマー氏に聞く、ビスタ、1月30日出荷。
遠藤泰男 2006/11/07
「セル」対応は未検討
米マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は六日、日本経済新聞社のインタビューに応じ、発売を延期してきた主力OS(基本ソフト)「ウィンドウズ・ビスタ」について「一月三十日に出荷する」と、初めて具体的な日程に言及した。
出荷時期は「最終的にはパソコンメーカーが決める」としながらも「ビスタは最終チェックを経て今後一―二週間で完成する」と言明した。
一方、ソニー・東芝・米IBMが共同開発した新型CPU(中央演算処理装置)「セル」を搭載した機種をパソコンメーカーが開発するとの見方が広がっていることについて、「パソコン用ウィンドウズをセルに対応させる検討は現在はしていない」と述べた。
二日に発表した米ソフト大手ノベルとのOSに関する提携については「ソフトの知的財産権問題で大きな前進」と述べた。
これまで競合関係にあった無償OS「リナックス」の開発元で製品も提供しているノベルがマイクロソフトに特許使用料を支払うことに合意したためで、今後他の企業もノベルに追随するとの見方を示した。
バルマーCEOは今回の合意で「(リナックス陣営との)感情的な対立は終わった」と述べるとともに、「自社製品と(リナックスのように設計図が公開されている)オープンソースソフトの懸け橋になる合意だ」と強調した。
インタビューに先立つ記者会見でマイクロソフト日本法人は、中小企業のIT(情報技術)普及支援策について発表。
自治体などと連携し、二〇〇七年末までに全国二百カ所で無料の講習会を開くほか、ネット上で中小企業のIT活用についての質問に答える無償サービスも始める。
バルマーCEOは「日本企業の九八%は中小企業だが、パソコン導入率は米国の半分程度。
ITの活用で中小企業はもっと活性化する」との考えを述べた。
中小はIT投資拡大を、マイクロソフトCEOが会見――国内に4支店新設。
遠藤泰男 2006/11/07
米マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は六日、東京都内で会見し、日本の中小企業のIT(情報技術)活用を支援する事業「全国IT推進計画2007」を始めると発表した。
同事業を進めるため、支店を新設するなど「日本市場に対して積極的に投資を進める」方針を示すなど、米本社トップ自ら、日本での需要拡大に奔走する姿を見せた。
バルマーCEOは会見の中で「日本の中小企業のコンピューター化は米国に比べて半分程度の段階にとどまっている」と述べた。
中小企業の多くが依然、大企業との系列取引を中心にしている日本では「大企業と中小企業との間に情報格差(デジタルデバイト)が生じている」と分析した。
その上で「中小企業が効率よく経営を進めるにはIT投資を拡大することが必要だ」と、マイクロソフトの事業を採用するよう訴えた。
具体的な事業の強化策として、国内支店数の拡大を急ぐ。
当初は二〇〇七年中に群馬県高崎市、金沢市、高松市の三カ所に支店を新設する予定だったが、今回新たに那覇市にも設置することを決めた。
日本法人の支店数は来年末には十一カ所になる。
また今年十二月から一年間、全国の市町村で中小企業向けIT活用セミナーも開催する。
専用バスを用意して、四十七都道府県で計二百カ所を巡回する。
今月末には地方自治体や中小企業支援団体を対象に、地域ビジネスを紹介するインターネットサイトを簡単に開設できるASP(ソフトの期間貸し)サービスも始める。
中小企業向けの支援事業には、この活動を通じて、次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の拡販につなげようという狙いも見え隠れする。
バルマーCEOはビスタの発売時期について、「来年一月三十日に発売する」と具体的な日程について言明。
「ビスタはウィンドウズの中でも最も使い勝手が良く、安全性も高めてある」と盛んにPRしていたが、日本の大企業のIT投資は今後鈍化するとの予測が調査会社などで出ている。
それだけに、販売拡大には中小企業の需要掘り起こしが欠かせないとの思いがあるようだ。
「ウィンドウズ・ビスタ」の発売日、1月30日に決定/米マイクロソフト
遠藤泰男 2006/11/07
米マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は6日、パソコン用の次世代基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の発売日が2007年1月30日になることを明らかにした。
東京都内で開かれた事業者向け講演会の席上で語った。
ビスタは、現行OS「ウィンドウズXP」の後継ソフトで、同社はこれまで発売を来年1月中としていた。
マイクロソフト 「ウィンドウズ・ビスタ」1月30日に発売
遠藤泰男 2006/11/07
来日した米マイクロソフト(MS)のスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は6日、5年ぶりに投入するパソコン向けの新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」について、「(一般向けは)1月30日には必ず発売する」と述べた。
ビスタの具体的な発売日が明らかになったのは初めて。
MS日本法人が同日、都内で開いたフォーラムの中で、国内パソコンメーカーの「1月発売という日程は守ってほしい」という注文に答えた。
これに先だって開かれた記者会見で、バルマーCEOは「ウィンドウズXP以降の仕様変更は極めて困難な作業だった」と説明。
ただし、「今後は5年間も(新OS発売の)間隔をあけるようなことは2度とやらない」と強調した。
一方、MS日本法人はこの日、5年前から展開している日本国内での中小企業向けIT(情報技術)支援策に関連して、今後1年程度で現在の7支店を11支店に増設するなどのテコ入れ策を発表。
バルマーCEOらは、「日本は米国と比べ中小企業のIT化が進んでいない」と指摘し、支援策に数千万ドルを追加投資する考えを示した。
中小企業のIT化支援*マイクロソフト*日本で「地域密着」
遠藤泰男 2006/11/07
米マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)=写真=は六日、東京都内で記者会見し、情報技術(IT)の活用が遅れている日本の中小企業の支援策を発表した。
全国二百カ所で経営にITを生かす無料講習会を開くほか、二○○七年末までに四支店を新たに開設。
自治体とも協力して地域密着の活動を強化する。
バルマー氏は「日本への投資を拡大し地域活性化のお手伝いをしたい」と語った。
同社が発表した支援策「全国IT推進計画2007」によると、○七年二月以降、北関東支店(群馬県高崎市)などを開設。
国内支店を十一カ所に増やす。
無料講習会は富士通など十六社と協力し、四十七都道府県で開く。
来年一月に発売予定の新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の経営への利用方法などを説明する。
中小企業のIT支援/マイクロソフト 国内支店増設へ
遠藤泰男 2006/11/07
米マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は六日、都内で記者会見し、情報技術(IT)の活用が遅れている日本の中小企業の支援策を発表した。
全国二百カ所で経営にITを生かすための無料講習会を開くほか、二〇〇七年末までに四支店を新たに開設。
地方自治体とも協力して地域密着型の活動を強化する。
バルマー氏は「中小企業は経営にITを十分に活用していない。
日本への投資を拡大し地域活性化のお手伝いをしたい」と語った。
マイクロソフトが発表した支援策「全国IT推進計画2007」によると、〇七年二月に北関東支店(群馬県高崎市)、同六月に北陸支店(金沢市)と四国支店(高松市)、同十二月に沖縄支店(那覇市)を開設。
国内支店を十一カ所に増やす。
中小企業の経営課題を解決するための専用サイトもオンライン上に開く。
無料講習会は富士通、松下電器産業など十六社と協力し、四十七都道府県で開く。
来年一月に発売予定の新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の経営への利用方法などを説明する。
米MSのCEO 『ビスタ』PR 『グーグルに負けない』 中小企業IT化にも力
遠藤泰男 2006/11/07
来日している米マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は六日、都内で協賛企業向け講演会などのイベントに出席し、来年一月にも発売される新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」をPRするとともに、自社の検索技術に触れて「グーグルに十分、対抗できる」と力説した。
ビスタの"売り"の一つは、パソコン内の検索技術を大幅に改善した「ウィンドウズ・サーチ」。
バルマー氏は「マイクロソフトはインターネット検索のほか、PC内検索サーバーを経由した組織内の情報検索も展開している」と紹介。
ネット上の検索サービスを手がかりに急成長している米グーグルについて、「確かに強いが、(ノウハウがあるのは)インターネット検索だけだ。
われわれは十分、対抗できる」と対抗心をあらわにした。
このほか、バルマー氏は「日本の経済規模は米国の半分ぐらいだが、パソコンの普及率は三分の一程度にとどまっている。
特にIT(情報技術)化が遅れている中小企業を中心に、大きな投資が必要だ」として、中小企業のIT導入などを支援する「全国IT推進計画」を発表した。
ビスタの発売時期は、公式には「来年初め」とされているが、バルマー氏はPCメーカーとの意見交換会で「来年一月末までには必ず販売できるようにする」と約束した。
◎中小企業のIT活用を支援 マイクロソフト 全国で無料講習会
遠藤泰男 2006/11/07
米マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は六日、都内で記者会見し、情報技術(IT)の活用が遅れている日本の中小企業の支援策を発表した。
全国二百カ所で経営にITを生かすための無料講習会を開くほか、二〇〇七年末までに四支店を新たに開設。
地方自治体とも協力して地域密着型の活動を強化する。
バルマー氏は「中小企業は経営にITを十分に活用していない。
日本への投資を拡大し地域活性化のお手伝いをしたい」と語った。
マイクロソフトが発表した支援策「全国IT推進計画2007」によると、〇七年二月に北関東支店(群馬県高崎市)、同六月に北陸支店(金沢市)と四国支店(高松市)、同十二月に沖縄支店(那覇市)を開設。
国内支店を十一カ所に増やす。
中小企業の経営課題を解決するための専用サイトもオンライン上に開く。
無料講習会は富士通、松下電器産業など十六社と協力し、四十七都道府県で開く。
来年一月に発売予定の新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の経営への利用方法などを説明する。
MSのバルマーCEO、パソコン8社と「ビスタ」発売日を確約
遠藤泰男 2006/11/07
スティーブ・バルマーCEOは同日、国産パソコンメーカー8社の代表らと会合を開き、マイクロソフトへの要望やパソコン需要の展望などについて意見交換した。
冒頭、バルマーCEOは「パソコンは情報産業のハブであり、役割はますます重要になってくる」と強調。
次期基本ソフト(OS)「ビスタ」については「最もワクワクする製品だ」と今後への期待感を示した。
各社からは地上デジタル放送への対応をはじめ、パソコンとテレビの融合化に向けた新たな協業のあり方などを求める声が相次いだ。
「ビスタの発売日をぜひ守ってほしい」との注文に対しては「(公表している07年)1月30日は大丈夫。
必ず守る」と即答。
8社の首脳らに改めて確約した。
「ウィンドウズ・ビスタ」1月30日発売 マイクロソフトCEOが明言
遠藤泰男 2006/11/07
米マイクロソフトのパソコン向け最新OS(基本ソフト)「ウィンドウズ・ビスタ」の発売日が、来年1月30日に決まった。
これは来日した同社のスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)が6日、東京都千代田区のホテルニューオータニで行われた国内パソコンメーカーとのフォーラムで明らかにした。
「ビスタ」の発売日を同社経営陣が明言したのはこれが初めて。
ビスタは当初、年内発売が予定されていた。
しかし、発売が来年に延期され、年末商戦の目玉としていたパソコンメーカー各社の期待は空振りに終わっている。
発売日が決まったことで、パソコンメーカーのビスタ商戦がようやく幕を開ける。
バルマーCEOは、フォーラムで「1月30日には皆様を喜ばせることになる」と述べ、ビスタ発売日を表明した。
これに合わせて、文書作成や表計算などの統合ソフト「オフィス」の最新製品も発売される。
ビスタは、マイクロソフトが「『ウィンドウズ95』以来の大型商品」(日本法人役員)と意気込む戦略商品。
立体的な画面表示や高セキュリティー性といった最新技術に加え、音楽や動画などのコンテンツ(情報の内容)をリモコンで楽しむ機能を盛り込んでおり、同社のデジタル家電市場開拓の切り札となる。
価格は廉価版が2万5800円などとすでに発表されていたが、明確な発売日が示されていなかったため、年末商戦でのパソコン買い控えが懸念されていた。
発売日が決まったことでビスタ搭載パソコンの販売合戦が本格化するのは確実で、IT(情報技術)関連の調査会社、ガートナー・ジャパンの蒔田佳苗・主席アナリストは「来年1?6月のパソコン販売は上向く」と予想している。
ビスタの高度な機能を利用するには、高性能の最新型パソコンが必要となる。
このため、インターネットや電子メールなどの利用にとどまる多くの一般ユーザーが、ビスタを購入してOSを更新するかどうかは未知数。
蒔田氏は「マイクロソフト側の一層のPRが必要」と指摘している。
1月30日にビスタ発売 ウィンドウズ
遠藤泰男 2006/11/06
米マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者は6日、個人向けの次世代基本ソフト「ウィンドウズ・ビスタ」の発売日が来年1月30日になると明らかにした。
東京都内で開かれた国内パソコンメーカー幹部との会議の席上で語った。
ビスタは現行の「ウィンドウズXP」の後継ソフト。
マイクロソフト――「新成長エンジン」点火せず(米IT企業決算から)
遠藤泰男 2006/10/30
ネット・娯楽部門、営業赤字
OS依存脱せず
米マイクロソフトが二十六日に発表した七―九月期決算は、今後の成長をけん引する事業と期待をかけるインターネット、娯楽部門が振るわなかった。
依然、基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」など一部の製品に収益を依存する構造から抜け出せない姿が鮮明だ。
新技術や製品の投入で巻き返しを急ぐが、先行するライバルの背中は遠い。
「非常にいい形で新年度のスタートが切れた」。
クリス・リデル最高財務責任者(CFO)は同日の電話会見で、同社にとっては二〇〇七年度の第一・四半期となる七―九月期の業績を自賛した。
売上高は前年同期比一一%増の百八億千百万ドル、営業利益は一一%増の四十四億七千四百万ドル。
企業が基幹業務やデータ管理に使うソフトの販売が好調でサーバー部門が一七%の増収、三六%の増益とけん引した。
しかし手放しでは喜べない。
新しい成長エンジンと位置づける分野が収益に貢献していないからだ。
ネット部門は売上高が四%減の五億三千九百万ドル、営業損益は一億三千六百万ドルの赤字だった。
旧来型のネット接続サービスの加入者を他社の高速大容量サービスに奪われ、収入が三〇%減った。
期待していたネット広告の収入も五%増にとどまったのが響く。
娯楽部門は家庭用ゲーム機「Xbox360」の販売増で売上高こそ七〇%増の十億三千万ドルと健闘したが、販促費などがかさみ九千六百万ドルの営業赤字に終わった。
主力のウィンドウズ部門は売上高営業利益率が八〇%という高い収益力を誇り、ネットや娯楽事業の赤字を十分に補う。
マイクロソフトは「娯楽部門も〇八年度には黒字化する」などと説明。
「現在は先行投資期間」との姿勢を示すが、ライバルの先行ぶりをみれば安閑とはしていられない。
ネット分野では、ネット広告で稼ぐグーグルが七―九月期の売上高が七〇%増加。
営業利益は七六%伸びた。
マイクロソフトは広告枠販売に新技術を導入するなどてこ入れに動くが、勢いの差は大きい。
動画共有サイト運営のユーチューブ買収でグーグルに競り負けるなど、広告収入を左右する人気サイトとの関係づくりにも課題を残す。
娯楽では十一月に「Zune(ズーン)」ブランドで携帯音楽プレーヤー、音楽配信市場に参入するが、アップルコンピュータが初代「iPod」を発売してから五年遅れとなる。
Xbox360で次世代ゲーム機の市場投入では先行したが、今後ソニーや任天堂との競争激化は必至だ。
マイクロソフトは一九九〇年代、年三―五割という極めて高いペースの増収が続いたが、二〇〇〇年代に入ると成長率は一〇%台に低下した。
次期OS「ウィンドウズ・ビスタ」や業務ソフト「オフィス」の発売を間近に控え、「顧客に新たな価値を提供できる」(ケビン・ターナー最高執行責任者=COO)と業績への寄与を期待する。
だがパソコン低価格化の流れなどもあり、OSなどに依存したままの成長には限界がある。
ネットや娯楽事業を軌道に乗せるのに手間取れば、「事業の柱が複数あるマルチコア経営で高成長を保つ」というスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)のシナリオも揺らぐ。
マイクロソフト日本法人、「ビスタ」に割安変更――メーカーと組み。
遠藤泰男 2006/10/30
PC買い控え対策
米マイクロソフト日本法人は、次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の発売までにパソコンを購入した顧客が、割安でビスタにバージョン変更できるキャンペーンを開始した。
家電量販店などでビスタの発売待ちとみられる現行機種の販売不振が続いているため。
年末商戦に向けて消費者の買い控えを抑え、スムーズなOS移行につなげたい考えだ。
キャンペーンはパソコンメーカーと共同で実施し、NECや富士通など主要メーカーの大半が加わる。
内容はメーカーごとに異なるが、来年三月十五日までに「ウィンドウズXP」搭載のパソコンを買った顧客がビスタに切り替える際、マイクロソフトの変更価格より四千―五千円程度安くする。
費用分担については明らかにしていないが、割引の差額はメーカー側の負担とみられる。
五年ぶりの新OSとなるビスタはセキュリティーの強化や映像・音楽などの娯楽性能の充実が特徴だ。
だが開発の遅れから発売が来年一月にずれ込み、最大の需要期である年末商戦の冷え込みが懸念されていた。
マイクロソフトにはメーカーや販売店から買い控え対策を求める声が強まっており、発売まで三カ月のタイミングでキャンペーン実施に踏み切った。
メーカーを巻き込んだ大規模販促は初の試みだ。
二十六日の会見でマイクロソフトのジェイ・ジェイミソン本部長は「年内に販売するパソコンの価値を高める非常に有効な手段だ」と述べた。
ただ、ビスタへの割安な切り替えがどこまで販売の底上げにつながるかは不透明だ。
大手家電量販店のパソコン担当者は「営業トークの材料にはなるが、どこまで効果があるか分からない」と話す。
「故障などの理由を除けば、いまパソコンを購入する顧客のほとんどが、当面はXPで十分と考えている」ためだ。
メーカー各社は一月のビスタ発売と同時に新機種の投入を計画中。
このため販売店は年末商戦でXP機の在庫を一掃したい考えだ。
だが現時点ではXP機の値崩れを待つ顧客も多く、キャンペーンの効果が上がらなければ大幅な値下げを迫られる可能性もある。
デジタルトレンド2006:PCが居間の主役に? ウィンドウズビスタ、まもなく登場
遠藤泰男 2006/10/30
年明け以降に一般向け発売予定のマイクロソフト(MS)の新OS「ウィンドウズビスタ」が、東京ビッグサイト(東京都江東区)で開かれたパソコン(PC)関連見本市「WPC」のMSブースで初公開された。
同社のウィンドウズビジネスの責任者、ジェイ・ジェイミソン本部長は「ビスタによってリビングでパソコンが中心的な役割を果たす一歩を踏み出した」と語った。
◇リモコン操作で、簡単に/電源のオン・オフは3秒
「ビスタ」は、操作時間の短縮と使いやすさ、安全性、娯楽性の向上などが主な改良点。
標準装備されるメディアセンター機能では、テレビの録画やインターネットの動画配信、音楽ダウンロード、PCに保存している写真の閲覧などをリモコン操作で簡単に利用できる。
家庭用ゲーム機Xbox360とネットワークでつなげば、テレビモニター上でこうした機能を利用できる。
ジェイミソン本部長は「テレビやビデオを見たり、音楽を聴いたりといった、リビングでやりたいことに対応できる」と話した。
ほかに、PC内のメールや文書などのファイルを、文書内のキーワードなどで検索できるなど検索機能も強化された。
ジェイミソン本部長は「オフィス2007との連携も強化され、3秒以内に電源のオン、オフができる『インスタントオン・オフ』なども備えた」とし、利便性の向上も強調。
「リビングや仕事場でのデジタルライフスタイルを支えるのがビスタの最大のポイント。
ぜひ体験してほしい」と話した。
同社では、「ビスタ」の家庭内での普及拡大には、利用者の体験が重要として、WPCの同社ブースで250台以上の体験コーナーを設置、全国のトレーニングスクールでの無料体験会なども開催していく。
「ビスタ」はビジネス向けは11月、一般向けには1月以降に発売される。
MS次世代版OS
遠藤泰男 2006/10/30
◆先行するネット 買い替え進むか
独占的シェアを持ち"社会インフラ"とも言われる米マイクロソフト(MS)製パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ」の次世代版「ビスタ」の発売が、来年1月に決定した。
現行の「XP」登場から約5年、満を持しての発売だが、パソコンやインターネットの利用環境が様変わりする中、MSが期待するような商戦の盛り上がりはあるのか、早くも注目されている。
ビスタは従来のウィンドウズに比べ、個人情報保護などの安全対策が進んだことや、動画や音楽の再生機能が向上して娯楽性が高まった点などが特徴。
ただ、ビスタに盛り込まれる機能の一部が、ネット上ではすでに無料サービスされている。
例えば、パソコン内にある情報を瞬時に見つける検索機能は、米検索エンジン大手のグーグルが「デスクトップ検索」として提供している。
また、MSが圧倒的なシェアを持つインターネットのブラウザ(検索ソフト)も、米モジラのファイヤーフォックスなどがシェアを伸ばす。
こうしたネットサービスは常に最新版に更新され、多くはウィンドウズ以外のOSにも対応。
さらに、市販ソフトのように滑らかな操作を可能にする技術も普及するなど、MSの牙城が崩されつつある。
OSでは、米アップルコンピュータが来春、自社製パソコン「マック」用に新製品投入を予定する。
企業向けでは、無償配布のリナックスのユーザーが増加中だ。
着々とウィンドウズ包囲網が築かれる中、XPからの買い替えは進むか。
ビスタ商戦を機に、MSとネット企業とのせめぎ合いが本格化する。
新OS「ビスタ」商戦始動――マイクロソフト、1月発売を正式発表。
遠藤泰男 2006/10/27
店頭2万5800円―4万8800円
マイクロソフト日本法人は二十六日、パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を来年一月に発売すると発表した。
同社にとって五年ぶりのパソコン用OSで、操作性や利便性を高めた。
NECなどパソコン各社は現行OS「XP」から乗り換える顧客に対する予約受け付けを順次開始。
国内パソコン需要が低迷するなか、各社が期待をかける「ビスタ商戦」が始まる。
個人と企業向けのOS四種の価格を同日公表した。
個人向けの廉価版「ホームベーシック」は二万五千八百円、動画表示や音楽再生機能を強化した「ホームプレミアム」は二万九千八百円。
現行のXPを使っている利用者がビスタに乗り換える場合は、それぞれ一万三千八百円、一万九千八百円で済む。
富士通やソニーなどパソコン各社もビスタの購入予約を二十六日から始めた。
各社のXP搭載パソコンを買った人が、来年一月以降にビスタに乗り換えられるようにする。
各社ともマイクロソフトより四千―五千円安くXPから乗り換えられる期間限定価格を設定。
国内パソコン最大手のNECの場合、マイクロソフトより四千円安い九千八百円で「ホームベーシック」を売る。
ビスタの最大の特徴は「エアロ」と呼ぶ新しい操作画面。
背景が透けて見える半透明のウインドーを多用、画面上で多くのウインドーを開いても下になった書類や図表を見られる。
パソコン内に保存したファイルの検索機能も高め、大量の書類や画像から求めるものを素早く探し出せる。
安全面では、ネット詐欺対策機能を持つ閲覧ソフトを組み込んだ。
パソコン各社は低迷する需要の起爆剤としてビスタに期待している。
日本法人のダレン・ヒューストン社長は同日、「ビスタはXPから大きく変化する。
今後二―三年でXPの搭載率を上回る」と語った。
ただ、ビスタを搭載できるパソコンには高い処理能力が必要で、ビスタが買い替え・買い増し需要を喚起するか不透明な面もある。
マイクロソフトの屋台骨を支えるウィンドウズの新バージョンが思惑通り普及するかどうかは、同社の経営を大きく左右する。
新OS「ビスタ」商戦始動――ビスタへの乗り換えは?(Q&A)
遠藤泰男 2006/10/27
アップグレード版は「XP」必要
ビスタの特徴や導入方法を整理した。
Q ビスタって何?
A マイクロソフトの次期パソコン用基本ソフト(OS)で、開発中は「ロングホーン」と呼ばれた。
OSはパソコンの基本動作をつかさどる中核ソフト。
同社のパソコン用OSとしては二〇〇一年十一月発売の「XP」以来約五年ぶりの製品となる。
Q ビスタに乗り換えるにはどうしたらいいの?
A いくつか方法がある。
現在ウィンドウズを使っていなくても導入できる「通常版」を購入するか、安価な「アップグレード版」を購入するかだ。
後者の場合、現行OS「XP」を組み込んだパソコンを持っているのが前提になる。
ビスタをあらかじめ組み込んだパソコンが来年一月以降に発売されるので、それを買ってもいい。
Q どんなパソコンにも組み込めるの?
A 大手メーカーがここ一―二年発売したパソコンを使っていれば問題ない。
それ以前に発売されたパソコンの場合、メモリーの搭載量やCPU(中央演算処理装置)の動作速度が十分か確認する必要がある。
最低でもメモリーは一ギガ(ギガは十億)バイト、CPU速度は一ギガヘルツが必要だ。
MS日本法人、新商品構成発表、「ビスタ」、「XP」と同価格――PC購入者に特価。
遠藤泰男 2006/10/27
マイクロソフト日本法人は二十六日、来年一月発売予定の次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」と文書作成・表計算ソフト「オフィス2007」の商品構成と価格を発表した。
ビスタは個人向け、法人向け合わせ計四種類を用意した。
発売前にパソコンを購入した人を対象にした特別価格も設定した。
ビスタの個人向けで主力となる「ホームプレミアム」の価格は二万九千八百円。
「現行OS『XP』とほぼ同等の価格設定にした」(同社)。
ホームプレミアムは映像・画像データの管理や、立体表示機能を搭載。
「XP」搭載パソコンがホームプレミアムに更新する場合、一万九千八百円の割引価格で提供する。
セキュリティー機能を搭載した法人向け商品「ビジネス」は三万七千八百円、「ホームプレミアム」と「ビジネス」の両方の機能が盛り込まれた最上位商品「アルティメット」は四万八千八百円。
既存OSから更新する場合、すべての商品で割引価格を適用する。
「オフィス」も個人向け商品「パーソナル」(価格は四万四千八百円)から、ファイル共有ソフトなどを一体化した最上位「アルティメット」(同八万四千八百円)まで四種類そろえた。
ビスタと同様に既存の「オフィス2003」利用者を対象にした割引価格を設定した。
また、パソコンメーカーと協力し、現行OSやオフィスを搭載したパソコン新規購入者を対象に、来年三月十五日まで期間限定の特別価格を設定。
メーカーによって異なるが、個人向けビスタの場合、通常の更新割引価格に比べ四千―五千円程度安い。
富士通、NECなど国内販売する大半のメーカーが実施する。
次期OS「ビスタ」、主力は1万9800円? 米マイクロソフト、1月下旬発売
遠藤泰男 2006/10/27
米マイクロソフトは26日、パソコン用の新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」(日本語版)の販売価格などの概要を発表した。
個人向けの発売時期は来年1月下旬で、主力の個人向けソフト「ホームプレミアム」は通常のパッケージ製品の税抜き参考価格が2万9800円、現行の「ウィンドウズXP」からのアップグレード版が同1万9800円。
=経済面に関係記事
ビスタは、ブロードバンド(高速大容量)通信を使って常にインターネットに接続できるようになった時代に対応した製品。
個人情報を盗もうとするスパイウエアなどを発見・駆除するソフトを内蔵し安全対策を強化。
映像や音楽に利用する人のために編集・管理ソフトも充実させ、娯楽機能も向上させた。
NEC、東芝、ソニーなどパソコン各社は26日から来年3月までの間にXP搭載パソコンを買った人向けに優待価格でビスタを売る。
XP(ホームエディション)からホームプレミアムへの乗り換えは、通常より5千円程度安い1万5千円前後が多い。
個人向け簡易版「ホームベーシック」の参考価格(税抜き)はアップグレード版が1万3800円、通常のパッケージが2万5800円。
ワープロソフト「ワード」や表計算ソフト「エクセル」も刷新する。
「ウィンドウズ・ビスタ」 王国維持狙い、機能満載 XP支援には期限
遠藤泰男 2006/10/27
ソフト業界の王者、米マイクロソフト(MS)が威信をかけて、新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を発売する。
台頭するライバルを意識し、安全対策や娯楽などの機能を満載して「ウィンドウズ王国」を維持しようと狙う。
ただビスタ戦略の一環として、現行OS「ウィンドウズXP」の個人利用者向けのサポート期間を09年1月で終了することには、不便を強いられる利用者から批判の声が高まっている。
ビスタはブロードバンド(高速大容量通信)で常時インターネット接続をする利用を前提として「使いやすさ」「安全」に配慮した。
26日に価格を記者発表した同社日本法人ウィンドウズ本部長のジェイ・ジェイミソン氏は「デジタル生活を大きく変える製品」と誇った。
●立体的に表示
例えば、複数開いたウインドー(画面)を立体的に表示したり、後ろが透けて見えるようにしたりと見やすさを増した。
スタートメニューには検索キーワードの入力欄を置き、パソコン内の情報を素早く検索できる。
誤って消去したデータを復元できる機能も設けた。
個人情報を盗もうとするフィッシングサイトを見つけると、利用者が先に進まないように画面で警告してくれる。
さらに、パソコンで映像を見たり音楽を聴いたりするために、再生・編集ソフトの能力を上げた。
パソコンによってはリモコン操作も可能だ。
ビスタ開発の狙いには、インターネット業界の新しいライバルの攻勢に対抗する意味がある。
パソコンのOSでは圧倒的な世界シェアを握りながらも、多彩な無料ウェブサービスを展開する米グーグル、音楽管理ソフトで勢いを増す米アップルコンピュータなどと競う分野が増えてきたからだ。
事務機器としてだけでなく、娯楽機能の向上にはそんな狙いもある。
●切り替え促す
XPの個人向けソフト「ホームエディション」の機能をインターネットからのダウンロードで向上させるサポート期間が09年1月で終了する。
過去には教育機関などからの要請を受け、「ウィンドウズ98」のサポート期間が当初03年までの予定から2回延長され、今年6月まで延びた例もある。
ただ、「ウィンドウズの新製品投入サイクルには自信がある」と強気なMSは、今回はビスタへの切り替えを促すために、サポート期間の延長は予定していない。
開発の遅れで発売が年内から来年にずれ込んだことで、年末の書き入れ時にビスタ搭載パソコンを投入できないパソコン各社からは、「発売が年内に間に合っていれば......」(大手メーカー)と恨み節も。
割安な価格でXPからビスタに切り替えるキャンペーンで買い控えを防ごうと懸命だ。
大手メーカーの多くはXPの主力「ホームエディション」からビスタの主力「ホームプレミアム」への切り替え価格を税込み1万4800円としたが、送料や雑費の数千円だけで交換するメーカーもある。
ただ現行のパソコンでビスタを十分に使うには1ギガバイトのメモリーが必要などの条件がつく。
利用者にとっては買い替え時期を探る悩ましさが残りそうだ。
米マイクロソフト:ウィンドウズビスタは3万1290円
遠藤泰男 2006/10/27
米マイクロソフトは26日、来年1月に発売するパソコン用の基本ソフト(OS)「ウィンドウズビスタ日本語版」の価格を発表した。
三次元の画面表示や、音楽や動画などの娯楽機能を盛り込んだ主力の「ホーム・プレミアム版」の場合、新規購入価格は店頭想定で3万1290円、現行のウィンドウズXPから更新する場合は同2万790円。
発売日は未定としている。
基本的な機能に絞った「ホーム・ベーシック版」は、新規購入価格で2万7090円、更新価格で1万4490円で、いずれもXP発売時と同価格にした。
ビスタ発売前の買い控え対策として、パソコンメーカー19社と連携し、3月15日までの間、XP搭載機種を購入した場合、安価でビスタに更新できるキャンペーンを始めた。
ウィンドウズ・ビスタ 国内普及版は2万5800円に/マイクロソフト
遠藤泰男 2006/10/27
マイクロソフトは26日、2007年1月に発売を予定しているパソコン用の次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の国内での想定小売価格を発表した。
普及版「ホーム・ベーシック」は2万5800円で、01年11月に発売した現在のOS「ウィンドウズXP」と同額にした。
XPからアップグレードする場合は1万3800円となる。
写真やビデオ、音楽の編集などをしやすくした上位版「ホーム・プレミアム」は2万9800円(アップグレード版1万9800円)、家庭と仕事の両方で使える最上位版「アルティメット」は4万8800円(同3万1800円)とした。
MS、次期OS発売前に優待価格発表 年末商戦逃さず
遠藤泰男 2006/10/27
マイクロソフト(MS)日本法人は26日、約5年ぶりに投入するパソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」について、来年1月の発売前にパソコンを購入する個人ユーザー向けに、優待価格で提供すると発表した。
NECや米デルなど大手メーカーが協力し、来年3月15日までキャンペーン展開する。
優待価格はメーカーにより多少異なるが、NECの場合で家庭向けの「ホームベーシック」が9800円、「ホームプレミアム」は1万4800円。
MSが26日発表した正規の参考価格に比べて3割ほど割安になる。
対象はウィンドウズXPを搭載し、ビスタに切り替えられることを示すシールがはられたパソコンの購入者。
購入後、来年3月末までに各パソコンメーカーのホームページなどで申し込む。
「ビスタ」3割お得 マイクロソフト次期OS 年末PC購入者向け優待価格
遠藤泰男 2006/10/27
マイクロソフト(MS)日本法人は26日、約5年ぶりに投入するパソコン用の次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」について、来年1月の発売前にパソコンを購入する個人ユーザー向けに、同ソフトを優待価格で提供すると発表した。
年末商戦でパソコンの買い控えが広がることを防ぐねらいだ。
NECや日立製作所、米デルなど大手パソコンメーカーがこぞって協力し、26日から来年3月15日まで優待価格のキャンペーンを実施する。
優待価格はメーカーにより多少異なるが、NECの場合で、家庭向けの「ホームベーシック」が9800円、「ホームプレミアム」は1万4800円。
MSが26日発表した正規の参考価格はそれぞれ、1万4490円と2万790円で3割ほど安くなる。
対象は現行OS「ウィンドウズXP」を搭載し、ビスタへの切り替えができることを示したシールがはられたパソコンの購入者。
パソコン購入後、来年3月末までに各パソコンメーカーのホームページなどで申し込むと、ビスタ発売後に同ソフトが届く仕組みだ。
パソコン市場では、ビスタ発売までパソコン購入は見合わせようという「買い控え」の動きが出ている。
富士通の小倉正道副社長も26日の決算発表で「上期は買い控えもあって弱含みだった」としていた。
ウィンドウズ・ビスタ*想定価格2万9800円*マイクロソフト発表
遠藤泰男 2006/10/27
マイクロソフト(MS)日本法人は二十六日、来年一月に発売予定のパソコン新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の想定小売価格を発表。
家庭用の「ホーム・プレミアム」は二万九千八百円で、「XP」からアップグレードする場合は一万九千八百円。
同社はまた、ビスタ発売前にパソコンを購入すれば、優待価格でアップグレードできるキャンペーンを同日から始めた。
当初の見通しよりも発売が遅れたため、これにより年末商戦でパソコンを買い控える動きが広がらないようにする。
期間は来年三月十五日まで。
これを受け、パソコンメーカー各社も二十六日、購入後にウィンドウズXPからビスタにアップグレードする際の優待価格をそれぞれ発表した。
マイクロソフト 「ビスタ」廉価版2万5800円
遠藤泰男 2006/10/27
マイクロソフト日本法人は26日、来年1月に発売予定の最新OS(基本ソフト)、「ウィンドウズ・ビスタ」の製品ラインアップと参考価格を発表した。
消費者向け廉価版のホームベーシックが2万5800円と、前作「XPホーム」と比較しほぼ同じにした。
ビスタは個人消費者向けの「ホームベーシック」、「同プレミアム」、法人向けに「ビジネス」「エンタープライズ」と2製品ずつと、さらにその上位機種として個人向けと法人向けの機能を総合した「アルティメット」を発売する。
焦点となっている発売日の詳細については未決定としたが、企業にライセンス販売するエンタープライズ(11月発売)を除く全商品を来年1月に発売する方針に変更はないという。
またマイクロソフトは、26日から来年3月15日まで、ウィンドウズ・ビスタ搭載可能なパソコンを購入した場合、優待価格でビスタにアップグレードができるキャンペーンを実施すると発表した。
優待価格は各メーカーにより異なるが、事実上、標準的なアップグレード価格の半額程度になる見込み。
マイクロソフトは各社と協力し製品プロモーションを行うことで、「年末商戦でのパソコン需要も喚起できる」(ジェイ・ジェイミソン・ウィンドウズ本部長)としている。
ウィンドウズ・ビスタは検索、セキュリティー機能強化に加え、「エアロ」と呼ばれる立体的な画面表示機能や、消費者向け上位機種にはリモコンで動画や音楽を楽しめる娯楽機能「メディアセンター」を装備した。
パソコンを介した映像配信事業やネット経由の音楽配信サービスが一般化するなか、それらを集めた機器にパソコンを変貌(へんぼう)させることで、生活に不可欠な"家電"としての地位を確立させる狙いがある。
WSJ?マイクロソフト7?9月期は11%増益、サーバーやゲームが好調
遠藤泰男 2006/10/27
ニューヨーク(ウォール・ストリート・ジャーナル)米マイクロソフト(Nasdaq:MSFT)が26日発表した7?9月期(2007年6月期の第1四半期)決算は、売上高、純利益とも前年同期比11%増加した。
サーバー・ソフトの販売が好調だったほか、ゲーム事業も大きく伸びた。
7?9月期の純利益は34億7800万ドル(前年同期は31億4100万ドル)、1株利益は35セント(同29セント)となった。
前年同期の数字には、リアルネットワークス(Nasdaq:RNWK)との和解に関連する費用(1株当たり2セント)が含まれている。
マイクロソフトが示していた見通しは30?32セントだった。
売上高は108億1100万ドル(前年同期は97億4100万ドル)。
同社が示していた見通しレンジ(106億?108億ドル)の上限となった。
調査会社トムソン・ファースト・コールが集計したアナリスト平均予想は1株利益が31セント、売上高は107億5000万ドルだった。
「サーバー&ツール」部門の売上高は前年同期比17%増となった。
「SQLサーバー」などの売り上げが大きく伸びた。
「エンターテインメント&デバイス」部門の売上高は同70%急増した。
家庭用ゲーム機「Xbox 360」の需要がけん引した。
10?12月期については、売上高が118億?124億ドル、1株利益は22?24セントとの見通しを示した。
これには収入の繰り延べによる影響(1株当たり11セント)が含まれる。
マイクロソフトは今週24日、来年1月の次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の個人向け発売を前にパソコンを購入したユーザーに、無料あるいは割引料金でビスタを提供するプログラムを発表したが、これに関連し、約15億ドル相当の収入が10?12月期から来年の1?3月期に繰り延べられるという。
07年6月期通期については、売上高の見通しをこれまでの497億?507億ドルから500億?509億ドルに上方修正した。
1株利益の見通しは1.43?1.47ドルから1.43?1.46ドルに修正した。
クリス・リデル最高財務責任者(CFO)によると、通期の1株利益見通しレンジの上限を引き下げたのは、自社株を買い戻す計画が期待通りに進まなかっためという。
決算はナスダックの取引終了後にされた。
マイクロソフトの通常取引終値は前日比4セント(0.14%)高の28.35ドル。
その後の時間外取引では一段高となっており、28.45ドルで取引されている。
デル、「Windows Vista アップグレードプログラム」など提供開始
遠藤泰男 2006/10/26
アップグレードパスの種類
発表日:遠藤泰男 2006年10月26日
デル、「Microsoft(R) Windows Vista(TM)」と「the 2007 Microsoft Office system」へのアップグレードプログラムを提供開始
デル株式会社(本社:川崎市幸区、代表取締役社長:ジム・メリット、 www.dell.com/jp/ )は、11月1日より、デルのコンシューマ向けデスクトップマシン「Dimension」シリーズおよびノートブック「Inspiron」シリーズにおいて、2007年に発売が予定されているマイクロソフト社の次世代Windows OS「Microsoft(R) Windows Vista(TM)(ビスタ)」へ、優待価格で簡単にアップグレードできる「Windows Vista アップグレードプログラム」と、個人・法人向けクライアント製品において、「the 2007 Microsoft Office system」へのアップグレードを提供すると発表しました。
本プログラムにより、「Windows Vista」、「the 2007 Microsoft Office system」の発売開始を間近に控え、PCを購入するタイミングを迷っているお客様は、安心して最新のPCを購入して頂くことができます。
マイクロソフト、「ビスタ」にクーポン――XP搭載PC購入者に。
遠藤泰男 2006/10/26
米マイクロソフトは二十四日、来年三月半ばまでにパソコンを購入する個人や中小企業を対象に、来年一月に発売する次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を無料または低価格で提供すると発表した。
ビスタ発売を前に、最大の商戦である年末年始にパソコンの買い控えが起きるのを防ぐ。
販促策はデルやヒューレット・パッカード(HP)、東芝など世界の主要パソコンメーカーと協力して実施。
十月二十六日から来年三月十五日までの期間、現行OS「ウィンドウズXP」を搭載しビスタにも対応できる仕様のパソコンを買う人に、ビスタと引き換え可能なクーポンを家電店の店頭などで配る。
クーポンでビスタを入手するのにかかる費用はメーカーなどにより異なるが、デルの場合は家庭用の「ホームベーシック」版を四十五ドルで提供する。
ホームベーシックは通常価格が百九十九ドル。
HPは一部機種では無料でビスタを提供する。
ビスタは当初年末までに発売される予定だったが、開発作業の遅れから来年一月にずれ込んだ経緯がある。
マイクロソフト、パソコン会社とも年末年始にパソコンの買い控えが起きれば機会損失が大きいとみている。
販促費の分担については明らかにしていない。
ビスタは大企業向けには来月売り出す。
「ウィンドウズビスタ」 2万9800円で販売 「マイクロソフト」発表
遠藤泰男 2006/10/26
アメリカの大手コンピューターソフト会社「マイクロソフト」は、来年1月に発売を予定しているパソコンの新しい基本ソフト「ウィンドウズビスタ」の価格を現行の商品とほぼ同じ2万9800円にすると発表しました。
「ウィンドウズビスタ」は、マイクロソフトが6年ぶりに一新するパソコンの基本ソフトで、ウイルスの感染を未然に防ぐために安全性の高めるとともに、情報の検索機能を充実させたというのが特徴で、来年1月に発売予定です。
その価格について、マイクロソフトは、家庭での利用を想定した普及版を、現在の基本ソフトとほぼ同じ2万9800円にすると発表しました。
また、きょう以降、「ウィンドウズビスタ」に対応したパソコンを購入した人が、基本ソフトを「ウィンドウズビスタ」に更新する場合には、価格を半額程度に割り引くことにしており、年末商戦に向けて、パソコンメーカー各社の買い控えに対す懸念を解消したいとしています。
マイクロソフト新OS、「ビスタ」発売前に切り替えクーポン、パソコン買い控え回避。
遠藤泰男 2006/10/25
日本含む世界市場で
米マイクロソフトは二十四日、次期基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の来年一月の発売を待たずにパソコンを購入する個人や中小企業に、同ソフトを無料または低価格で提供すると発表した。
日本を含む世界市場が対象。
年末商戦で、消費者がパソコンを買い控えることを防ぐ狙いだ。
販促策はデルやヒューレット・パッカード(HP)、東芝など世界の主要パソコンメーカーと協力して十月二十六日から来年三月十五日まで実施する。
現行OS「ウィンドウズXP」を搭載し、ビスタへの切り替えができる仕様のパソコンを買う人に、ビスタと引き換え可能なクーポンを配る。
日本のパソコン各社は二十六日にも販促策を発表する予定だ。
ビスタ入手にかかる費用はメーカーなどにより異なるが、デルの場合、家庭用の「ホームベーシック」版を四十五ドル(通常価格は百九十九ドル)で提供。
HPは一部機種では無料とする。
マイクロソフトは当初、ビスタを年末までに発売する予定だったが、開発作業の遅れからずれ込んだ。
米マイクロソフト、ダグラス・キャビット氏――ウィンドウズへの攻撃(私が答えます)
遠藤泰男 2006/10/24
米マイクロソフト最高セキュリティー責任者 ダグラス・キャビット氏
ウィンドウズへの攻撃なぜ減らない
単独での対処に限界
業界や政府と協力し強化
マイクロソフトが全社を挙げて情報セキュリティーの強化に取り組むと宣言したのは二〇〇二年一月のこと。
それから五年近くが経過したが、ウィンドウズの脆弱(ぜいじゃく)性を突く攻撃は一向に減らない。
米マイクロソフトで最高セキュリティー責任者を務めるダグラス・キャビット氏に状況を聞いた。
――マイクロソフト製品の脆弱性が解消しない。
対策の進み具合は。
「『信頼できるコンピューティング』のスローガンを掲げてセキュリティー対策やプライバシー保護、信頼性の強化などに取り組んでいる。
まだ完全とは言えないが、成果は確実に出ている。
例えば(十八日から英語版の提供を始めた)インターネット閲覧ソフト『IE7』はセキュリティー開発ライフサイクル(SDL)と呼ぶ開発手法を完全に適用した最初の製品となる」
「SDLでは外部からのセキュリティー攻撃や不正利用を想定して、設計段階から対策を講じる。
対策が有効かどうか外部監査やテストも実施する。
犯罪者が実際に使うのと同じ手法で攻撃をしてみて、問題がないかどうかも確認する」
「SDLを部分適用するだけでもセキュリティー上の欠陥が五分の一以下になった。
来年一月発売予定の次期基本ソフト(OS)『ウィンドウズ・ビスタ』と業務用ソフトの最新版『オフィス2007』もSDLに沿って開発されている」
――攻撃の内容がどんどん高度化している。
「マイクロソフト製品単独でできることには限界がある。
このため業界各社や政府機関などと協力してセキュリティーの強化に努めている」
「OSではなく業務ソフトをねらった攻撃が増えているので、SDLの方法論を他社にも提供している。
他のセキュリティー対策会社との情報共有も進めている」
「政府機関にはセキュリティー犯罪に対する罰則強化をお願いしている。
このほか大学などと協力してセキュリティーに関する啓蒙(けいもう)教育にも力を入れている」
――米国では六月から「Windows Live OneCare」と呼ぶセキュリティーサービスを開始した。
「OneCareはセキュリティー対策にあまり関心がない、一般消費者向けのサービスだ。
マイクロソフトに任せてもらえば、ウイルスやスパイウエアなどの心配をせずに済むようにしたい」
「セキュリティー対策はOneCareの機能の一つに過ぎない。
それ以外にもデータの整理やバックアップなど、パソコンの健全性を維持するための様々な機能を提供する」
――OSの開発会社がセキュリティーサービスを提供するのは、不公正ではないか。
「OneCareは、OSの公開された機能だけを使って開発されている。
不公正なところはまったくない」
「競合他社にも技術革新の余地は多数残されている。
例えば、日本のトレンドマイクロはウィンドウズ・ビスタ用に画期的な新機能を開発したと聞いている」
Douglas Cavit 米ネットワーク・アソシエーツ社などで十五年以上にわたってセキュリティー関連の業務に携わる。
二〇〇三年の米マイクロソフト入社後は、統合セキュリティーサービス「Windows Live OneCare」の立ち上げを担当した。
今年七月から現職。
遠藤泰男 2007/01/20
次は携帯電話端末へ参入――。
アップル得意の垂直統合型のビジネスモデルが、マイクロソフトを中心とするIT業界の常識=水平分業モデルを突き崩し始めている。
メディア泣かせのスケジュールがかえって、"勢い"の違いを浮き彫りにすることになった。
1月8日から11日まで、米ラスベガスでは国際家電見本市「インターナショナルCES」が、9日から12日までは、アップルの「マックワールド」がサンフランシスコで開催された。
例年はこんな日程ではない。
CES閉幕の翌日にマックワールドが開幕するという形ですみ分けができていたのだが、今年はCESの日程が後にズレたことで完全にバッティング。
ラスベガスとサンフランシスコを行き来するメディア関係者で飛行機は大盛況となった。
日程がバッティングしたとはいえ、CESは世界中のあまたの家電メーカー、IT企業が集結する世界最大のIT・家電の見本市だ。
片や、アップル1社が主役のイベントである。
にもかかわらず、アップルが多くのメディア関係者を引きつける点は、この会社の勢いそのものといえる。
"水平分業"の祭典
CESの前夜祭ではマイクロソフトのビル・ゲイツ会長が基調講演を行うことが、慣例化している。
例年どおり、基調講演の会場は大入り満員。
が、聴衆の反応は今ひとつ。
「過去にも話している内容が多く既視感があった」とベテラン記者は言う。
プレゼンテーションの中で、ゲイツ会長はウィンドウズ・ビスタに対応したヒューレット・パッカード、東芝、ソニーなどの新型パソコンを次々に紹介した。
ハードとソフトを別の会社が受け持つ水平分業型のビジネスモデルであることを示す典型的な場面である。
ところが、ハードにも大きな革新性は見当たらない。
冴えないゲイツ会長の講演は、IT業界の水平分業モデルそのものが色あせ始めたことの象徴なのだろうか。
一方、アップルのスティーブ・ジョブズ最高経営責任者(CEO)が行った講演は、いつにも増して大歓声に包まれた。
昨年来ウワサに上っていたアップル版のケータイ端末「iPhone」を正式発表したためだ。
米国最大の携帯電話事業者であるシンギュラー・ワイヤレスと組み、今年6月に発売することを明らかにした。
08年に1000万台
iPhoneは、指で操作する3・5インチマルチタッチ・ディスプレーを備えた、薄さ12ミリ弱の携帯電話端末である。
200万画素のカメラ、動画も再生できるiPodのほか、アドレス帳、インターネット閲覧ソフトなども搭載されている。
無線機能としては、GSM方式の携帯電話網を使ったシンギュラーの高速ネットワーク「EDGE」に対応している。
iPhoneは、まずは北米のみで展開し、さらには欧州へ2007年後半、アジアへは08年に投入することを明らかにした。
「08年に世界で1000万台販売し、シェア1%をとることが当面の目標だ」(ジョブズCEO)。
これだけでも、ほとんどの日本の携帯電話端末メーカーを抜き去ることになる。
端末にはマックOSの技術が用いられているため、携帯版のマックともいえるものだ。
ソフトだけでなく、ハードのデザインについてもアップル1社で完結しており、得意とする垂直統合型のビジネスモデルである。
アップルは、iPodによってソニーなど家電メーカーの牙城だった携帯オーディオ市場を瞬く間に突き崩した"実績"がある。
圧倒的に巨大な携帯電話市場でも一大勢力にのし上がることに成功すれば、IT業界は大きく揺さぶられることになるだろう。
後年、07年はIT業界の構造が大きく変わる分水嶺の年だった、と振り返られることになるかもしれない。
業績拡大への期待からアップル株価は9日、10日と連続で最高値を更新した
時流超流・トレンド?米家電展示会「CES」が映すデジタル革新の峠越え 「もうハード頼みは通じない」
遠藤泰男 2007/01/15
今年1月8日から米ラスベガスで開催された世界最大の家電の展示会である国際家電見本市(CES)。
開幕前夜は、恒例となっている米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長の基調講演に期待が集まっていた。
毎年ニュースが飛び出すうえに、引退を表明しているゲイツ会長にとって最後のCESになる可能性もあったからだ。
だが、ふたを開けてみると、講演は今年1月末に一般消費者向けに発売する予定の新OS(基本ソフト)「ウィンドウズ・ビスタ」と、ゲーム機の「Xbox360」関連の新サービスに関する内容が大半を占め、発表済みのものばかり。
米フォード・モーターとの自動車分野での提携などに関して、会場を沸かせる場面もあったものの、目新しさには乏しかった。
「IT(情報技術)が変える私たちの生活の未来を見てもらいたいと思います」。
終盤になってゲイツ会長が発した言葉に観客は固唾をのんだが、米シアトルの本社に4年以上前から展示してあるIT化された住宅での生活の様子を実演しただけ。
後半には席を立つ参加者も続出したほどだった。
7日からの記者発表会では、電機メーカー各社が様々な新製品を発表したが、これも従来のようには盛り上がらない。
シャープが世界最大となる108インチのフルハイビジョン液晶テレビを発表したものの、プラズマテレビでは昨年のCESで松下電器産業や韓国のサムスン電子、LG電子が100インチ以上を出展済み。
液晶テレビでは初めてのサイズとはいえ、大画面テレビの発表には既視感が伴う。
かといって、薄型テレビに代わる大型の新商品も見当たらない。
「今年はサプライズを探すのが難しい」。
こんな嘆き声が、世界各国から詰めかけた記者から漏れた。
家電、ITの技術革新が一段落し、成熟期に入ったことを象徴するように、2003年以降増え続けてきたCESの来場者数も、今年は減少に転じる見込みだ。
「レッドフライデー」?
次代を担う主役が見えない中、会場で聞かれたのは、業界の牽引役となる薄型テレビの急激な値下がりを懸念する声の数々。
記者発表会の話題は、もっぱら北米の年末商戦だ。
「これじゃあ『ブラックフライデー』じゃなく、『レッドフライデー』だ」。
東芝米国法人の幹部はこう言って顔を曇らせた。
昨年11月の感謝祭翌日の売り出し日、通称「ブラックフライデー」に松下電器の42インチハイビジョンのプラズマテレビが999ドルで売られるなど、薄型テレビの熾烈な価格競争が激化。
このままでは、すべてのテレビメーカーが赤字(レッド)に陥ってしまうと警戒感をあらわにする。
この幹部はさらに、数が増えすぎると集団で川に飛び込んで自殺するとされるレミング(タビネズミ)の絵まで描いて見せ、テレビメーカーの姿をそれにダブらせた。
「プラズマではシェア上位のメーカー以外は生き残れない。
中堅の日本メーカーの中には撤退する会社も出てくるだろう」。
プラズマテレビでシェアトップを争うLG電子の北米部門のマイケル・アンCEO(最高経営責任者)は、こんな予測を口にした。
液晶テレビの雄、シャープさえも危機感を募らせる。
昨年、第8世代の亀山第2工場をライバルに大きく先行して稼働させ、最も強い価格競争力を手にしたが、慎重な構えを見せる。
「年間30%の価格下落なら当社は十分に利益を伸ばせる。
しかし米国の年末商戦で起きた前年比4割の値下がりは予想以上だった。
この水準が続くとさすがに難しい」(シャープ米国法人会長の藤本俊彦取締役)。
秋には1インチ3000円
目を転じて日本。
過去最高のボーナス支給という追い風が吹いただけに、2006年末の薄型テレビ商戦は活況に沸いた。
例えばビックカメラは2006年12月に、薄型テレビの販売台数が既存店ベースで前年比19%も増加。
32インチ以上の液晶テレビに限ると、伸び率は68.8%に達したという。
だが、ここにも世界的な価格下落の波が押し寄せる。
台数ベースで19%増だった薄型テレビも、販売実績を売上高ベースに直すと4.5%増止まり。
32インチ以上の液晶テレビも、同じく24.3%と伸びが鈍る。
商品単価の下落による収益への逆風を、大画面志向の追い風でかろうじてかわしている格好だ。
40?49インチの液晶テレビの2006年1月2?8日の平均価格を100とした場合、12月は76.1。
値下がり幅は23.9%に及ぶ。
同サイズのプラズマテレビも26.4%の下落で、35?39インチでも軒並み20%台の下落幅だ。
「4割下落した米国に比べればマシ」などと高をくくってはいられない。
「液晶テレビの場合、プライスリーダーは日本から欧州に移った。
その欧州では既に32インチで7万5000円相当の液晶テレビが販売されている。
かつてパソコンで内外価格差が修正されたのと同じ動きが、薄型テレビでも起きるはず」(GfKジャパン)。
この年末商戦で「1インチ4000円」前後だった薄型テレビは、今年の秋以降、「1インチ3000円」時代に突入するというのが、家電業界における暗黙の了解だ。
松下電器のある幹部は、「デジタル家電ブームが今年踊り場を迎えるのは確実。
むしろ、2000年以降の盛り上がりが異常だった」と手綱を締める。
半導体や薄型テレビを巡って1000億円を軽く超える設備投資を各社が競い合い、記録メディアも光ディスクではDVDが「ブルーレイディスク」や「HD DVD」に進化し、HDD(ハードディスク駆動装置)や半導体メモリーの記憶容量も爆発的に拡大した。
さらに、インターネットもブロードバンド(高速大容量)環境が当たり前のものとなった。
大きな技術革新が毎年のように起き、それがデジタル家電市場を盛り上げ、CESのようなイベントが活況を呈してきた。
だが、結果的には各社が同じ技術を追いかけ、同じ土俵で競争を繰り広げたことで、急速な価格下落による"繁盛貧乏"のジレンマに陥った。
最先端の技術を追いかけても、消費者はついてこず、投資に見合う利益を上げづらくなった。
技術革新がニーズを追い越し
「技術革新が消費者ニーズを追い越してしまった。
結局のところ、勝ち組は、最先端の技術を使わず、消費者のニーズをソフトや使いやすさで汲み取った米アップルコンピュータと任天堂だけだった」(先の松下電器幹部)。
アップルは使いやすいソフトを武器に、「iPod」で携帯音楽プレーヤー市場を席巻した。
任天堂は携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」や家庭用ゲーム機「Wii(ウィー)」で新しい遊び方を提案して、最先端技術を詰め込んだソニー・コンピュータエンタテインメントの「PSP」や「プレイステーション3」を上回る売れ行きを見せている。
ハード頼みの限界に気づいたソニーは、薄型テレビよりも、映画やゲームなどソフトを活用したサービスを前面に打ち出す方針をCESで鮮明にした。
ソニーは今夏から、米国で液晶テレビ「ブラビア」向けに米AOLや米ヤフーと提携してネットを使ったコンテンツ配信サービスを始める。
会場にはソフト重視を鮮明にしているハワード・ストリンガー会長兼CEOも顔を見せた。
毎年、新技術や新製品をぶち上げてきたCESが、今年は目玉がなく盛り上がりに欠けたのは、各社がハード中心主義の限界に気づいて戦略転換を図り始めたことの証しでもある。
今年のCESは、ハード重視できたデジタル家電が大きな曲がり角にあることを象徴的に示している。
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は熱弁を振るうも、会場での展示品に新鮮味は感じられず。
写真左はソニーの展示ブース
日本でも大画面の価格は下落
大画面薄型テレビの平均価格動向
「家電PC」富士通も パソコンメーカーの進出、加速
遠藤泰男 2007/01/13
富士通は今月末、家庭の薄型テレビにつないで使う新タイプのパソコンを日本で発売する。
テレビ画面上でネットの閲覧などを行い、同時に番組録画や動画再生ができる。
いつも録画する好みの番組を自動認識して事前に知らせる機能をつけるなど、従来のテレビパソコンよりAV製品としての機能を充実させた「家電PC」。
薄型テレビと動画のネット配信の普及を背景に、米アップルも家電分野への本格参入を発表しており、パソコンメーカーの家電進出が加速しそうだ。
富士通はこのパソコンを11日まで米ラスベガスで開かれていた世界最大の家電見本市「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」に参考展示した。
米マイクロソフトが今月末発売する個人向けの新基本ソフト「ウィンドウズ・ビスタ」を搭載。
ネットで高画質の動画を取り込みやすくした。
上位機種は400ギガバイトのハードディスクドライブを備え、デジタル放送が48時間録画できる。
テレビ録画機能がついたテレビパソコンは、単品の薄型テレビより画質が悪いという指摘もあった。
大画面の薄型テレビが急速に普及しているため、テレビを表示装置として使えるパソコンを売ることにした。
テレビから離れて無線操作できるキーボードとマウスもつけた。
店頭価格は上位機種が18万円程度、下位機種が9万円程度の見通し。
CES閉幕 目玉なく商談中心に
遠藤泰男 2007/01/13
ラスベガス(米ネバダ州)=佐竹一秀】世界最大の家電見本市「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」が11日(日本時間12日)、4日間の日程を終え閉幕した。
CESは、世界の電機メーカーが画期的な次世代技術を発表する場となってきた。
今回は、各国の報道陣からも「目玉がない」との声が聞かれるほど最先端の技術発表は少なかったが、会場には薄型テレビや次世代DVDの関連製品が勢ぞろいし、ビジネス重視の展示が目立った。
価格競争が激化する薄型テレビで注目を集めたのが、シャープが出展した世界最大の薄型テレビである108型フルハイビジョン液晶テレビ。
100型を超える薄型テレビは、松下電器産業(103型)や韓国サムスン電子(102型)のプラズマテレビがリードしてきたが、シャープが108型を発表したことで、今後、大画面化のバトルも白熱化しそうだ。
また、ソニーは高精細の27型有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)テレビを出品。
有機ELが将来の薄型テレビの有力技術であることを示した。
昨年本格的に市場投入された次世代DVDは、主導権争いを続ける「ブルーレイ・ディスク(BD)」と「HD DVD」の両陣営がそれぞれ新製品を展示し、火花を散らした。
そうした中で、韓国のLG電子は次世代DVDの2規格に1台で対応できる世界初のハイブリッドプレーヤーを出展、注目を集めた。
コンピューター関連では、米マイクロソフトの次世代パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」が30日の一般消費者向け発売を目前に控えていたことから、同社のブースは大勢の来場者でにぎわった。
また、CESの開幕直前の恒例となっている同社のビル・ゲイツ会長の基調講演も注目を集めた。
2008年に経営の第一線から退くことを明らかにしており、CESでの講演は今回で最後といわれていたためで、会場には約3500人の聴衆が押し寄せたが、「家電をマイクロソフトのソフトで連携して融合させる」と従来の主張を繰り返す内容にとどまった。
会期中の来場者は、過去最高の15万人超を記録した昨年より約1万人減の14万人超だった。
会場のキャパシティがほぼ限界に達し、主催者の全米家電協会のゲイリー・シャピロ会長が「今後は商談を中心とし、一般の入場を制限したい」と話しており、入場制限の効果が早くも表れた格好だ。
CESは来年以降、商談の場としての色彩を強める見通しで、電機メーカー各社は売れる新商品の展示に知恵を絞ることになりそうだ。
パソコン、形・機能に新しさ――各社、ビスタ登場に合わせ(CES2007)
遠藤泰男 2007/01/11
米ラスベガスで開催中のコンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で、来場者の注目する製品の一つがパソコン。
米マイクロソフト(MS)が新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」を三十日に発売するのを前に、メーカー各社はユニークな形状や新機能を追加した製品を展示。
成熟期に入ったパソコンの販売てこ入れを狙う。
東芝の展示ブースでテレビや次世代DVD対応機に劣らず来場者の興味を集めているのは、本体側面に小型の細長い液晶画面を備えたパソコン。
携帯電話の通信機能も付けており、電源を落としても小型液晶で受信メールやスケジュールの確認ができる。
ビジネスマン向けの需要を喚起したい考えだ。
東芝とMSが二年半にわたって異例の共同開発を実施してきた成果で、電子ペンで画面に直接入力できる。
東芝PC&ネットワーク社の能仲久嗣社長は「パソコンのブレークスルーとなる」と期待する。
韓国や台湾メーカーもメーン画面の背面に小型画面を搭載した同様の製品を展示している。
円柱状の白い物体に「これがパソコン?」という質問が来場者からでていたのがソニーのブース。
斬新なデザインだけでなく、HDMI端子などAV機器用の入出力機能を備えており、リモコンでテレビ放送の録画や再生ができる。
富士通もHDMI端子と無線LANを備えたパソコンを展示。
録画再生機など家電の置き換えを模索する。
「どのメーカーの製品も似たようなもの」とメーカー自らが漏らすほどだった最近のパソコンだが、ようやく革新の動きが見え始めた。
一方で「ウィンドウズ95発売時の熱気はまだ取り戻せていない」という指摘もある。
今回のCESがパソコンの飛躍の始まりか、一時的な盛り上がりに終わるのか。
評価には、まだ時間がかかりそうだ。
「ビスタ」主役 マイクロソフト、新OSアピール 米CES
遠藤泰男 2007/01/11
■30日発売、注目度抜群
2007年のエレクトロニクス業界で、最も関心を集めているのが、米マイクロソフトの次世代パソコン用基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」。
30日の一般消費者向け発売を目前に控え、「国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」でも、注目度は抜群だ。
マイクロソフトも、機能や操作性が格段に進化したビスタの登場で、生活やビジネスも大きく変わると、その魅力をアピールしている。
「ビスタ、そしてパソコンが、(家電の)中心的な存在となる」
マイクロ・ソフトのビル・ゲイツ会長は、開幕前日の7日に開かれた基調講演で、詰めかけた3500人の聴衆を前にこうぶち上げた。
同社がCESで、全世界に向け発信しているのが、便利で快適な新しい生活、ビジネス空間。
同社の「ウィンドウズ・ビスタ・パートナー・パビリオン」では、米国の家庭を再現し、実際に体験できる。
パビリオンは、「テレビとムービー」「スモールビジネス」「音楽」「ゲーム」など7つのテーマにわかれており、テレビやオーディオなどの家電製品とビスタのコラボレーションによる新たな可能性を提案している。
ビスタは、リモコンを押すだけの簡単な操作で、ネットに接続しさまざまなサービスを受けることができ、パソコンのキーボードやマウスの操作になじめなかった人でも、使いこなせるようになる。
パビリオンでも、インストラクターがリモコンのボタンを押す簡単な操作で、写真や画像、音楽を再生してみせた。
■日本でも販促
同社では、日本でもマスコミ向けに、今月16日から1カ月間、東京都内のマンションを借り切って、CESのパビリオンと同様の「デジタルライフ・メゾン」を開設する予定だ。
このほか、ビスタは3D(立体)対応のウエブサイトを表示できる性能も備えており、ネットショッピングの際に、服などを立体的に確認したり、色を変えたりすることもできる。
また、「フィッシング詐欺防止機能」を搭載するなど、セキュリティーを大幅に強化。
保存したファイルの検索機能も高め、必要な文書や画像を素早く探し出すことができるようにした。
パソコンマーカー各社では今後、ビスタ搭載の新型パソコンを相次ぎ投入する予定で、世界規模でパソコンの買い替え需要が喚起されるとの期待が高まっている。
マイクロソフトウィンドウズ本部の倉本玲子シニアプロダクトマネージャは、「これまでパソコンになじめなかった人にも使い勝手がよく、今後、新しいコンテンツやサービスも増えていく。
より楽しく、より便利になる」と話している。
家電各社、戦略に手詰まり感――競争激化、技術よりビジネス(CES2007)
遠藤泰男 2007/01/10
IT融合、意外な新規参入も
世界最大の国際家電見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が八日、米ラスベガスで開幕した。
例年は家電・IT(情報技術)大手が総力を挙げて派手な新製品や新技術を競い合うが、今年は激しい価格競争にさらされる家電業界で手詰まり感も出ており、目玉商品が少ない地味な展開。
対照的に家電とITの融合を狙う、意外な伏兵の新規参入が目立つ。
サプライズなく
CES開幕前夜の七日午後、会場の一つであるベネチアン・ホテルの大ホール前は全世界から集まった業界関係者で大混雑していた。
お目当てはCES開幕直前の恒例行事になっている米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長の基調講演だ。
整理券配布による入場規制と長い待ち時間を経て、待望のゲイツ会長が姿を現したのは午後七時ごろ。
ただ、ゲイツ氏の講演が始まってからしばらくすると、苦労して手に入れた席を立ち去る人影も見え始めた。
「家庭内の様々な機器をソフトでつなぐことが重要だ」。
ゲイツ会長が強調したメッセージは、これまでに何度も使ってきたのと同じせりふ。
一月三十日に一般消費者向けに発売される同社期待の新型基本ソフト(OS)「ビスタ」に関する発表も控えめ。
目立ったのは家庭用サーバー向けソフトへの参入などだが、聴衆からは「期待はずれ」との声も漏れた。
「家電ショー」の主役のはずの家電メーカーの記者会見も肩すかしが多い。
松下電器産業は昨年、103インチの世界最大プラズマテレビを出展してCESを沸かせたが、今年は液晶テレビとの競争が激化する自社製品の優位性を訴えることに時間を費やし、大きなサプライズは無し。
最大の展示スペースを確保した韓国のサムスン電子も、店頭での売れ行きが良い50―65インチ製品の出展を重視。
記者会見した崔志成(チェ・ジソン)デジタルメディア総括社長は「今年はすべてのテレビ分野で世界一位になる」と、技術優位を誇るよりビジネス優先の姿勢を強調した。
大型商品と期待された次世代DVDは、規格が「HD―DVD」と「ブルーレイ・ディスク(BD)」の二陣営に分断されていることなどが消費者に嫌気され、本格離陸期はいまだ不透明。
東芝が打ち出した北米での今年のHD―DVD再生機の販売計画は前年比二十五倍の百八十万台だが、記者らの間では「本当にそんなに売れるのか」との疑問の声が上がった。
DVD分野でも両規格の技術的優劣より、関心はビジネスに移行しつつあるようだ。
韓国LG電子はHD―DVDとBDの両方の映像ソフトに対応した再生機を世界で初めて発売すると発表した。
価格は片方の規格しか再生できない高級機とほぼ同じ水準の千百九十九ドルに設定した。
CESの数少ない目玉製品はシャープが出展した世界最大の108型液晶テレビと、ソニーブースで人気を集めた有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)の27型薄型テレビなど。
薄型テレビ市場を中心に価格競争が猛烈な勢いで進むなか、多くの企業は「実需」を狙った堅実な展示にとどめたのが今年の特徴だ。
辺境から主役?
米家電協会(CEA)によると、今年の米家電出荷額は昨年比七%増の千五百五十億ドルと過去最高になる見通し。
競争が激化しているとはいえ、家電は現在も成長を続ける魅力的な巨大市場だ。
このため、意外な場所から新規参入を虎視たんたんと狙う企業もある。
その代表格はネットワーク機器最大手の米シスコシステムズだ。
「これからは消費者の時代。
一社の製品に依存せず、あらゆるコンテンツを自由に交換できる環境を家庭内に構築する」。
シスコのジョン・チェンバース最高経営責任者(CEO)は講演を翌日に控えた八日夜、こう明かした。
同社は〇三年に家庭用ネットワーク機器会社を買収したのに続き、昨年初めにセットトップボックス大手を六十九億ドルで手中に収めた。
家電業界の既存プレーヤーの間で手詰まり感が漂う中、シスコは「機は熟した」と判断したようだ。
チェンバース氏は九日の講演で、家電市場本格参入を宣言するとみられる。
「デジタル化」の大変革期で主役不在に悩む十八兆円市場を変えるのは、"辺境"からの新規参入組かもしれない。
米家電見本市 次世代DVD火花 MS「ビスタ」新機能を紹介
遠藤泰男 2007/01/09
世界最大の家電見本市、国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が8日(日本時間9日未明)、開幕した。
ソニーや松下電器産業、シャープ、東芝など日本を含む世界の約2700社が参加し、薄型テレビをはじめとするデジタル家電やIT(情報技術)関連の最新の製品、技術を披露した。
電機各社は普及段階に入った次世代DVD製品や高精細な薄型テレビなどを展示し、自社製品の優位性を訴える方針だ。
開催40周年を迎える今年は11日までの期間中に、昨年の約15万人を上回る過去最高の来場者を見込んでいる。
CES開幕に先立つ7日夜、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は当地で基調講演し、「パソコン用の新基本ソフト(OS)ウィンドウズ・ビスタは多様な新機器を生み出す推進役になるだろう」と強調した。
5年ぶりにOSを全面刷新するビスタは今月30日、店頭発売される。
講演で、ゲイツ会長は東芝やソニーの発売するユニークな形のビスタ搭載パソコンを紹介。
スポーツ中継と関連ニュースを同時にパソコン画面に表示するといったビスタの新機能を披露した。
ゲイツ会長の基調講演はCES前夜祭の名物。
ただ、会長は2008年に経営の一線から退く意向を表明しており、CESでの講演は今回が最後になる見通しだ。
ラスベガス、国際家電見本市開幕へ、薄型TV新製品など続々。
遠藤泰男 2007/01/08
世界最大の家電見本市、コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)が八日(日本時間九日未明)、米ラスベガスで開幕する。
四十回目を迎える今回は、二千七百社以上が出展し約十五万人を上回る来場者を見込む。
米家電協会(CEA)が六日に発表した二〇〇七年の米家電出荷額予測は薄型テレビなどが需要をけん引し、〇六年比七%増の千五百五十億ドルと過去最高になる見通し。
CESでは世界最大の家電市場を舞台に、ソニーや松下電器産業、韓国サムスン電子など国内外の主要メーカーが経営戦略や新製品を披露する。
薄型テレビや次世代DVDのほか、新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の登場を三十日に控えるパソコンなどが目玉となりそうだ。
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長、米モトローラのエド・ザンダー最高経営責任者(CEO)のほか、米ウォルト・ディズニーのボブ・アイガーCEO、米CBSのレズリー・ムンバスCEOらが基調講演する。
家電・IT(情報技術)・放送などの垣根を超え、製品の融合がどこまで進むかに注目が集まる。
8日家電・コンピューター見本市開幕 世界に革新をアピール
遠藤泰男 2007/01/08
8日(日本時間9日未明)から開幕する世界最大の家電・コンピューター見本市「2007国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」を前に、主催者である全米家電協会のゲイリー・シャピロ会長兼CEOは6日、当地で記者会見し、「CESは今年で40周年を迎えるが、今回は全世界に向けて家電の革新をアピールする第一歩になる」と意気込みを語った。
今年は11日までの期間中に、昨年の約15万人を上回る過去最高の来場者を見込んでいるが、シャピロ氏は年々増え続けるCESの来場者数について、「今後は一般の入場者を制限する方向で考える」と強調。
CESの位置づけをビジネス中心の商談会に徐々に改めていく意向を明らかにした。
一方、会場となるラスベガスコンベンションセンターでは同日、公式プレスイベントも開かれ、ソニーや松下電器産業、東芝など出展各社が最新の薄型テレビなどデジタル家電やIT(情報技術)関連製品の一部を披露した。
富士通テンは、5月に米国で発売予定の画面を取り外して持ち運ぶことができるカーナビゲーションシステムを展示した。
日本の電機各社は期間中、普及段階に入った次世代DVD製品や高精細な薄型テレビなど自社製品の優位性を訴えることにしているが、7日夜には米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が基調講演も予定されている。
5年ぶりの大幅刷新となるパソコン用新基本ソフト(OS)「ウィンドウズ・ビスタ」の店頭発売が今月末に迫っているだけに、発言が注目される。
世界最大の家電機器展 「ビスタ」対応など注目 ラスベガスで8日開幕
遠藤泰男 2007/01/06
世界130カ国から15万人以上が訪れる世界最大の家電・コンピューター機器展「2007インターナショナルCES(コンシューマー・エレクトロニクスショー)」(全米家電協会主催)が8日から4日間の日程で、米ネバダ州ラスベガスで開かれる。
1967年に「明日の技術を定義する」という理念で始まったCESは、ビデオカメラ、CDプレーヤー、プラズマテレビなど、数々の先端技術・新製品を世界に先駆けて公開する場になってきた。
今回は2700社以上が出展する。
今回は最新パソコン用OS(基本ソフト)「ウィンドウズ・ビスタ」に対応した高い処理能力を持つパソコンや、北米での伸びが期待される大画面の薄型テレビのほか、次世代DVD(デジタル多用途ディスク)では、東芝、NECなどの「HD DVD」と、松下電器産業、ソニーの「ブルーレイディスク(BD)」の両陣営が出展。
1台で両規格に対応したプレーヤーを韓国LG電子が展示する。
また会期中は、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長や、モトローラのエド・サンダー会長、デルのマイケル・デル会長らの基調講演も行われる。
マイクロソフト「参入」本当の理由?■覇権争い
遠藤泰男 2006/11/14
■覇権争い
次世代DVD、年末商戦で激突へ
マイクロソフト「参入」本当の理由
次世代DVD(デジタル多用途ディスク)がこの年末商戦でいよいよ両陣営が激突し、規格争いが本格化する。
覇権の行方は、IT業界の巨人、マイクロソフトの参入で混沌としてきた。
「ブルーレイ・ディスク(BD)」と「HD―DVD」の両陣営による次世代DVDの主導権争いは今年、それまでの机上論争から、製品を交えた「実戦」に移行した。
口火を切ったのが、HD―DVDの規格を開発した東芝だ。
東芝は今年1月、米ネバダ州ラスベガスで開催された「2006 International CES」の会場で再生専用のHD―DVDプレーヤー「HD―XA1」および「HD―A1」の2機種を発表。
特に、HD―A1は、関係者の間では、1000ドル以上は確実と見られていたものを、499・99ドル(約5万8500円)という戦略的な低価格で市場投入してみせた。
この発表にBD陣営は度肝を抜かれた。
東芝の発表から数時間後、パイオニアが同会場で発表したBDプレーヤーの価格は1800ドル(約21万円)。
同製品が、パイオニアの高級ブランドのELITEシリーズに位置づけられた製品であることを考慮しても、4倍近い価格差はやはり大きい。
さらに東芝は7月、再生・録画ができるHD―DVD搭載ハードディスクレコーダー「RD―A1」を発売。
こちらは1テラ(テラは1兆)バイト という大容量のハードディスクを搭載し、39万8000円という価格設定で国内市場向けに投入した。
早くも激しい価格競争
もちろんBD陣営も黙ってはいない。
この年末商戦向けに、松下電器産業、ソニーが相次いでBDレコーダーを発表。
松下は500ギガ(ギガは10億)バイト ハードディスク搭載の「DMR―BW200」と、200ギガバイトハードディスク搭載の「DMR―BR100」の2機種を投入。
下位機種のDMR―BR100では、市場想定価格を24万円前後に抑えてきた。
ソニーも、500ギガバイトおよび250ギガバイトのハードディスクを搭載した「BDZ―V9」と「BDZ―V7」を発表。
市場想定価格は下位機種で25万円前後と、東芝のRD―A1より購入しやすい価格帯に設定した。
ここでBDとHD―DVDの違いについて触れておこう。
共通しているのは、どちらも直径12センチで従来のCD(コンパクトディスク)、DVDと同サイズである点。
そして、信号を読み取る光ピックアップに利用するレーザー光線が現行DVDの赤色レーザーに対し、青紫レーザーを採用している点である。
だが、レーザーが当たる表面部分に設けられている保護層に関しては、HD―DVDは0・6ミリなのに対し、BDは0・1ミリを採用。
この点が最大の違いとなっている。
HD―DVD陣営が採用している0・6ミリは、現行DVDと同じもので、既存のDVDディスクの製造装置を、そのままHD―DVDの製造装置として転用できるメリットがある。
一方、BDは保護層が薄い分、記録密度を高め、大容量化を実現している。
HD―DVDでは1層で15ギガバイト、2層で30ギガバイトであるのに対して、BDは1層で25ギガバイト、2層で50ギガバイトまでの大容量化を実現。
さらに、先頃、千葉・幕張メッセで開催された「CEATEC」では、TDKが6層200ギガバイトのBDの試作品を展示し、さらなる大容量化の可能性を示した。
マーケティングにも違い
規格の違いとともに、マーケティング戦略にも両陣営の違いは表れている。
BD陣営は、その大容量性を武器に「ハイビジョン時代に適した記録メディア」であるとアピールする。
ハイビジョン映像の特長を享受できるコンテンツのひとつに映画がある。
1970年から2006年までのアカデミー賞(作品賞)受賞37作品のうち、上映時間が150分を超える作品は全体の4割を占める。
HD―DVDでは、2層で最大150分のハイビジョン録画が可能だが、これでは、アカデミー賞作品の6割しか録画できないことになる。
これに対し、BDなら2層で最大260分のハイビジョン録画が可能で、すべてのアカデミー賞作品を収録することができるのだ。
つまり、「ハイビジョンの特徴を生かせる映画の録画には最適なメディア」というのがBD陣営の謳い文句だ。
これに対して、HD―DVD陣営は、現行DVDの利用環境を指摘し、次のように反論する。
「日常の録画はハードディスクで行い、そのなかから残しておきたいものだけをDVDに録画する、というのがいまの録画スタイル。
HD―DVDでもこの使い方を提案する」(東芝)というわけだ。
東芝が発売したRD―A1に、1テラバイトという大容量のハードディスクを搭載した理由もそこにある。
さらに、DVDディスクの生産装置を、そのままHD―DVDメディアの製造装置に流用できるため、設備投資が少なくて済み、結果として1枚当たりの製造コストが安くなるというのも、HD―DVDの特長だ。
つまり、映画会社などのコンテンツホルダーにとっても、製造コストを抑えた形で、ソフトを市場に投入できるメリットがある。
また、HD―DVDのインタラクティブ(双方向)機能を利用し、映画を視聴している最中に、映画監督・出演者などのコメントや解説を小さな窓枠で挿入するといったことも可能となる。
いわば、コンテンツホルダーに最適化した仕様になっているともいえよう。
趨勢はBD陣営が優勢
多くの消費者が考えているのは、「負け組の商品は掴みたくない」ということだ。
かつてのビデオテープの「VHS対β(ベータ)」規格競争で、βのテープ資産の継承や処理に困った経験があるユーザーにとってはなおさらだ。
関係者の間では、「かつてのメディアの規格競争では、常に容量が大きい方が勝ってきた。
その経緯からいえばBDが優位」という声があれば、ビデオソフトの多さを背景にVHSが勝った経験から「DVDディスクの製造コストが安いHD―DVDはコンテンツ提供者には魅力。
その利点を生かしてコンテンツを揃えられればHD―DVDが強い」との見方もある。
現時点でのひとつの判断基準は、両陣営への参加企業数の差といえるだろう。
これを見ると、BD陣営が優勢である。
松下、ソニーのほか、蘭フィリップス、韓国サムスン電子、シャープ、日立製作所など名だたる電機メーカーが参加。
映画会社でもウォルト・ディズニー、20世紀フォックスホームエンタテインメント、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントなどがBD陣営に参加している。
「ハリウッドスタジオの49・1%の映画がBDだけで発売する。
また、HD―DVDとBDの両方で見られるものが31・9%。
実に81%の映画がBD環境に対応している」(松下)という。
11月11日に発売となるソニー・コンピュータエンタテインメントの「プレイステーション3」も、BDプレーヤーを搭載しており、これもBD陣営には追い風となる。
一方、HD―DVD陣営は、東芝、仏トムソン、NEC、三洋電機の電機メーカーに加えて、マイクロソフトおよびインテルといった有力IT企業が名を連ねる。
映画会社ではユニバーサル・ピクチャーズだけが、HD―DVDのみで製品化する。
また、ゲーム専用機ではマイクロソフトの「Xbox360」がHD―DVDドライブを外付けで用意している。
マイクロソフトの動き
HD―DVD陣営の唯一の優位はIT分野だ。
「ウィンテル」と呼ばれるマイクロソフト、インテルのほか、先頃、全世界のPCメーカーシェアでトップに躍り出たヒューレット・パッカード(HP)、国内でナンバーワンシェアを維持しているNECもHD―DVDを推している。
しかし、HPやNECもBD搭載PCを発表するなど、必ずしも一枚岩ではない状況も見られる。
そうしたなか、最も気になる動きが、マイクロソフトである。
来年1月に全世界で発売される次期OS「ウィンドウズ・ビスタ」でも、HD―DVDをサポート。
同社が中心となって開発した双方向技術仕様のiHDを、HD―DVDの標準的機能として位置づけ、HD―DVD分野における影響力を高めている。
では、なぜ、マイクロソフトはHD―DVDに力を注ぐのだろうか。
もちろん、iHDをはじめ、マイクロソフトの技術がHD―DVDに採用されている点は見逃せない。
また、HD―DVDの中心的存在である東芝で、社長を務めている西田厚聰氏がPC事業出身であり、ビル・ゲイツ会長と長年にわたり懇意であるという人脈の太さも見逃せないだろう。
だが、マイクロソフトの本来の目的は別のところにある、との見方もある。
それは、次世代メディア競争の決着の遅れそのものが、マイクロソフトにとってプラス要素になるという観点からのとらえ方だ。
実は、マイクロソフトは、将来に向けてオンライン型のビジネスモデルへの転換を図ろうとしている。
「ウィンドウズ・ライブ」「オフィス・ライブ」などと言われるサービスがそれである。
これまでのマイクロソフトのビジネスモデルの基本は、ウィンドウズやワード、エクセルといったソフトウエアの販売、ライセンス収入によるものだ。
だが、将来にわたって模索していくのは、そのモデルを大きく転換し、ソフトをオンラインを通じて無償で提供し、代わって広告収入によってビジネスを成り立たせようというものだ。
マイクロソフトのスティーブ・バルマー最高経営責任者(CEO)は、これを「マイクロソフトは賭けに出た」と表現し、「当社の売上高は約400億ドル。
まずは80億?100億ドル程度をこのモデルで得たい」との方針を示して見せる。
だが、これを実現するためにはブロードバンド環境の整備が必須だ。
しかも、携帯電話などのモバイルシーンでも同様の環境が実現されることが望ましい。
次世代メディアのいずれかが、ハイビジョンコンテンツ向けのパッケージメディアとして世の中に定着することを避け、ブロードバンド環境が全世界の主要地域で整備されるまでの時間稼ぎとして、HD―DVD陣営に加担しているというわけだ。
現在、両陣営の参加企業の趨勢などを見ると、流れはBD陣営に傾き始めているのは事実。
もし、マイクロソフトがHD―DVD陣営に参加していなかったら、BDの加速感はさらに強まっていただろう。
中国から知財を守れるか
一方、次世代DVDを巡っては、もうひとつの懸念材料がある。
それは、次世代メディアに関する知的財産を、日本の企業がいかに守るかだ。
次世代ディスクはBDであろうとHD―DVDであろうと、中心となる知財は日本の企業が所有している。
これはDVDでも同じだ。
しかし、DVDプレーヤーを例にとると、00年頃から中国企業による低価格DVDプレーヤーが登場し、全世界での市場シェアを高めていった。
98年には95%だった日本のシェアは、その後落ち続け、05年には22%にまで低下した。
代わって中国企業のシェアが高まり、05年には49%にまで上昇している。
ある関係者は次のように話す。
「中国企業の生産量に対する特許料の支払比率は約10%だと言われる。
DVDフォーラムで、市場で商品を買い上げてテストした結果でも、100機種中75機種以上がライセンス未取得だった。
次世代メディアでも同じことが起こる可能性があり、これをなんとか防がなくてはならない」。
別の関係者によると、日本のメーカーのDVDプレーヤーの価格は約90ドル(約1万500円)程度であるのに対して、中国メーカーは約35ドル(約4100円)。
人件費の安さだけでなく、「ライセンス料の未払い分がそのまま効いている」と分析する。
もちろん両陣営とも、中国への技術仕様の公開には慎重な姿勢を見せている。
だが、両陣営の争いが熾烈化するなかで、中国の生産力を活用した低価格製品の流入によって形成を逆転する、といった動きが今後とられないとも限らない。
両陣営の争いが激化すればするほど、中国への技術流出やライセンス未取得機種の蔓延につながる可能性もあるというわけだ。
競争を背景にした技術進歩や価格下落は歓迎したい。
だが、それによってユーザーの混乱を招いたり、利用環境を悪化させることがあってはいけない。
ましてや、企業の利益につながらない競争へと発展するようだと、両陣営の戦いは無意味な消耗戦となるだけだ。
ブルーレイ・ディスクとHD―DVD
かつてビデオテープの規格で家電メーカーが「VHS」と「β(ベータ)」の両陣営に分かれて標準化を競ったように、ハイビジョン放送など大容量・高画質映像の録画再生に適した次世代DVDでも、「ブルーレイ・ディスク(BD)」と「HD―DVD」の2つの規格が覇権を争っている。
記録容量はブルーレイ・ディスクの方が大きいが、HD―DVDは現行のDVDと同じディスク構造を採用しているため、製造コストを安くできる利点がある。
ソニー、松下電器産業などはブルーレイ・ディスクを推進し、東芝、NECなどがHD―DVDを推している(表)。
両陣営とも、自らの規格を普及させるためには、映画や音楽、ゲームなどのソフトをできるだけ多くそろえることが重要だと考え、業界の囲い込みを競っている。
現状では、ブルーレイ・ディスク陣営がより多くの家電メーカー、映画会社の支持を取り付けているが、HD―DVDはパソコン業界の雄、マイクロソフトを味方に付けており、主導権争いの行方はまだ混沌としている。
私たちの前には、活用すべきたくさんの表現物があります。
小説、戯曲、詩歌、俳句をはじめとする文学作品、評論、エッセイ、日記、等など。
表現は、それらから学ぶ以外に、自らを高める方法はない、と考えたほうがいいのです。
ゴージャスでデリケートな文章表現を獲得するためには、さまざまな表現物にまみえる他ないのです。
それは、女性の美しさが、その年輪によって磨かれる、というのと同じことです。ライター専門家によると、女性の美しさは10代が頂点だ、といわれます。肉体的な美しさにかぎるなら、単純明快に、そういってもよい、と思います。
しかし、40代になってから、女の人の美しさは底のほうから出てくる、といった美しさに厚みが出てくる、ということです。
「リナックスもライバルに」マイクロソフトのビル・ゲイツ会長が認める
1999/05/08, , 遠藤泰男
7日発売の米誌ビジネスウィークはソフトウエア世界最大手、米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長とのインタビュー記事を掲載した。
ゲイツ会長は「競争相手を3社挙げて」との質問に対し「3社に限定するのは困難だが、IBM、サン・マイクロシステムズ、アメリカ・オンライン・ネットスケープ、ノベル、リナックス、オラクルなどが挙げられるだろう」と述べ、ソフトウエア、ハードウエア、ネットワークの分野で世界をリードする大企業とともに、無料配布の基本ソフト、リナックスも脅威と感じていることを認めた。
[特集]デジタル社会 米マイクロソフト社会長、ビル・ゲイツ氏に聞く
1998/01/05, , 遠藤泰男
米マイクロソフトのビル・ゲイツ会長は1998年の年頭にあたって、毎日新聞社のインタビューに応じた。
コンピューターソフトの開発でパソコンの急速な普及に貢献し、デジタル社会のけん引役の一人であるゲイツ会長は、21世紀を"電網生活"の時代と位置づけ、10年後にその市場規模は現在の100倍になると予測した。
以下は特集「デジタル社会の未来を探る」に寄せられた書面による一問一答である。
◇ビル・ゲイツさんがコンピューターソフトを作り始めたころ、現在のようなコンピューター社会を予測しましたか。
(ゲイツさん)パーソナルコンピューターが生み出す可能性の一端を初めて垣間見たのは、1974年のことでした。
後にマイクロソフト社を一緒に立ち上げたポール・アレンと私は、キットから組み立てる新発売のコンピューター、アルテア8800に関する雑誌の記事を読んでいたのです。
アルテアはスイッチとランプのたくさんついた小さな箱に過ぎませんでした。
しかし、小さなコンピューターでも、プログラミング次第でさまざまな仕事をこなせるようになる時代の到来を、予見させたのです。
当時は、パソコンが仕事の仕方や遊び方、学び方をどれほど変革するものなのか、私たちにも分かっていませんでした。
けれども、コンピューターをより強力で使いやすいものにするためのカギがソフトウエアであることは感じていました。
現在、インターネットの発展が、ビジネスや情報交換のあり方を世界中で変革していますが、最初のパソコンの登場は、それに勝るとも劣らない重要性がありました。
◇マイクロソフトが急成長した理由は何だと考えますか。
(ゲイツさん)マイクロソフトの成功には、いくつかの重要な要因があります。
第1は、パーソナルコンピューティングに関する私たちの展望でしょう。
それはソフトウエアは、人々に力を与え、素晴らしい仕事を達成できるようにするものであるということです。
そして、安価な製品を大量に供給するという事業展開が、消費者とマイクロソフトの双方にとって利益を生む、というものです。
第2は、私たちが常に長期的な視野に立ってきた、ということです。
いいアイデアでも、一晩で実現するものではありません。
長い間、多くの労力と資本を投下しなければならないのです。
今年、マイクロソフトは研究開発に26億ドル(3380億円)を投入する予定ですが、すぐに利益が上がるとは期待していません。
この投資は、私たちが今後も長期間、技術分野でのリーダー役を果たすために行うのです。
第3に、私たちは、有能な人たちを雇い、彼らがいいアイデアを実現できるよう権限を与えるよう努めています。
さらに、家でパソコン1台を使うエンドユーザーに対しても、数千台のデスクトップコンピューターを持つ世界的企業に対しても、同じように良好な関係を築こうと努力していることでしょう。
◇パソコンは社会のどの部分を劇的に変えたと思いますか。
(ゲイツさん)もっとも大きな利益を得たのは、なんといっても企業です。
コンピューターは効率を劇的に向上させ、より多くの情報を提供することで知的労働に従事する人たちに力を与え、さらに、組織の内外での情報交換や協力関係を大いに改善してきました。
最近は、予期されていた事態だけでなく予想外の状況にも効率的に対応できる"デジタル神経系"の構築に関心を寄せる企業が増えています。
今後も、パソコンの有用性はより高まるでしょう。
ただ、技術革新が急速に進む状況下でも、コンピューターは、安価で使い勝手のよいものであるべきでしょう。
◇コンピューターは米国経済の再生に役立ったでしょうか。
(ゲイツさん)米国の全産業の効率化を助けたと思いますが、証明するのは難しいでしょう。
パソコン産業自体は、成長産業として「米国経済の再生」に重要な役割を果たしました。
米国の技術産業は、世界でも最も革新的で、競争力があり、成功しています。
◇日本を含めたアジアの市場をどのように見ていますか。
(ゲイツさん)我々のアジア戦略は、消費者やパートナーと協力し合いながら、この市場にあったソフトウエアを今後も提供していく、というものです。
日本を含むアジア市場は、成長率が高く、マイクロソフトにとって将来大きな可能性を秘めています。
日本はアジア最大のパソコン市場であり、私たちにとって非常に重要な存在であり続けるでしょう。
◇パソコンの将来についてうかがいます。テレビとパソコンは融合するでしょうか。
(ゲイツさん)最近、マイクロソフトは米国第4位のケーブルテレビ会社、コムキャストに資本参加し、また、ウェブTV社を買収しました。
これは、知的で対話型のパソコンと、生まれたばかりのデジタルテレビの統合を、私たちが強く支持していることの表れです。
データや画像の高速な送受が可能な帯域幅の広い通信網は、数年先でしょうが、必ず導入されます。
そうなれば、マイクロソフトだけでなく多くの企業にとって、素晴らしい長期のビジネスチャンスが生まれるのです。
◇インターネットとパソコンの組み合わせは21世紀の社会やわれわれの生活をどのように変えると予測しますか。
(ゲイツさん)電子商取引や情報交換、娯楽の分野でインターネットの持つ潜在的可能性はとても大きなものです。
10年後には、みんなが"電網生活"(Weblifestyle)を送るようになるはずです。
現在、車や電話、テレビなどが当たり前であるように、インターネットで買い物をし、連絡を取り合うのは当然のことだと見なされるようになるでしょう。
電網生活者の市場規模は、いずれ100倍に拡大すると思います。
ビジネスのあり方をインターネットが変えることには疑いがありません。
◇コンピューターが貧富の差を拡大するという指摘があります。
(ゲイツさん)新しい技術が開発されると、それによってもたらされた可能性に興奮する人もいれば、不測の事態の発生を恐れる人もいます。
問題の技術が、パソコンのように急速に進化してきたものである場合、両者の相違はなおさら鮮明になるのです。パソコンが飢餓や人口過剰といった問題を解決することはないでしょう。 カンドー 遠藤泰男 しかし、パソコンがもたらす新しい教育上の機会は、実に大きなものです。たとえば、恵まれない人たちやお年寄りが、学び、雇用に結びつく新しい技術を身につけ、友人や親類と連絡を取り合うことができるようになるのです。今日、パソコンとインターネットは、これまで最高の学校で豊かな人たちだけが学ぶことができた知識を、より多くの人にとって身近なものにしました。
だれでもインターネットにアクセスできるように、図書館や学校には必ずパソコンを配置しなければなりません。
